2026-10-02 の Claude Code ドキュメント追加は、プラグインが JavaScript 関数としてフックを実装できる「Mods」機能の登場と、auto モードにおけるパーミッションルールの精緻化を中心に、拡張性と安全性の両面にまたがる変更が集中した。
Claude Mods:プラグインがセッション挙動をコードで変更できるようになった
これまでのプラグインは、スキル・エージェント・シェルコマンドとして実行されるフック・MCP サーバーという構成で提供されていました。今回のリリースで「hooks モジュール」という新しいコンポーネントが加わり、プラグインは JavaScript 関数としてフックを定義できるようになりました。
A plugin can also register hooks as JavaScript functions that Claude Code calls in its own process, which can draw in the interface as well as act on events.
(出典 [1])
(訳:プラグインは、Claude Code が自プロセス内で呼び出す JavaScript 関数としてフックを登録することもでき、インターフェースに描画したりイベントに反応したりできます。)
この仕組みを持つプラグインを「mod」と呼びます。既存のシェルコマンド形式のフックと共存して動作するため、従来の設定ファイルに変更は不要です。プラグインのコンポーネント一覧にも「hooks モジュール」が明記され、スキル・エージェント・通常のフック・MCP サーバーと並ぶ正式な構成要素として位置づけられています。
v2.1.287 では「You should know」という組み込み mod も同時に追加されました。サイドエージェントがセッションを監視し、見落としを指摘してくれる機能で、/plugin enable cc-plugin-you-should-know@builtin で有効化できます。ファーストパーティセッションかつテレメトリが有効な場合のみ利用できます。
auto モードのパーミッション:広範な許可ルールが自動削除される
auto モードに入る際、任意コード実行につながりうる広範な許可ルールが自動的に削除されます。
On entering auto mode, broad allow rules that grant arbitrary code execution are dropped: Blanket Bash() or PowerShell() Wildcarded interpreters like Bash(python*) Package-manager run commands Agent allow rules Monitor allow rules, because Claude Code runs Monitor commands through the shell Narrow rules like Bash(npm test) stay in effect.
(出典 [3])
(訳:auto モードに入ると、任意コード実行を許可する広範なルールが削除されます。具体的には Bash() や PowerShell() のような包括的な許可、Bash(python*) のようなワイルドカードインタープリタ、パッケージマネージャの run コマンド、Agent 許可ルール、Monitor 許可ルール(Claude Code が Monitor コマンドをシェル経由で実行するため)が対象です。Bash(npm test) のような限定的なルールは有効のまま残ります。)
自動削除されるルールを意図的に残したい場合は、auto モードに入る前に許可設定を見直す必要があります。許可ルールは記述が限定的であるほど auto モード下でも維持されます。
コミット前のスキル自動実行:verify と simplify が対象に
v2.1.286 以降、セッション開始時に「verify」または「simplify」という名前のスキルが読み込まれている場合、Claude Code はコミット直前にそのスキルを Claude に実行させるようになりました。ドキュメントやテストのみの変更は対象外です。
When a session starts with a skill named verify or simplify in place, Claude Code's commit instructions tell Claude to run it right before each commit, except for changes to docs or tests.
(出典 [9])
(訳:verify または simplify という名前のスキルがある状態でセッションが開始された場合、Claude Code のコミット指示に従い、Claude はドキュメントやテストへの変更を除く各コミットの直前にそのスキルを実行します。)
この動作が発動する条件は次の三点です。スキルが enterprise・personal・project・追加ディレクトリのいずれかからロードされていること。Claude がそのスキルを呼び出せる状態にあること(disable-model-invocation: true で無効化されている場合は発動しません)。includeGitInstructions がオフになっていないこと。バンドル版の /verify や /simplify、claude.ai アカウントから同期されたスキルはこの対象に含まれません。
システムプロンプトの複数ファイル合成
CLI に --append-system-prompt-file フラグが加わり、v2.1.283 以降では同種フラグのファイル版と通常版を同時に指定できます。
The file's contents come first even if you pass --append-system-prompt before --append-system-prompt-file .
