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化合物半導体中のダングリングボンドによる準位

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半導体を作るためには結晶中の価電子の平均が4個である必要がある。この中で価電子が4個でない原子同士を組み合わせて作る半導体を化合物半導体という。

この化合物半導体だが、原子が抜ける欠陥が生じることがあり、これに伴ってバンド図の中に新しい準位が発生する。

この準位を正しく計算するには第一計算原理という手法によって、系のシュレディンガー方程式をスーパーコンピュータに計算させて求める必要があるのだが、それをしなくてもある程度の傾向を予測することができる。

わかりやすいように例としてGaAsを挙げる。Gaは原子番号31番で13族、Asは原子番号33番で15族である。この2つの元素が結合すると結合性軌道と反結合性軌道を作る。結晶の場合は価電子帯が結合性軌道、伝導帯が反結合性軌道に対応する。ここでGaAs結晶中でGaが結合を振り切ってどこか行ってしまったとする。このとき欠けたGaと結合していたAsは結合性軌道と反結合性軌道を作らなくなり、As単体のときの準位と概ね等しいエネルギー準位を結晶中に作る。これがAsダングリングボンドによる欠陥準位となる。AsはGaよりも陰イオンになりやすく、したがってバンド図では価電子帯に近いところにエネルギー準位を作る。注意しないといけないのは結晶中では、その他の近接原子の影響を受けて単体でのエネルギー準位と欠陥準位はひとしくはならない。Asが抜けたときは同様にして、伝導帯に近いところに欠陥準位ができる。

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