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AWS ECSとDockerで学ぶマイクロサービスアーキテクチャの基礎

Last updated at Posted at 2025-08-26

Qiita技術ブログ (3).png

はじめに

現代のソフトウェア開発において、マイクロサービスアーキテクチャという言葉を耳にする機会が増えました。これは単なるバズワードではなく、開発のスピード、スケール、そしてチームの生産性を劇的に向上させるための重要な設計思想です。

しかし、「マイクロサービスって難しそう」「一体何から始めればいいの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

ご安心ください。この記事では、DockerとAWS ECSという強力なツールを使いながら、マイクロサービスアーキテクチャの基本的な考え方を分かりやすく解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたもマイクロサービスの世界への第一歩を踏み出せるはずです。

1. マイクロサービスアーキテクチャとは?

モノリシックアーキテクチャの課題
かつての主流であったモノリシックアーキテクチャは、すべての機能を一つの巨大なアプリケーションとして構築するものです。シンプルなうちは開発が容易ですが、規模が大きくなるにつれて以下のような課題が顕在化します。

開発のスケールが困難:コードベースが巨大になり、複数人での開発が難しくなる。

デプロイの複雑さ:わずかな変更でも、アプリケーション全体を再デプロイする必要がある。

技術の硬直化:一部の機能だけ新しい技術に切り替えるのが難しい。

マイクロサービスアーキテクチャのメリット
マイクロサービスアーキテクチャは、この課題を解決するために考案されました。これは、一つの巨大なアプリケーションを、それぞれが独立した小さなサービス(マイクロサービス)に分割する設計思想です。

microservice.jpg

このように分割することで、以下のメリットが生まれます。

独立した開発・デプロイ:各チームが担当するサービスを、他のサービスに影響を与えることなく開発・デプロイできる。

技術選択の自由:サービスごとに最適なプログラミング言語やデータベースを選択できる。

耐障害性:特定のサービスに障害が発生しても、他のサービスが影響を受けにくくなる。

2. マイクロサービスとDockerの関係

マイクロサービスを現実のものにする上で、Dockerは欠かせない存在です。Dockerが提供する「コンテナ」という技術は、まさにマイクロサービスのための理想的な**「箱」**だからです。

コンテナは、アプリケーションとその実行に必要なすべての環境(ライブラリ、依存関係など)を一つにまとめて、どこでも同じように動作させることができます。

DockerfileとDocker Compose
Dockerfile:各マイクロサービスごとに、そのコンテナをどう作るかを記述するファイルです。これにより、サービスの環境がコードとして管理され、誰がビルドしても同じコンテナが作られます。

Docker Compose:複数のコンテナ(マイクロサービス)をまとめて定義し、一括で起動・管理するためのツールです。ローカル開発環境で、複数のサービスを連携させて動作確認する際に非常に便利です。

3. ECSでマイクロサービスを動かす

ローカル環境でDockerを使って開発したマイクロサービスを、本番環境で安定して動かすには、コンテナオーケストレーションサービスが必要です。AWSでは、その役割を**ECS(Elastic Container Service)**が担います。

ECSは、大量のコンテナを効率的に配置、管理、スケーリングするためのフルマネージドサービスです。

タスク定義とサービス
ECSにおけるマイクロサービスの最小単位は「タスク」です。タスク定義には、どのDockerコンテナイメージを使うか、メモリやCPUをどれだけ割り当てるか、といった詳細情報が記述されます。

そして、そのタスクを一定数維持・管理するための単位が「サービス」です。ECSサービスは、タスクの起動・停止、ヘルスチェック、ロードバランシングなど、マイクロサービスの運用に必要な機能を自動で提供してくれます。

  1. マイクロサービスをECSで構築する際のポイント
    分離の原則
    各マイクロサービスは、独立したビジネスドメイン(例:ユーザー管理、注文処理、支払いなど)を担当するように設計します。これにより、変更の影響範囲を最小限に抑え、開発をスムーズに進められます。

ステートレスな設計
コンテナは、いつ停止・再起動されるか分かりません。そのため、コンテナ自体にユーザーセッションなどの「状態」を持たせないステートレスな設計が重要です。状態を保持する必要があるデータは、Amazon RDSなどの外部データベースに保存するようにしましょう。

APIゲートウェイの役割
外部からのアクセスを直接各サービスに送るのではなく、APIゲートウェイと呼ばれる単一のエントリーポイントを設けます。これにより、認証、トラフィック制御、ルーティングなどを一元的に管理でき、サービスの運用がシンプルになります。

  1. シンプルなマイクロサービスを構築してみよう(実践編)
    ここでは、簡単なマイクロサービス構成の例を紹介します。

構成例:

・frontend:ReactやVue.jsで作られたWebサイト

・api-service:ユーザー情報を提供するAPI

・db-service:データベース(例:Amazon RDS)

この構成をECSで動かす手順は、以下のようになります。

・各サービスのDockerfileを作成:frontend用とapi-service用のDockerfileをそれぞれ作成します。

・EKSにデプロイ:各サービスのコンテナイメージを**ECR(Elastic Container Registry)**にプッシュします。

・ECSサービスを作成:api-serviceとfrontendのタスク定義を作成し、それぞれのサービスとしてECSにデプロイします。

・ロードバランサーを設定:frontendの前に**ALB(Application Load Balancer)**を配置し、ユーザーからのリクエストをfrontendに振り分けます。

・サービス間の連携:api-serviceからdb-service(RDS)に接続するための設定を行います。

6. まとめと次のステップ

この記事では、DockerとECSを使ってマイクロサービスアーキテクチャの基礎を学びました。

マイクロサービスは、小さな独立したサービスに分割することで、開発効率と耐障害性を高める。

Dockerは、サービスを「コンテナ」という形で独立させるために不可欠なツール。

ECSは、本番環境で大量のコンテナを管理・オーケストレーションするためのサービス。

これらのツールを組み合わせることで、複雑なマイクロサービスアーキテクチャも無理なく構築・運用できます。

次のステップとして、CI/CDパイプラインの導入や、Amazon CloudWatchを使ったログ管理・監視について学ぶことをおすすめします。これらは、マイクロサービスを本番環境で安定運用するために不可欠な要素です。

質問や感想があれば、ぜひコメントで教えてください!

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