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自作NASの設計方針をChatGPTと会話して決めた一部始終の増補版

Last updated at Posted at 2025-04-22

目的

自作NASを構築するにあたりその設計方針をChatGPTを使用して決めた際の、質問の内容と回答を列挙していく。コードを質問する内容と置き換え、どのようなやりとりを行って設計方針を決めてきたかを示すことで、ChatGPTの具体的な活用例を示す。
ChatGPTのモデルはGPT-4oを使用している。
質問順はそのまま記載した。途中で何度か話題を変えたりしているが、それで回答が意図しないものに変わることがなく、蓄積されていくやりとりに沿った回答がなされていることがわかるかと思う。
なお、回答の正確さについては保証はできないため、今後、実践した結果を纏めた「実践編」を投稿する予定であり、そこで正確さについて確認したいと考えている。

今回は、前回の増補版となる。前回の投稿は以下を参照。

おすすめのSSDの容量を確認する

本当なら、前回の結論を元に早速ハードウェアを購入したかったが、昨今の円安と物価高でPCのパーツが高騰しており、将来にゆとりを持たせるべくひたすらに高性能のものを選ぶわけにはいかなくなった。SSDを例にとると、OS,L2ARC,SLOGはすべて単体でWestern Digital製のWD Red SN700の1TBを導入したかったが、1本2万円程度するので3本導入だと6万円もかかってしまう。そのため、コストを意識してハードウェアを選択したい。では、実際のところSSDの容量でおすすめはどのくらいかを確認したく、次の質問をした。

質問

SSDキャッシュを活用すべくNVMe M.2 SSDの導入を検討しているが、
容量のおすすめはあるか?

回答
キャッシュの種類を説明した上で、キャッシュ種別と用途の観点でおすすめの容量を示した。

L2ARC

  • 軽量NAS・家庭用: 256〜512GB
  • 写真は動画を大量に扱う: 512GB〜1TB
  • 高頻度アクセス/多ユーザ同時利用: 1TB以上(または小容量の複数SSDで構成)

SLOG

  • 一般用途: 16〜32GB
  • VMやDBなど書き込み頻度が高い: 32〜64GB
  • 書き込みが連続・煩雑なプロ用途: 64GB以上(または2つのミラーSLOG)

選定時の注意点

選定時の注意点として以下を示した。

  • 信頼性: DWPDの高いものが望ましい(SLOGは特に)
  • 電力喪失保護(PLP): SLOG用SSDにあればよい
  • コントローラー: DRAM付きSSD推奨
  • インタフェース: M.2 NVMe(PCIe Gen3 x4以上)推奨
  • フォームファクタ: 2280サイズ

構成例も具体的に製品名を挙げて示してくれたが、今回は採用しないので割愛(あくまでWestern Digital製に拘る)。

まとめ

まとめとして、以下の容量選び早見表を示した。

  • L2ARC: 256GB〜1TB(容量重視)
  • SLOG: 16〜64GB(速度・耐久性重視)
  • 両方を1台で兼用: 512GB〜(ただし分離を推奨)

参考資料にSSDキャッシュの追加方法も示した。詳細は割愛。

OSを含めたおすすめのSSD構成案を確認する。

回答を見るとSLOGは小容量SSDでも良いように見えるが、耐久性重視が曲者で小容量SSDはTBWが低いため耐久性の面で不安がある。また、OSの場合はどんなSSDを使えば良いかも気になるので、OSを含めたおすすめのSSD構成案を確認したく、次の質問をした。

質問

製品の候補としては、Western Digital製のNAS最適化SSDがある。
容量ごとにTBWも変化しているため、SLOG向けに250GBを用意するといった選択肢は
とりにくいと考えているが、実際のところはどうか?
OSをインストールするSSDを含め、最適なSSD構成案を示してほしい。

回答
まず、改めてZFS用途別SSD選定のポイントを示した。L2ARC/SLOGについては前節を参照。OSについては以下を示した。

  • OS: 安定性・速度が重要視される。容量は120〜256GB

次に、Western DigitalのNAS向けSSDの特性について、WD Red SA500を例に示した。

  • 250GB: 約150TBWでSLOGにはやや物足りない(十分なこともある)
  • 512GB: 約300TBWでL2ARC向き、LOGにも応用可能
  • 1TB: 約600TBWでL2ARCとして余裕あり
  • 2TB: 約1200TBWで大規模キャッシュに最適

