1. プレイスメントグループとは
AWSのEC2プレイスメントグループは、インスタンスを特定の方法で配置することで、ネットワーク性能を向上させたり、フォールトトレランスを確保したりする仕組みです。
これにより、特定のユースケースに最適化されたインフラを構築することが可能です。
プレイスメントグループを利用することで、以下のような効果を得ることができます。
- ネットワークスループットの向上
- レイテンシ削減
- フォールトトレランスの強化
2. プレイスメントグループの種類(表)
プレイスメントグループには3つの種類があり、それぞれ特定のユースケースに適しています。
No | 種類 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|---|
1 | クラスター(集約配置) | 低レイテンシ・高スループットが必要な環境 | HPC、分散システム |
2 | スプレッド(分散配置) | 耐障害性が必要な環境 | マルチAZアプリケーション |
3 | パーティション | 大量データ処理でフォールトアイソレーションを提供 | ビッグデータ処理、分析基盤 |
表のポイント
- クラスター: インスタンスを1つのラックに配置し、レイテンシを最小化
- スプレッド: インスタンスを分散配置することで、単一障害点を回避
- パーティション: 各パーティションが独立しており、障害が発生しても他に影響を出さない仕組み
3. 詳細
クラスター
- 特長: 同一ラック内に配置されるため、極めて低いレイテンシと高スループットを実現
- 制約: 配置可能なインスタンス数が制限される場合あり
スプレッド
- 特長: 各インスタンスが異なるラックに配置されるため、単一障害点を回避
- 制約: 配置可能なインスタンス数(通常最大7インスタンス)が制限される
パーティション
- 特長: 各パーティションが独立しており、大規模なデータ処理に最適
- 制約: 必要なインスタンス数や分散計画によって設定が複雑になる場合あり
4. ユースケース
ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
- 大規模な計算を並列処理する際に集約配置が有効です。
- 例: 科学計算、シミュレーション、機械学習のトレーニングなど
→クラスターが推奨
分散システム構築
- 分散配置を活用して、異なるラック間で高可用性を実現します。
- 例: マルチAZをまたいだWebアプリケーション
→スプレッドが推奨
データ分析基盤
- ビッグデータの処理を効率化します。
- 例: データウェアハウス、Hadoopクラスタの構築
→パーティションが推奨
問題
最大のパフォーマンスを発揮するために、ネットワーク遅延抑える方法は?
- (1) クラスター
- (2) スプレット
- (3) パーティション
正解
- (1) クラスター