31
5

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

テックリードとしての苦悩と成長の1年を振り返る

Last updated at Posted at 2025-12-24

みなさんこんにちは!anyでテックリードをしています荒川です。この記事は、any Product Team Advent Calendar #1 25日目の記事になります。

せっかくの年末なので、anyでの1年間を振り返りたいと思います🧸

🏃 走り抜いたという感覚と

今年は、チームリード/テックリードとして、1年間全力で走り抜いたと言っても過言ではありません。
最初に言いたいことは、とっっっても充実した一年と心の底の本音からお伝えできます!

すこし冷静な俯瞰した視点で言えば、事実上の正社員エンジニアの新陳代謝が起きたなかで、リードとしてエンジニア組織を再編する一端は担えたのだろうという感覚。年始の時点では2チーム体制だったところから、12月の時点で7チーム(QAチーム, PoCチーム含む)体制のエンジニアの組織になりました。

https___qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com_0_913834_c7647eaa-9ac4-4f84-9e63-f07aab17dd87.avifこちらもどうぞ: https://qiita.com/y_yue/items/3c77481e310a914a37a3

もちろん、エンジニア組織としては、課題も山積み状態ですし、成功かどうかを現時点で合理的に説明することは難しいです。正直「あれもやりたい」「これもやりたい」という状態ではあります。それでも、メンバーが楽しそうに仕事を進められている姿を見たり、ありがたいことに自分のことを慕ってくれるメンバーがいたり、メンバーが増えたにも関わらず、組織全体の雰囲気の良さを保ち続けられたことは、ひとつポジティブな証左であるように思います。

支えてくれたanyのみんなには心から感謝しかありませんね。
とはいいつつ、苦悩もたくさんあったことも事実。ここからは時間軸ごとに振り返ってみたいと思います。

🌸 年始のバタバタから

もともと年始に掲げた個人の目標としては、「仕事に向き合うこと」でした。その言葉通りに1-3月はとにかくガムシャラだったような気がします。

まずエンジニア組織としては、昨年は最大でも正社員エンジニアが6名いた状態から、2025年初めのタイミングで事実上の半減した体制のなかで、プロダクトの成長のためのロードマップ開発、そしてエンジニア組織の立て直しが求められていました。二人の正社員エンジニア(チームリード)とEMの三人体制で毎日のようにデイリーをおこない、すこしずつコトを進めていきました。

CleanShot 2025-12-22 at 11.06.08@2x.pngチームリード定例のボード。必死だった🔥

そしてもう一つ。自分は定期的に日記(ジャーナル)をつけており、当初の内容を思いかえすと、プライベートでのトラブルに、気持ちとの折り合いがつかず相当悩んでいたようです。いま思えば、反骨心や贖罪心といった黒めの感情によって、自分自身を駆動していたように思います。

いきなり記事の出鼻をくじくようですが、チームリードや社会人であること以前に、 「一人の人間としての価値観や芯を守っていた時期」 にも振り返れます。そんなこともあって、振り返って見れば、仕事の面においては、"自分本位"で"頑固"で"視野が狭かった"です。それくらいには「守りの体制」だったのだと思っています。

そんななかでもプロジェクトは前に進みます。チームリードの仕事としては、チーム内で案件を複数抱えるなかで、成功したことも失敗したことも多かったのも事実です。とあるプロジェクト進行が滞り、スケジュールそのものの大きな引き直しがあったことなど、振り返るとうまくいかなかったこともありました。

それでも最後は責任を持って成功まで導けたことが多かったように感じます。対外的にも紹介できるものといえば、モバイルリニューアルというSwift/KotlinベースのスマホアプリをReact Nativeに置き換えるというプロジェクトの進行を担当していました。チームとして様々な苦戦しながらも、最後まで一致団結してリリースを迎えることができたと思っています。