次に、SLOGについて、内容を説明した上でおすすめのSSD容量を示した。

  • 1回のトランザクションログは数百MB〜数GB
  • 容量は16〜64GBで十分
  • しかし、高頻度書き込みに耐えることが最重要

その上で、250GBでも用途によってはOK(自宅NASで書き込み頻度が低い場合)だが、500GB以上で余裕を持たせると安心(DB/VM/動画同時書き込みがある場合)と示した。

以上を踏まえ、最適なSSD構成案として以下を示した。

  • OS: SATA SSDまたはNVMeで容量は240〜256GB。モデルはWD Blue/Green/Redいずれも可だがおすすめはBlue
  • L2ARC: NVMeで容量は500GB〜1TB。モデルはWD Red
  • SLOG: NVMeで容量は最低32〜64GB。モデルはWD Red。ただし耐久性重視で容量は選択する。500GB以上の同一モデルをL2ARCと兼用することも可

追補として、今回検討しているSLOGとL2ARCを分離する方式でのおすすめ容量を示した。

  • SLOG: 250GB(TBWがギリギリ許容範囲、低頻度書き込み向け)
  • L2ARC: 1TB(写真・動画管理向け)

補足としてSSDキャッシュの追加方法を示したが、詳細は割愛する。

最後にまとめとして、以下を示した。

  • コストを抑えつつ安定運用: Red 500GB1枚をL2ARCとSLOGで兼用
  • 性能・信頼性重視: L2ARCは1TB、SLOGは500GBに分離
  • 最小限構成: Red 250GB1枚をL2ARCとSLOGで兼用

OSにおすすめなWestern Digital製のシリーズを確認する。

前回の回答で、L2ARCとSLOGについてはRED一択となりそうだが、OSについてはBlueを推奨してきた。しかし、Blueは一般PC向けと認識しており、NASで使うには少々不安である。ただし、OS用途ならBlueで十分ともいう可能性もある。改めて、Western Digital製のシリーズを確認し、OS用途に最適なシリーズを確認したく、次の質問をした。

質問

WD社製のSSDはBlackやBlueシリーズもある。
OSに使うならRed,Black,Blueでどれがおすすめか?

回答
まず、Western Digital製のシリーズの位置づけを示した。

  • Blue: 一般PC向けOS用/バランス型/耐久性は中程度/安価
  • Red: NAS・長期稼働/高耐久・24時間稼働設計/耐久性は高い/Blueより高価
  • Black: ゲーミング・高速用途/高性能・大容量/耐久性は高い/一番高価

次にOS用途でのおすすめ順を示した。

  • 1位 Blue: OS用としては十分な性能と低価格。最もコスパ良し
  • 2位 Red: 24時間稼働OK。NAS用途に安心。TBWが高くZFSとも愛称良し
  • 3位 Black: 爆速だがOS用途にはオーバースペック気味

さらに、各シリーズの比較表も併せて提示した。

  • OS起動速度: どのシリーズも十分
  • 耐久性: Blueは中程度。他は高耐久性
  • 24時間稼働: BlueもOKだが設計対象外。他は対応
  • ZFSとの相性: Blueでも十分だが、他は相性抜群
  • 価格: Blue < Red < Black
  • 推奨容量: BlueとREDは240〜500GB、Blackは500GB以上(L2ARC兼用なら)

最後に結論として以下を示した。

  • 安価にOS用SSDを入れる: Blue 250〜500GB
  • 24時間稼働のNAS兼サーバで信頼性を重視: Red 250〜500GB
  • 高性能ZFSキャッシュ用途と兼用:Black 500GB以上

補足として以下も示した。

  • OSやSSDキャッシュは、ZFSプールとは完全に分ける
  • Ubuntuはext4でインストールする(ZFS root構成は上級者向け)
  • OSは専用SSDにインストール、キャッシュ用途は別SSDに分ける

Redよりも安価なBlackではなく、Redを選ぶポイントを確認する。

価格比較サイトで実売価格を比較したところ、現在、BlackはRedよりも安価という状況となっている。性能的やTBWも十分そうに見え、そうなるとOSだけでなくSSDキャッシュもBlackシリーズを採用するという選択肢があっても良さそうだが、それでもRedを選んだ方が良い点を確認したく、次の質問をした。

質問

価格比較サイトを見た限り、WD Red SN700よりもWD Black SN770の方が
安価なようである。BlackはRedの半額。TBWも問題ないとなると、
RedではなくBlackを選択することも考えられるが、
Redの方がよいというポイントはあるか?

