はじめに
Google Antigravityがリリースされました。
「Cursor, Windsurf...またAI搭載エディタか」って思いませんでした?
僕も最初そう思ってたんです。
でもね、ドキュメント読み込んでいくうちに、ちょっと考えが変わりました。
Google Antigravityって、単なる「AI補完付きエディタ」じゃないんです。
「エージェント(自律思考AI)」が主役の開発環境なんですよね。
ブラウザ操作から複数リポジトリの同時開発まで、未来の機能がてんこ盛り。
この記事を読めば、Antigravityの全体像がつかめるようになってます。
少し長くなりますが、コーヒー片手にお付き合いください。
目次
- Antigravityとは何か?
- インストールと準備(ここ超重要)
- 基本画面とナビゲーション
- 最強の相棒「Agent」を理解する
- エディタ機能:TabとCommand
- 成果物「Artifacts」とタスク管理
- 革命的機能:Browser Agent
- Agent Manager:全知全能の管理画面
- 拡張機能:MCPとKnowledge
- 設定・制限・FAQ
1. Antigravityとは何か?
Google Antigravityは、従来のIDE(統合開発環境)を「エージェントファースト」の時代へと進化させるプラットフォームです。
VS Codeベースの親しみやすいUIを持ちながら、その核となるのは 「Agent(エージェント)」 。
エージェントは単にコードを書くだけじゃなくて、ターミナル操作、ブラウザでの検証、そしてプランニングまでを自律的に行います。
これ、すごくないですか?
今までのAIエディタって「ここ直して」って頼む感じでしたけど、Antigravityは「この機能実装しておいて」って頼んだら、計画立てて、コード書いて、ブラウザで動作確認までしてくれるイメージ。
まさに「グラビティ(重力)」から解き放たれるような身軽さ。
そういう思想がネーミングに込められてるのかなと。
主なコア機能
- Editor: AI搭載のVS Codeベースエディタ
- Agent Manager: 複数のワークスペースやエージェントを一元管理する司令塔
- Browser Agent: エージェントが自らブラウザを操作してタスクを実行
- MCP (Model Context Protocol): 外部ツールやDBと接続する標準プロトコル
2. インストールと準備(ここ超重要)
まずはここから。
使い始めるための要件がいくつかあるんですけど、ここでつまずく人けっこういそうなので、しっかり確認しておきましょう。
ダウンロード
・Google Antigravity Download
URL: https://antigravity.google/download
から入手可能です。
システム要件
自分のPCが対応しているかチェックしましょう。
macOS:
- Appleのセキュリティアップデートがサポートされているバージョン(通常は現行+過去2バージョン)
- 最低要件: macOS 12 (Monterey)
- 注意:X86 (Intel Mac) はサポートされていません。Apple Silicon (M1/M2/M3/M4等) 必須です
ここ、めっちゃ大事なポイント。
Macユーザーの方、Intel Macだと動かないみたいです。M1以降のマシンのみ対応。
Windows:
- Windows 10 (64 bit)
Linux:
- glibc >= 2.28, glibcxx >= 3.4.25 (Ubuntu 20, Debian 10, Fedora 36, RHEL 8など)
Linuxユーザーの方もglibcのバージョンには注意してくださいね。
認証と利用可能地域
アカウント:
現在は個人のGoogleアカウント(@gmail.com)のみ対応。
Workspaceアカウント(企業用など)は、たとえ個人利用でもNGです。
会社のメールアドレスでログインしようとして「あれ?」ってなる人、続出の予感。
今はパブリックプレビューなので、個人のGmailを使いましょう。
地域:
日本(Japan)を含む多くの国で利用可能ですが、リストにない国では使えません。
日本は対象国に入ってるので安心。
3. 基本画面とナビゲーション
Antigravityには大きく分けて2つの「顔」があります。
- Editor (エディタ): コードを書くいつもの画面
- Agent Manager (エージェントマネージャー): エージェントを指揮する管理画面
画面の切り替え
このショートカットだけは覚えて帰ってください。
Cmd + E (Mac) / Ctrl + E (Windows)
エディタとマネージャーを一瞬で切り替えます。
Cmd + E でサクサク切り替えるのがAntigravity流の基本動作になりそう。
エディタの左上にあるボタンからも切り替えられますよ。
4. 最強の相棒「Agent」を理解する
Antigravityの心臓部、それが「Agent」です。
使用モデル (Models)
なんと、Googleのモデルだけでなく、他社のモデルも選択可能です(ドキュメント記載ベース)。