CleanShot 2025-12-22 at 11.15.50@2x.pngリリース当時のPdMからの感謝の声

年齢としても30歳という節目を迎え、こうした仕事面でのひとつひとつの成功体験は、ひとつの精神的な支えになりました。しつこいですが、当時はとにかく仕事の人たち、つまりanyの人に支えられたおかげだと思います。

春先になると日記の内容にも仕事の話の比率が徐々に増えているようです。チームリードっぽい話題が増えた時期もこの辺りからでしょうか。ポジティブな気持ちになってきたんだと思います☺️

そしてありがたいことに、このあたりから現時点で活躍するメンバーの人たちが増えてきました。そのようなカルチャー醸成のために自分が中心となって主催したany LT Night #1は、現在もなお文化として続く大切な場となりました。

IMG_5621.jpg春ごろに開催したLT会: https://note.com/anyinc/n/nf56431ccd5bf

☀️ メンバー増員と自らの意識の変化

夏ごろからは、少しずつ 「anyという組織がどうすれば成長するか」 「変化の激しいスタートアップで生き残れるのか」 「そのために自分ができることは何なのか」 という、一つ目線を上げた突き詰めた思考を持つようになりました。何か特別なことがあったかと思い返してみましたが、不思議なもので自然に芽生えてきた想いであるように思います。

そういった想いの背景には、anyだからこそ成熟されてきたとも感じます。例えば、anyにはフィードフォワードという文化があります。いわゆるメンバーから自分の強みやより良くなるための声を直接もらえるanyらしいイベントのひとつですが、そこでいただいた声を抜粋しても、自分の強みが何なのか、どう見えているかが、明確になったからこそなのです。

CleanShot 2025-12-22 at 11.19.53@2x.png

実務的な話もひとつしておきましょう。夏ごろの象徴的な出来事のひとつとして、 1つのチームが「ミライ基盤」に関するタスクを専任で担う体制へと変更したことです。 技術的負債の解消や将来的なアーキテクチャの検討といった、プロダクト全体を下支えする基盤系の取り組みを横串で進めていく役割を担っています。

直接的な実務的な立ち上げは、メンバーにお任せしたため、自分が特別何かを担当したわけではありません。しかしながら、これまでプロダクトのロードマップを追うことに必死だったなかで、エンジニアリングで下支えをできるチームを発足できたことも、エンジニアの信頼関係が醸成できたゆえの成果なのではないかと感じています。

🍂 テックリードとしての期待値の変化

そんな忙しないタイミングで、9月からは会社でテックリードという肩書きをつけることになりました。自分は肩書きにこだわりはなく、何とも思っていませんでした。any社内では前例もない肩書きだったので、どう振る舞えばいいか迷った面もありますが。笑

しかしながら周りの期待値が変わることにより、それに応えようと、自然と自分の行動が変容していったように思えます。"チームリード"として目の前のチームの推進、そして"テックリード"としてチーム横断した全体の設計や施策を考えることをより意識するようになりました。

対外的な仕事もこのあたりから増えてきました。例えば『PRODUCT HISTORY CONFERENCE 2025』への登壇もその一つでした。

anyとして年末までのトップラインを伸ばす目標に備えて、9月には大きく二つの機能をリリースしています。「AIナレッジインタビュー」も「ミーティングtoナレッジ」もありがたいことにスケジュール通りに世の中に出すことができました。

エンジニアリング観点でも、any全体のIaC(Terraform)の基盤を構築したり、旧エディタと呼ばれるレガシーな機能の廃止、といった本質的な改善に取り組むこともできました。

この時期における悩みの中心は、テックリードという肩書きで熱意に燃えすぎるあまり、周りを置いてきぼりにしていかないか、といった観点でした。周りのメンバーをいかに頼るかといったことにベクトルが変化していきました。

