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プッシュスイッチ付きのロータリーエンコーダを分解する

Last updated at Posted at 2021-09-21

1.はじめに

久しぶりにロータリーエンコーダを使ってみたけど、構造を明確に理解していなかったことに気付いたので分解して勉強。

2.分解してみた

今回分解したロータリーエンコーダは、回転軸がプッシュスイッチになっているものです。エンコーダー検出用の3pin(A,B,GND)の他に、スイッチ用の2pin(SW,GND)がついています。

front.JPG
pins.png

分解すると3階建て構造になっていました。
1階層目はプッシュスイッチの接点。2階層目はロータリーエンコーダの接点、3階層目はクリック感を出すためのばねがしこまれていました。

2-1.1階層目

sw.png
一階層目をばらすと、プッシュスイッチ接点を、上部から貫通してきているエンコーダ軸が押し込む構造になっていました。スイッチは接点が同時にばねになっている一般的なタクトスイッチと同じ構造でした。

2-2.2階層目

state.png
2階層目は、エンコーダーの接点があります。放射状に延びているのがAstateとBstateの接点です。扇状に配置されているのがGNDにつながる接点です。これらの接点を接続するのが上面に存在するコンタクトです。コンタクトは一枚のリングから4本の接点が伸びている構造で、A,B各接点とGNDを適宜スイッチする構造です。
AsteteとBstateは1/4周、GNDは1/2周の範囲にしか配置されていませんが、コンタクトの接点は4ヶ所(赤矢印部)存在するため、全周にわたって接点が存在しているのと同等の働きをします。

2-3.3階層目

spring.png
3階層目には板ばねが仕込まれていて、回転する際にコンタクト裏面の溝と接触してクリック感を出しています。

3.まとめ

ロータリーエンコーダーの仕組みについては何となく知っていましたが、分解してより理解が深まりました。特に。AstateとBstateを同じ面に1/4周ずつ配置し、コンタクトの接点4個を使って各ステートが一周配置されているのと同等の処理を行うという構造には目からウロコの思いでした。
コンタクト自体は薄い鉄板状の端子の弾性を使って接点に押し付ける構造だったため、チャタリングは避けられない仕組みです。高級品はこのあたりの部品が良くなってチャタリングを防止しているのでしょうか。
前回の記事ではソフトでチャタリング対策を行いましたが、適当なコンデンサを端子間に挟んでハード面でのノイズ対策する方がスマートだなと思えたことに電子工作歴2年の成長を感じています。

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