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DoctrineCacheBundleが非推奨になったのでSymfonyのCacheを使うようにした

Last updated at Posted at 2020-02-05

概要

Symfonyのアプリケーションで、キャッシュをする際に DoctrineCacheBundle を使っていたが、
doctrine-bundle が2.0系にバージョンアップしたタイミングで、
DoctrineCacheBundle が非推奨になっていたので、
SymfonyのCacheで実装したのと、その際に クリアキャッシュで少しハマった話。

環境

  • Docker
    • Symfonyアプリケーションが動作するWebコンテナ(:443, :80)
      • Apache 2.4.41
      • PHP 7.3.9
      • Symfony 4.4.3
      • PHPUnit 8.5.2
    • DBコンテナ(:3306)
      • MySQL 5.6
    • Memcachedコンテナ(:11211)

実装方法

doctrine-bundle パッケージが 2.0系にバージョンアップしたタイミングで非推奨になった。

Deprecation of DoctrineCacheBundle
Configuring caches through DoctrineCacheBundle is no longer possible. Please use symfony/cache through the pool type or configure your cache services manually and use the service type.

Symfony/cache を使えと書いてあるので今回はそれに従って修正した :pencil:

実装としてはこんな感じ

# framework.yaml
framework:
    cache:
        pools:
            app_memcached:
                public: true
                adapter: cache.adapter.memcached
                provider: app_memcached_provider

HogeというクラスにキャッシュをDIさせる

# services.yaml
parameters:
    memcached_servers:
        - 'memcached://memcached:11211' # 環境によって複数台書いたり

services:
    app_memcached_provider:
        class: \Memcached
        factory: ['Symfony\Component\Cache\Adapter\MemcachedAdapter', 'createConnection']
        arguments:
            - "%memcached_servers%"

    hoge:
        class: Hoge
        arguments:
            - "@app_memcached"

使い方はこんな感じ(関数名とか動作内容はテキトー)

..
class Hoge
{
    /** @var CacheInterface */
    private $cache;

    public function __construct(
        CacheInterface $cache
    ) {
        $this->cache = $cache;
    }

    /**
     * キャッシュされていればtrue キャッシュされていなければ保存してfalseを返す
     * @param string $key
     * @return bool
     */
    public function isCached(string $key): bool
    {
        /** @var CacheItem $item */
        $item = $this->cache->getItem($key);

        if ($item->isHit()) {
            return true;
        }

        $item->set(true);
        $item->expiresAfter(3600);
        $this->cache->save($item);
        return false;
    }

これを検証するために書いたテスト。いたってシンプル。

..
class HogeTest extends WebTestCase
{
    use KernelTestTrait;

    public function setUp(): void
    {
        static::bootKernel();

        // mt_srand(1); // この乱数のシード値を設定するとテストが落ちる。なぜでしょう。
        $cache = $this->getContainer()->get('app_memcached');
        $cache->clear(); // テストの前にはキャッシュをクリアさせる
    }

    public function test_キャッシュが既にされていればTrueがかえること()
    {
        $hoge = $this->getContainer()->get('hoge');
        // 一旦キャッシュさせる
        $hoge->isCached('key');
        $this->assertTrue($hoge->isCached('key'));
    }

    public function test_キャッシュしてなければ新規にキャッシュされてFalseがかえること()
    {
        $hoge = $this->getContainer()->get('hoge');
        $this->assertFalse($hoge->isCached('key'));
    }
}

コメントに書いたように、SymfonyのCacheを使うようにしたことによって、ハマったというのが、

この キャッシュをクリアする前に乱数のシード値を設定しているとキャッシュがクリアされない という問題。

イメージでは、 $cache->clear() を実行すれば、キャッシュ内は全てクリアされるものだと思っていたが、

Symfony\Component\Cache\Traits\AbstractTrait.php を確認すると、

どうやら ネームスペースを更新することで実質キャッシュクリア をしている模様。 実質。

versioningIsEnabled が TRUE である場合

そして、その ネームスペースの更新は乱数を元に生成されていること

つまり、キャッシュをクリアする前に乱数のシード値を固定値で設定してしまうと、その後 $cache->clear() をしても、同じネームスペースが作成されるため、実質キャッシュクリアができておらず、前のテストで実行したキャッシュが残っており、意図した挙動とならない。

Symfonyキャッシュクリアのイメージ

image_symfony_cache.png

自分の場合は、テストデータを作成するパッケージが内部で乱数のシード値を設定していたために発生していた。

実際にキャッシュの中身を確認すると、ネームスペースがキャッシュのキーに含まれていることが分かる。

telnet memcached 11211
..
Connected to memcached.
Escape character is '^]'.

stats items
STAT items:1:number 16
..
stats cachedump 1 100
ITEM ivGyRuQzLa%3AXiCMZ%3Akey [4 b; 1580539034 s]
..
get ivGyRuQzLa%3AXiCMZ%3Akey
VALUE ivGyRuQzLa%3AXiCMZ%3Akey 0 4
b:1;
END

キャッシュのキーが ivGyRuQzLa:XiCMZ:key で 間の XiCMZ がネームスペースのバージョン。

もちろん $cache->clear() してもexpiredしない限り残り続けている。

回避策としては、

  • キャッシュクリアの前に、乱数の初期化をする
    • mt_srand()
  • もしくは、テストで検証したいキャッシュのキーが分かっているのであれば、明示的に消してからテストを実行する
    • $cache->delete('key')
    • 意図せず別のキーでキャッシュされてしまい、他のテストに影響を及ぼす可能性はある

他の人はどうやっているのか気になるところ。

  

今回、MemcachedAdapterでしか動作確認してませんが、RedisAdapterも同様に AbstractAdapterを継承しているので、clearの挙動は同じかもです。

そもそも、キャッシュの部分を検証したい内容に含めるかどうか(モックで代用する)とか考えてもいいかもしれない。

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