⛄️ 大型リリース、チーム分割、そして2x

秋から冬にかけてはメンバーの増員が大幅に加速し、すこしずつ品質や技術基盤への投資を増やせました。PdMやQAメンバーが増えたこともあり、ロードマップを支えるチーム、QAチームの体制構築など大きく手を出せる範囲が広がりました。旧アーキテクチャを廃止するための準備が整いまして、2026年は新アーキテクチャにすべて刷新することを計画できたり。

順風満帆のように思えますが、直近の9-11月は葛藤の連続でした。自分のチームの案件をとにかく短期的に前に進める必要性、一方で立場的には中長期を疎かにできないという状況です。そうしたなかで、ときにイライラしてしまう場面が多かったのが直近です。チームの拡大にともなう仕組み化の検討、メンバーの増加も拍車をかけていたこと、あるべき姿とのギャップ、絡み合うようになってきたと思います。

ただ本当にありがたいことに、これまでの信頼関係のおかげで、周りのみなは、自分より自分をみつめて、しっかりとフィードフォワードをしてくれます。自分はアンテナを張り過ぎるゆえに、ひとつひとつに悩みすぎてしまう節があることも反省です。目の前の問題を大きく捉えすぎてしまうという癖に気づくことができました。心理的安全性に甘えすぎていたのかもしれないと思う場面が多かったです。

とはいえ、そうした葛藤のなかでも、周りの人たちに支えられて、1年走り切ることができたんだと思います。

1on1の時間で悩み相談に乗ってもらったり...(とても気持ちが晴れた覚えがあります)

CleanShot 2025-12-22 at 11.37.56@2x.png

ピリッとしたときにメッセージをくれる人がいたり...(のんちゃんいつもありがとう)

CleanShot 2025-12-22 at 11.38.34@2x.png

ひとりアドベントカレンダーという無茶な挑戦に、キービジュアルを作成して支えてくれた社内のデザイナーさんがいたり...(アドカレ完遂は間違いなくおしぶさんのおかげです)

KV_white.jpg

そんな素敵な人たちに囲まれて日々過ごしている、それ自体がとても幸せなことだなぁと思います☺️

🧵 結びに

自分はエンジニア以前のキャリアでPdMを担当していた時期があり、PdM的な志向性も強く、エンジニアリングそのものより、それで良いものを作り上げたいと強く感じています。いまはテックリードとして「視点を移すたびに自分の芯はどこなのだろうか」と自問自答します。

「良いものを作りたい」という漠然とした想いの裏側に立脚する価値観、それが顧客なのか、プロセスなのか、人なのか、技術なのか、組織なのか、PdMとして、いちエンジニアとして、いちマネジメントとして、こういった視点の交錯が特に最近の悩みです。

また、anyは現在CTOという職種の人がおらず、テックリードである自分にとって、技術面での屋台骨を構築せねばならぬ、という謎の使命感もありました。信頼できるEMがいるため、直接的なピープルマネジメントはお任せできる状況ですし、幸いにも全てを担う必要はありません。一方でメンバーのエンジニアリング観点での成長を支えるのは自分の役割かなというか、役割でないとしても、サポートしたいと心から思っています。

大変烏滸がましい考えではありますが、自分についてきたいと思ってくれる人が、ありがたいことに目の前にいて、その人たちを裏切ることは到底できないという、内向きなのか外向きかわからないモチベーションもいつのまにか生まれてきたんだと思います。

とはいえ、テックリードとしての自分については想いベースで、まだまだ語れるところはありませんね。もう一年後に振り返りたいお気持ちです。肩書きとは関係ないとはいいつつ、その肩書きに一番引っ張られたのは自分だなとも。まあ自分はそんなもんです。笑

締めに感謝を伝えたいのは、EMのゆえさんです。でも、あまり言葉はいらないと思います。ありがとうございました。


さいごに、any Advent Calendar 2025を今年もご覧いただいたみなさま、本当にありがとうございました!エンジニア、デザイナー、PdM、その他のメンバーが協力して、来年もより良い企業/プロダクトを作っていきます。来年もanyをよろしくお願いします!

31
5
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
31
5

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?