回答
まず、RedとBlackについて比較表を示した。

  • インタフェース: RedはPCIe Gen3 ×4。BlackはPCIe Gen4 x4
  • TBW: Redの方が高い(500GBを例にすると、Redは1000TBW、Blackは300TBW)
  • DRAMキャッシュ: Redは搭載。Blackは非搭載
  • 設計用途: RedはNAS向け。Blackはゲーミング/一般PC向け
  • 価格: Red > Black
  • 保証期間: ともに5年

次にそれぞれのシリーズについて優れている点を示した。

  • Red: 高い耐久性,NAS向け設計,DRAM搭載
  • Black: 高コストパフォーマンス,高速なシーケンシャル性能,一般的用途なら十分

結論として以下を示した。

  • SLOG,L2ARCキャッシュ用途,NASでの24時間稼働を前提とする場合: Red
  • OSインストール用や一般的なPC用途: Black

回答を見るとRedを選んだ方が良さそうに見えるが、OS用途ならBlackでも良いのではという迷いがある。さらに、次の質問をした。

質問

L2ARC/SLOG向けはRedの方がよいが、OS向けはまだ迷っている。
NAS用途とするなら、やはりRedの方が適切か?

回答
まず、NAS前提で考えるならRedが適していることを示し、以下にその解説を示した。

  • Redの特徴は“耐久性・安定性・NAS最適化”である
  • OSがZFSの“心臓部”と連動するため信頼性は重要
  • Blackでも動作には問題なしだが、 TBWの低さとDRAM非搭載がネック

判断基準やおすすめ構成を示したが、前節と内容が被るので割愛。

また、補足として、RedとBlackの価格差と運用期間を天秤にかけた場合、価格差が5000円、運用期間を3〜5年とすると、月換算の費用差は100〜130円程度で、長期運用前提ならRedの安心料は十分合理的と示した。

結論として、NAS用途でUbuntuを長期間安定して運用するならOSにもRedを使う価値は十分ある。ただし、短期/省コスト重視・代替機容易な構成ならBlackも現実的な選択肢と示した。

SSDの入れ替え手順を確認する。

やはり、OSもRedの方がよいという回答だった。ならば、ここは素直にRedと行きたかったが、現状のハードウェアの価格の高騰ぶりはどうしても無視できない。AM5世代をやめてAM4世代で組むとしたくらいなので。
ただ、回答の中で「とりあえずBlackで様子を見る→将来Redに交換」の段階的プランの提案をしてくれたので、それを採用してもよいかと考えた。ただし、条件として、SSDの入れ替え手順が容易であることとしたい。入れ替え手順が煩雑だと手間がかかるし、万が一ミスでデータを消失したら取り返しがつかない。
そこで、SSDの入れ替え手順を確認することにした。まず、OSのSSD入れ替え手順について、次の質問をした。

質問

OS向けは、運用次第のところもあるので、いったんBlackで様子を見て必要なら
Redに交換も選択肢の一つと考える。そうでない場合でも含めて、
OS用SSDを入れ替える手順を知っておきたい。手順書を作成してほしい。

回答
以下、OS用SSDを入れ替える手順を示した。手順は概要レベルのみ記載し詳細は割愛する。

  1. 新SSDの初期化とパーティション作成
  2. OSのクローン(rsyncまたはdd)
  3. GRUBの再インストール
  4. SSDのUUID再設定(fstab調整)
  5. 新SSDからの起動テスト
  6. 旧SSDの取り外し・片付け

注意点として、ZFS root構成の場合は、OSのクローンをzfs send/recvを使う方法に切り替えるのがベストと示した。

まとめとして、以下を示した。

  • 新SSD入れ替え時、UUIDとGRUBを再設定する
  • クローン方法はrsyncが安全(ddは構造そのままコピーできるが失敗時の復旧が困難)
  • fstabとEFIブート設定は必須(間違えると起動しない)
  • テスト起動してから旧SSDを外す

L2ARC,SLOG用SSDの交換手順も知りたいので、次の質問もした。
質問

L2ARC, SLOG用SSDについても交換手順を示してください。

回答
以下に、L2ARC,SLOG用SSDの交換手順を示した。手順としてはL2ARC,SLOGとも同様だった。

  1. 旧SSDのステータスを確認
  2. zpool removeコマンドで旧SSDを削除
  3. 新SSDに交換
  4. zpool addコマンドで新SSDを追加
  5. 新SSDのステータスを確認

