納品が完了しているのに、入金は翌々月末。フリーランスや個人開発で受託をやっていると、この「請求書はあるのに現金がない」状態に一度はぶつかります。
売上は立っている。赤字でもない。でも今月の手元のお金が足りない。
この記事では、こうした状況で選択肢に入る「請求書買取(ファクタリング)」について、ラボルの一律10%という手数料を年換算して計算した結果と、使う・使わないの判断軸を整理します。
ファクタリングは「借入」ではない
最初に整理しておきます。ここを混同すると判断を誤ります。
| 比較項目 | 融資(借入) | 請求書買取(ファクタリング) |
|---|---|---|
| 何をするか | お金を借りて後で返す | 売掛債権(請求書)を売る |
| 返済 | ある | ない(取引先からの入金が買取側に渡る) |
| 信用情報 | 照会・記録される | ラボルは照会しないと明記 |
| コスト | 金利 | 手数料 |
将来入ってくる予定のお金を、手数料を払って前倒しで受け取る取引です。金利という概念は法的に存在しません。
10%の手数料を年換算すると
「手数料10%は高いか安いか」は、支払サイトが何日かによって全く答えが変わります。
10万円を現金化(手元に入るのは9万円)した場合の年換算目安:
| 支払サイト | 早めた日数 | 年換算した負担の目安 |
|---|---|---|
| 30日後に入金予定 | 30日 | 約120〜135% |
| 60日後に入金予定 | 60日 | 約60〜68% |
| 90日後に入金予定 | 90日 | 約40〜45% |
支払サイトが短いほど割高になります。翌月末払いの請求書を当日現金化するのは、他の資金調達手段と比べて非常に高いコスト水準です。
同時に、一度きりで金額が小さく、それによって稼働が止まらずに済むなら、十分に合理的でもあります。
使うべき状況・使わない方がいい状況
使って合理的な状況
- 今月の支払い(家賃・税金・外注費)に間に合わないという一点だけが問題で、来月には入金が確定している
- 止まると損失の方が大きいとき(外注先への支払いが遅れて開発が止まる、サーバー代が払えずサービスが落ちる等)
- 必要額だけを部分的に売れる(100万円の請求書のうち、足りない20万円分だけでいい)
- 借入を増やしたくない(債権の売却なので負債にはならない)
使わない方がいい状況
- 毎月使っている。今月の入金を前借りし続けると翌月は10%引かれた売上で同じ生活費を払うことになり、雪だるまになります。ファクタリングは構造的な資金繰り問題を一切解決しません
- 単価が低いことが原因。手数料10%を払い続けるより値上げ交渉の方が長く効きます
- 支払サイトが長いことが原因。次の契約更新で条件変更を交渉する方が本質的です
- 急ぎではない。数日待てば入るなら10%を払う理由はありません
使う前に検討したい順番
- 着手金・前払いをもらう契約に変える(新規案件から適用できる。コストゼロ)
- 支払サイトの短縮を交渉する(言っていないだけで通ることは珍しくない)
- 単価を上げる(10%の手数料は、10%の値上げで恒久的に消える)
- 支出側を後ろにずらす(カードの締め日を使う等)
- それでも今月が埋まらないときに、必要額だけ使う
順番が大事です。1〜4を試さずに5から入ると、毎月5を使うことになります。
まとめ
- ラボルの手数料は一律10%・1万円から・最短30分(条件あり)
- 手数料10%は支払サイトが短いほど割高になる。30日の前倒しなら年換算三桁水準
- 「一度きり・少額・止まると損失が大きい」なら合理的。「毎月使う」と状況は悪化する
- 使う前に、着手金・支払サイト交渉・単価見直しを先に試す
費用の計算表と、タイプ別の判断整理を詳しく解説した記事はこちら: