3
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Claude CodeとMCPでプロジェクト管理の一歩目を半自動化してみた

Last updated at Posted at 2025-12-12

はじめに

新規プロジェクトの立ち上げ時、設計ドキュメントからタスク管理ツールへのタスク起票は地味に手間がかかる作業です。Confluenceに書いた設計資料を見ながら、ClickUpに一つずつタスクを作成し、担当者をアサインし、マイルストーンを設定する...。

この記事では、Claude CodeとMCP(Model Context Protocol)を活用して、この作業を半自動化した取り組みを紹介します。

なぜ「半自動化」なのか

完全自動化ではなく半自動化を選んだ理由は以下の通りです。

  • タスクの粒度や表現は人の判断が必要
  • 担当者のアサインには文脈的な判断が必要
  • 作成前に内容を確認・修正できる余地を残したい

AIが下書きを作成し、人間が確認・承認するフローにすることで、効率化と品質担保の両立を目指しました。

構成

┌───────────────────┐     ┌───────────────────┐     ┌───────────────────┐
│    Confluence     │────▶│    Claude Code    │────▶│      ClickUp      │
│   (Design Docs)   │     │   (MCP Client)    │     │  (Task Manager)   │
└───────────────────┘     └───────────────────┘     └───────────────────┘
          │                         │                         │
          │                         │                         │
    Design docs             Atlassian MCP            ClickUp MCP
    prepared here           fetches docs             creates tasks

使用技術

技術 用途
Claude Code AI対話型開発環境
Atlassian MCP Confluenceとの連携
ClickUp MCP ClickUpとの連携

準備

1. MCP設定

プロジェクトのルートに.mcp.jsonを作成します。

{
  "mcpServers": {
    "atlassian": {
      "type": "sse",
      "url": "https://mcp.atlassian.com/v1/sse"
    },
    "clickup": {
      "type": "http",
      "url": "https://mcp.clickup.com/mcp"
    }
  }
}

2. タスクテンプレートの準備

Claude Codeに作業指示を与えるためのテンプレートファイルを作成します。

tasks.txt(クリックで展開)
ステップ1
以下のURLにある設計資料を確認し、タスクの洗い出しに必要な情報を収集してください。
https://<your-domain>.atlassian.net/wiki/spaces/<space-key>/pages/<page-id>

ステップ2
以下の資料にマイルストーンとそれに紐づくタスクが箇条書きでまとまっています。
タスクのタイトルと概要、完了条件を簡潔に記載してください。

担当のアサインは、Backendの場合は<backend-assignee>、SREの場合は<sre-assignee>にアサインしてください。
https://<your-domain>.atlassian.net/wiki/spaces/<space-key>/pages/<page-id>

タスクの一覧をtasks_list.txtにまとめてください。
マイルストーンの一覧をmilestones_list.txtにまとめてください。

ステップ3
tasks_list.txtとmilestones_list.txtの内容を確認してください。
確認が完了したら、次のステップに進んでください。

ステップ4
ClickUpでタスクを作成してください。
以下のリストにタスクを追加してください。
https://app.clickup.com/<workspace-id>/v/l/<list-id>

ステップ5
ClickUpでマイルストーンを作成してください。
作成するSpaceは以下でお願いします。
https://app.clickup.com/<workspace-id>/v/s/<space-id>

実行手順

ステップ1: Claude Codeの起動

プロジェクトディレクトリでClaude Codeを起動します。

cd <your-project>
claude

ステップ2: 作業指示の実行

タスクファイルを読み込ませて作業を開始します。

> tasks.txtの内容に従い作業を開始してください

ステップ3: Confluenceからの情報収集

Claude CodeがAtlassian MCPを使用してConfluenceページを取得します。

# Claude Codeが実行する内部処理(イメージ)
mcp__atlassian__getConfluencePage({
  cloudId: "<cloud-id>",
  pageId: "<page-id>"
})

設計資料から以下のような情報を抽出します。

  • マイルストーン名と期間
  • タスク名と概要
  • 担当者情報
  • 完了条件

ステップ4: タスク・マイルストーン一覧の確認

Claude Codeがタスク一覧とマイルストーン一覧をテキストファイルに出力します。

# プロジェクト タスク一覧

================================================================================
## マイルストーン1: 設計フェーズ
================================================================================

### タスク1: API設計
- 担当: Backend (<assignee-email>)
- 概要: サービスのAPI仕様を設計する
- 完了条件:
  - API仕様書がConfluenceに作成されている
  - エンドポイント、リクエスト/レスポンス形式が定義されている

### タスク2: インフラ設計
- 担当: SRE (<assignee-email>)
- 概要: サービスに必要なインフラを設計する
- 完了条件:
  - アーキテクチャ図が作成されている
  - 必要なリソースが洗い出されている

...

この時点でtasks_list.txtmilestones_list.txtの内容を確認し、必要に応じて修正できます。

ステップ5: ClickUpへのタスク作成

確認後、Claude CodeがClickUp MCPを使用してタスクを作成します。

# Claude Codeが実行する内部処理(イメージ)
mcp__clickup__clickup_create_task({
  name: "API設計",
  list_id: "<list-id>",
  description: "サービスのAPI仕様を設計する\n\n## 完了条件\n- API仕様書が...",
  assignees: ["<user-id>"]
})

ステップ6: マイルストーンの作成

同様にマイルストーンも作成します。

# Claude Codeが実行する内部処理(イメージ)
mcp__clickup__clickup_create_task({
  name: "設計フェーズ",
  list_id: "<space-id>",
  // マイルストーンとして作成
})

実行結果

今回の取り組みでは、以下の成果が得られました。

項目 結果
作成したタスク数 28件
作成したマイルストーン数 12件
所要時間 約15分(確認時間含む)

手動で同じ作業を行った場合、1タスクあたり2-3分かかると想定すると、約1時間の作業が15分に短縮できました。

ポイント

1. 人の確認を挟む設計

タスク一覧をテキストファイルに出力することで、以下のメリットがあります。

  • 作成前に内容を確認・修正できる
  • Gitで変更履歴を管理できる
  • 後から参照できるドキュメントになる

2. テンプレート化による再利用性

tasks.txtをテンプレート化することで、類似のプロジェクトでも同じフローを適用できます。

3. MCPによるシームレスな連携

MCPを使用することで、Claude CodeからConfluenceとClickUpの両方に直接アクセスできます。APIキーの管理やOAuth認証などは、各MCPサーバーが処理してくれます。

注意点・制限事項

認証について

  • Atlassian MCPとClickUp MCPは初回利用時にブラウザ認証が必要です
  • 認証情報はローカルに保存されるため、チームメンバーそれぞれが認証を行う必要があります

タスク作成の制限

  • ClickUp MCPではタスクの親子関係(サブタスク)の一括作成に制限がある場合があります
  • 大量のタスク作成時はAPIレート制限に注意が必要です

運用上の考慮

  • 設計ドキュメントの構造が統一されていると、抽出精度が向上します
  • 担当者名とClickUpユーザーのマッピングは事前に定義しておくとスムーズです

まとめ

Claude CodeとMCPを活用することで、プロジェクト管理の定型作業を半自動化できました。

  • 効率化: 手動1時間 → 半自動15分
  • 品質担保: 人の確認を挟むことでミスを防止
  • 再利用性: テンプレート化により横展開が容易

完全自動化ではなく「半自動化」というアプローチにより、AIの効率性と人間の判断力を組み合わせた実用的なワークフローが実現できました。

今後の展望

今回はプロジェクト管理作業の「一歩目」として、タスクとマイルストーンの起票を半自動化しました。
プロジェクト管理には多くの定型作業が存在します。これから始まるプロジェクトで、これまでの経験を活かして「どこまで自動化できるか」「どこに人の判断が必要か」を見極めながら、半自動化の範囲を広げていければと思います。

プロジェクト立ち上げ時の定型作業に悩んでいる方は、ぜひ試してみてください。

参考

採用情報

弊チームでは新しい技術を積極的に利用し、働く仲間達も楽に楽しく働ける形を日々目指しています。現在一緒に働く仲間を募集中です!

3
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?