(出典 [7])
(訳:--append-system-prompt を --append-system-prompt-file の前に渡しても、ファイルの内容が先に来ます。)
たとえば --append-system-prompt-file ./style.md --append-system-prompt "Always reply in French" と指定すると、デフォルトのシステムプロンプトの後に style.md の内容・空行・テキスト指示の順で Claude に渡されます。フラグの記述順にかかわらずファイルが先になる点は注意が必要です。
ステータスラインにプロンプトキャッシュとレート制限フィールドが追加
ステータスラインの JSON スキーマに prompt_cache フィールドと rate_limits フィールドが追加されました。
prompt_cache はメイン会話のキャッシュ統計(ヒット率・ミス数・キャッシュが温まっているかどうか)を提供します。フックベースのワークツリーには含まれません。rate_limits.spend_limit フィールドは Claude apps ゲートウェイのスペンド上限の利用状況を返し、v2.1.284 以降の Claude Code とゲートウェイの両方が必要です。
Absent when the current model does not support the effort parameter
(出典 [17])
(訳:現在のモデルが effort パラメータをサポートしていない場合は含まれません。)
effort フィールドと同様に、thinking.enabled(拡張思考が有効かどうか)も条件付きで含まれます。ステータスラインスクリプトから参照する際は、フィールドの存在を確認してから使う実装が安全です。
その他の更新
- CLAUDE_CODE_DISABLE_WEB_FETCH を 1 に設定すると WebFetch ツールを無効化できます。WebSearch ツールは引き続き使用可能で、v2.1.285 以降が必要です。
- CLAUDE_AX_PREPARK_MS のデフォルト値が v2.1.287 で 50 から 0 に変更されました。スクリーンリーダーモードで新しい行の書き込み前の待機がなくなります。50ms の動作に戻したい場合は環境変数で明示的に指定できます。
- CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY を 1 にすると auto memory を無効化できます(v2.1.281 以降)。auto memory はローカルセッションでデフォルト有効ですが、Claude Tag 以外の自己ホスト環境ではデフォルト無効です。
- --bare モードは v2.1.286 で動作が正式化され、MCP サーバーの接続がコマンドラインで指定されたものだけに制限されます。スクリプトや SDK 呼び出しの推奨モードと明記されています。
- MCP の動的ツール更新では、対話型端末セッションで list_changed 通知が届くとリストが自動更新されます。非対話型モードではツールリストのみ更新されます。
- ワークツリーのフェッチ先に GitLab の merge-requests//head が加わり、セルフホスト GitLab にも対応しました。
- Routines はデフォルトで claude/ プレフィックスを付けたブランチにプッシュします。GitHub のブランチ保護ルールで制御できます。
- OpenTelemetry の gen_ai.usage.input_tokens に相当する値を計算するには、input_tokens に cache_read_tokens と cache_creation_tokens を加算します。Claude Code 自体は gen_ai.usage.* 属性を設定しないため、マッピングは手動で行う必要があります。
- サブエージェントのトランスクリプトを開いた状態では、/compact・/clear・/rewind はメインの会話に対して作用するため、実行前に確認ダイアログが表示されるようになりました。
まとめ
2026-10-02 の更新は、プラグイン開発者とセキュリティを意識した運用者の双方に影響します。Mods の登場でプラグインは Claude Code のインターフェースレイヤーにまで介入できるようになり、これまでのシェルコマンドフックでは難しかった UI 統合が可能になりました。一方で auto モードは広範な許可ルールを自動削除することで、意図しないコード実行のリスクを構造的に下げます。verify・simplify スキルの自動実行はコミット前チェックをスキルとして標準化する手段を提供するもので、チームの運用フローに組み込む際の基準点になります。
出典
本稿の引用はすべて一次資料と逐語照合(verify_article 通過)のうえ掲載しています(2026-10-03 検証)。
[1] https://code.claude.com/docs/en/hooks
[2] https://code.claude.com/docs/en/plugins
[3] https://code.claude.com/docs/en/permission-modes
[4] https://raw.githubusercontent.com/anthropics/claude-code/main/CHANGELOG.md
[5] https://code.claude.com/docs/en/env-vars
[6] https://code.claude.com/docs/en/memory
[7] https://code.claude.com/docs/en/cli-reference
[8] https://code.claude.com/docs/en/sub-agents
[9] https://code.claude.com/docs/en/slash-commands
[10] https://code.claude.com/docs/en/skills
[11] https://code.claude.com/docs/en/headless
[12] https://code.claude.com/docs/en/sandboxing
[13] https://code.claude.com/docs/en/routines
[14] https://code.claude.com/docs/en/monitoring-usage
[15] https://code.claude.com/docs/en/mcp
[16] https://code.claude.com/docs/en/worktrees
[17] https://code.claude.com/docs/en/statusline