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デジタル庁 テキスト生成AI利活用におけるリスクへの対策ガイドブック(α版:2024年6月更新) 解説

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本記事は 生成AIセキュリティ by ナレコム Advent Calendar 2024 の24日目の記事です。

本Advent Calendarは、国内で唯一の技術領域 責任あるAIMVP受賞者 を中心に、生成AIを含めたAIやデータを企業が利活用するときに気をつけるセキュリティやガバナンスを中心に紹介します。

この記事は、生成AIセキュリティに関わる全ての方に向けて、最新のガイドブックをポイントを絞って解説していくものです。

テキスト生成AIのリスク対策の必要性

皆さんご存知の通り、ChatGPTをはじめとするテキスト生成AIは、私たちの仕事や生活を大きく変える可能性を秘めています。しかし、様々なリスクも存在します。
例えば、

  • 不正確な情報を生成してしまう
  • 機密情報を学習してしまう
  • 著作権侵害をしてしまう

などなど、様々なリスクが潜んでいます。これらのリスクを放置したままにしてしまうと、大変なことになりかねません。

ガイドブックの概要

このガイドブックは、テキスト生成AIを安全・安心に利用するために、想定されるリスクとその対策についてまとめたものです。特に、政府情報システムへの生成AI導入に関わる行政職員を対象としていますが、企業でAI導入を検討している方にも非常に参考になる内容となっています。

対象読者

  • 政府情報システムへの生成AI導入に関わる行政職員
  • 自社サービスや業務改善のためにテキスト生成AIの導入検討をされている方

構成

ガイドブックは、本文(前半6章)と発展的内容を含んだ付録(後半3章)で構成されています。

ガイドブックのポイント

ガイドブックには様々な情報が盛り込まれていますが、特に重要なポイントを3つに絞って解説します。

1. テキスト生成AIに特化

生成AIには、テキストだけでなく、画像や音声、動画を生成できるものもあります。しかし、このガイドブックでは、テキスト生成AIに焦点を当てています。なぜなら、行政業務でやり取りする情報の多くはテキスト情報であり、デジタル庁におけるテキスト情報以外の生成AIの活用は検証段階だからです。

2. 利用形態・ユースケース・工程に応じたリスクを分類

テキスト生成AIのリスクは、利用形態(特定のサービスに組み込まれた状態や、Web API形式等)やユースケースによって異なります。ガイドブックでは、これらの違いを意識し、デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン実践ガイドブックで定義されている工程に応じたリスクや留意点をまとめています。

3. 検証で判明したリスクを網羅

デジタル庁が実際に行った検証で判明したリスクや留意点が、可能な限り記載されています。これにより、机上の空論ではなく、実践的な対策を検討することができます。

特に注目すべきリスクと対策

ガイドブックには様々なリスクと対策が記載されていますが、ここでは特に注目すべきものをいくつかピックアップしてご紹介します。

  • リスク: 不適切なプロンプトによる不適切なアウトプット
    • 対策: プロンプトの設計に関するガイドライン策定、プロンプトエンジニアリングの実施
  • リスク: 著作権侵害
    • 対策: 学習データにおける権利処理の確認、生成物の著作権に関する注意喚起
  • リスク: 倫理・社会的な問題を含むコンテンツの生成
    • 対策: 倫理的な問題に対するフィルタリング機能の導入、利用規約における禁止事項の明示

まとめ:AI時代の羅針盤となるガイドブック

「テキスト生成AI利活用におけるリスクへの対策ガイドブック(α版)」は、AI技術の進化に対応し、リスクを理解した上で安全な利活用を進めるための重要な指針です。AIドリブンな社会を実現するためには、このガイドブックを参考に、リスク対策をしっかりと講じていく必要があります。

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