会話のプロンプトボックス下のドロップダウンで選択します。
- Gemini 3 Pro (High / Low) - Googleの最新フラッグシップ
- Claude Sonnet 4.5 (通常版 / Thinking版)
- GPT-OSS
ユーザーのターンごとにモデルを切り替えられるので、「推論はClaudeで、実装はGeminiで」みたいな使い分けもできそう。
エージェントモード (Agent Modes)
タスクの重さに応じてモードを選べます。
1. Planning Mode (計画モード)
- 用途: 複雑なタスク、深いリサーチ、共同作業
- 挙動: いきなりコードを書かず、まずは「Task Groups」や「Artifacts(計画書)」を作成して、じっくり考えます
2. Fast Mode (高速モード)
- 用途: 変数名の変更、簡単なバッシュコマンド実行など
- 挙動: 計画を飛ばして、即座にタスクを実行します
基本は「Planning」で良さそうですね。
エージェントが暴走しないように、ちゃんと計画を立ててくれるのは安心感があります。
「Fast」は従来のチャットAIっぽい使い心地かなと。
ファイルアクセス権限
デフォルトでは、エージェントは「現在のワークスペース」と「~/.antigravity/(設定ファイル等)」しか触れません。
設定: Agent > Non-Workspace File Access で外部ファイルへのアクセスを許可できますが、セキュリティ的に要注意です。
5. エディタ機能:TabとCommand
エージェントだけでなく、コードを書く際のアシスト機能も強力です。
Tab (Supercomplete)
単なるオートコンプリートを超えた「スーパーコンプリート」。
- Supercomplete: カーソル位置だけでなく、ファイル全体を見て、変数名の変更などを同時に提案してくれます
- Tab-to-Jump: 次に編集すべき場所へカーソルをジャンプさせます
- Tab-to-Import: 未定義のクラスなどを使うと、自動でimport文を提案・追加してくれます
Tabキーを押すだけで、import文の追加から次の編集箇所の移動までやってくれるなんて...。
「Tabキー連打してたら仕事終わってた」みたいな未来が来るかも?
Command
自然言語でコードを生成・編集する機能です。
ショートカット: Cmd + I (Mac) / Ctrl + I (Win)
使い方:
- エディタ上で: 「ログインフォームのReactコンポーネントを作って」
- ターミナル上で: 「ポート3000を使ってるプロセスをキルして」
6. 成果物「Artifacts」とタスク管理
エージェントは仕事の結果を 「Artifacts(アーティファクト)」 という形で提出します。
これがAntigravityの最大の特徴の一つ。
主なArtifactsの種類
1. Implementation Plan (実装計画書)

- エージェントがコードを変更する前に作る計画書
- 重要: ユーザーはこれを「Review (レビュー)」して、コメントで修正指示を出せます。OKなら「Proceed」で実行
- リサーチ、実装、検証などのToDoリスト。進捗状況がリアルタイムで見れます
- 作業完了後の「まとめ」。変更内容の要約や、スクリーンショットなどが含まれます
4. Screenshots / Browser Recordings

- ブラウザ操作の証拠画像や動画
- 「ブラウザで見て確認して」とプロンプトを打つと実際にブラウザを確認してれます。
ちなみに、私のmacでは最初動かず、、、以下実施でうまく動きましたメモシェアです。
・アクセシビリティをON
・Antigravityユーザー認証をGoogle Workspaceユーザーではなく個人ユーザーに切り替え
・Mac自体を再起動してAntigravityを開く
・「ブラウザで見て確認して」とプロンプトを打つと承認ボタン出る
・Antigravity Browser Extensionを開いたブラウザで拡張機能インストール( https://chromewebstore.google.com/detail/antigravity-browser-exten/eeijfnjmjelapkebgockoeaadonbchdd )
でBrawser機能使えるようになりました🙌
うまく動かない方ぜひお試しください。
レビューポリシー設定
エージェントがいちいち許可を求めてくるのが面倒な場合、設定で変更できます。
- Request Review: 常に人間がレビューする(デフォルト推奨)
- Agent Decides: エージェントが自信があるときは勝手に進める
- Always Proceed: ノーチェックで突き進む(勇者向け)
最初は「Request Review」にしておきましょう。
エージェントの提案が意図と違うことはよくあるので、実装前にコメントで軌道修正できるのはめちゃくちゃ便利です。
7. 革命的機能:Browser Agent
Antigravityの真骨頂、ブラウザ操作機能です。
何ができるの?
- 操作: クリック、スクロール、入力、コンソールログの読み取り
- 視覚: スクリーンショット、DOMのキャプチャ、動画撮影
- 独立性: 「Separate Chrome Profile」で動作します。つまり、普段使いのChromeのクッキーやログイン状態とは隔離されます
「ローカルサーバー(localhost:3000)で立ち上げたアプリの動作確認をして」みたいなタスクを丸投げできるわけです。
しかも別プロファイルだから、自分のGmailセッションが切れたりする心配もなし。
考えられてるな〜。
Browser Subagent
メインのエージェントとは別に、ブラウザ操作に特化したモデル(Gemini 2.5 Pro UI Checkpointなど)が裏で動きます。
操作中は、ブラウザ上に青い枠とアクション内容が表示され、人間が邪魔しないようにロックされます。
セキュリティ(Allowlist / Denylist)
勝手に怪しいサイトに行かないよう、2段階の保護があります。
1. Denylist: Googleが管理する「危険なURLリスト」。アクセス不可
2. Allowlist: ユーザーが許可したURLリスト
- リストにないサイトに行こうとすると、「許可しますか?」とポップアップが出ます
Chrome Extension
Antigravityがブラウザを制御するために必須の拡張機能です。
初回起動時にインストールを求められます。
🔗Antigravity Browser Extension - Chrome ウェブストア
URL: https://chromewebstore.google.com/detail/antigravity-browser-exten/eeijfnjmjelapkebgockoeaadonbchdd
8. Agent Manager:全知全能の管理画面
Cmd + E で開く、もう一つの画面です。
Workspaces (ワークスペース)
複数のプロジェクト(フォルダ)を同時に管理できます。
サイドバーからフォルダを選んで、それぞれのワークスペースで別のエージェントを走らせることが可能。
複数のリポジトリを行き来するシニアエンジニアには最高の機能。
Aのプロジェクトでビルド待ちの間に、Bのプロジェクトのバグ修正をエージェントに指示する...なんてマルチタスクが可能になります。
Inbox (インボックス)
全てのスレッドの通知センター。
「ターミナルコマンドの実行許可待ち」「ブラウザ操作の許可待ち」などのタスクがここに集約されます。
Playground (プレイグラウンド)
特定のフォルダに紐付かない、一時的な実験場。
「ちょっとこのコード試したい」という時に使い、気に入ったら後でワークスペースに保存(Move)できます。
9. 拡張機能:MCPとKnowledge
Antigravityをさらに賢くする機能たちです。
MCP (Model Context Protocol)
エディタと外部ツールを繋ぐ規格です。
何ができる?
- Postgresのスキーマを読み込んでSQLを書かせる
- Linearのチケットを作成する
- Notionのドキュメントを検索する
導入方法: エディタ上部の「...」メニュー > MCP Store からインストール
これ、今話題のMCPです。
コンテキスト(文脈)として外部ツールの情報をAIに渡せるので、「Linearのチケット #123 の内容に基づいて修正して」みたいな指示が通るようになります。
Knowledge (ナレッジ)
Antigravityの「記憶」です。
会話の中で得た重要な洞察、パターン、解決策を自動的に「Knowledge Item」として保存します。
次回以降、エージェントはこの記憶を参照して、より賢く振る舞います。
10. 設定・制限・FAQ
最後に、知っておくべき細かい仕様です。
料金プラン
2025/11/20現在は No-cost Public Preview(無料プレビュー) です。
Rate Limits (制限):
- 5時間ごとにクォータ(利用枠)がリセットされます
- 一般的な使用なら上限には達しない設計ですが、使いすぎには注意
便利な設定 (Settings)
Cmd + , で設定を開けます。
Terminal Command Auto Execution:

- Off: 常に許可を求める
- Auto: エージェントが判断
- Turbo: リスクのあるコマンド以外はガンガン実行(上級者向け)
Theme
VS Codeベースなので、お好みのテーマが使えます。
よくある質問 (FAQ)
Q: PCがスリープしたらどうなる?
A: エージェント稼働中は、AntigravityがPCのスリープを阻止してくれます。
Q: 拡張機能は使える?
A: Open VSX marketplaceからVS Code互換の拡張機能をインストール可能です。
Q: サポートは?
A: プレビュー期間中は antigravity-support@google.com へ(英語推奨)。
まとめ
Google Antigravityは、単なるコード補完ツールではなく、 「一緒に働いてくれるAI同僚」 をPCの中に住まわせるような感覚のツールです。
ここがすごい
- Agentが計画・実装・ブラウザ確認まで自律的にやってくれる
- Artifactsで成果物をレビューしながら進めるので、AI任せでも安心
- Browser AgentでWebアプリの動作確認まで自動化できる
今はまだプレビュー版ですが、これからの開発スタイルのスタンダードになる可能性を秘めています。
Mac (Apple Silicon) ユーザーの方は、ぜひ今すぐダウンロードして、未来の開発体験を味わってみてください。
最後まで読んでくれてありがとうございます。長かったですよね。
でも、これだけの機能が詰まってるんです。
ぜひ実際に触ってみて、エージェントがブラウザを勝手に動かし始めた時の「おぉ...」という感動を味わってください。
それでは、良いコーディングライフを。
参考
・Google Antigravity
URL: https://antigravity.google/
・Google Antigravity Documentation
URL: https://antigravity.google/docs/browser

