注意点として以下を示した。

  • L2ARCは、削除後すぐ再構築可能でデータの損失なし
  • SLOGは、削除中の停電が致命傷になる可能性があるためUPS必須
  • ミラーSLOGの場合は、片方ずつ交換できないため、旧ミラーを削除して、新ミラーを追加する
  • SSDの確認方法のコマンド
  • /dev/disk/by-id/でUUIDを指定すると安全

まとめは前述と被るので割愛。

回答を見ると、SSDの交換方法はSLOG交換中の停電さえ気をつければ容易にできそうだ。そのため、SSDは「Blackで様子見→Redに交換」の段階的プランを採用したい。

OSもZFS化しておくべきか確認する

OS用SSDを交換する際、ZFS rootの場合はOSのクローン手順の変更を推奨していた。そういえば、現状の議論では、OSのファイルシステムはext4として進めているが、ZFSにすることも可能だ。では、OSもzfs化した方が良いかを確認したく、次の質問をした。

質問

zfs rootを使用すればOSもzfs化できるとあったが、
OSもzfs化しておくべきか?
zfsした場合のメリット、デメリットを確認したい。

回答
まず、結論として、高度なニーズがあればZFS rootがおすすめ、一般的にはext4でも十分と示した。

次に、ZFS rootを導入するメリットとデメリットを示した。

メリット

  • スナップショットで即座に復元
  • 自己修復・整合性保証
  • 圧縮(lz4)による容量削減
  • ZFSツールによる一元管理
  • zfs send/recvでのOSバックアップ

デメリット

  • ブートが複雑(GRUB+ZFS対応が必要)
  • トラブル対応の難易度が高い
  • 学習コストがかかる
  • カーネル更新時に注意が必要(基本は問題ない)
  • 大容量のRAMを要求
  • RAID構成の変更不可

次に、ZFS rootを使うべき人として以下を示した。

  • OS設定・状態をスナップショットで管理したい
  • apt upgrade等に失敗したらすぐ戻したい
  • ZFSに慣れている/本格的に運用したい

一方、ZFS初心者、構築後の簡易トラブル対応を重視する場合は、ext4が無難とした。

導入パターンも示したが、前述と被るので割愛。
スナップショットの活用例も割愛。

まとめとして以下を示した。

  • 初めてZFSを使う・シンプル構成にしたい→ext4
  • OSもZFSで管理し、スナップショットや整合性を生かしたい→zfs root
  • ディスクまるごとクローンや、トラブル時の復元を自動化したい→zfs root
  • 将来のトラブル時に外部メディアから復旧しやすくしたい→ext4

ZFS root構成での運用に興味がわいてきたので、インストールを含めた運用手順を確認したく、次の質問をした。

質問

ZFS root構成には興味があるので、インストール手順から試したい。

回答
ZFS root構成にする場合のUbuntu Server 24.04のインストール手順と、よく使うZFS操作の例を示した。詳細は割愛。

ZFS root構成におけるSSDの容量のおすすめを確認する。

ZFS root構成でスナップショットの取得となると、SSDは大容量のものを用意した方が良いのか気になるので、次の質問をした。

質問

zfs rootでスナップショットを活用するとなると、SSDの容量は多い方がよいのか?
おすすめの容量を教えてください。

回答
ZFS root構成でスナップショットを積極的に活用するなら、SSDの容量はある程度余裕を持たせることがおすすめであると示した。しかし、実際のところは運用パターンとデータの内容によって変わるとし、以下の詳細を示した。

ZFSスナップショットは差分保存(変更があったブロックのみ保存)で通常はそれほど大きな容量を使わないが、以下に容量を圧迫しやすいケースを示した。

  • 頻繁なパッケージのアップデート
  • ログが大量に生成される
  • /homeもZFS化している→ユーザデータが増えるとスナップショット容量に影響
  • スナップショットを長期保存している

次に、用途・運用別のSSDおすすめ容量目安を示した。

  • 最小構成+ZFS root試験用: 120GB〜
  • スナップショット活用+定期バックアップ用途: 240〜500GB
  • ZFS root+GUI環境+開発用途: 500GB以上
  • ZFS root+L2ARC/SLOG兼用構成: 1TB以上

最後に、実用的なおすすめ容量帯を示した。

  • 軽量サーバ(ログ監視・自宅NAS): 240〜256GB
  • 本格運用(スナップショット毎日・復元頻繁): 480〜512GB
  • 頻繁にZFSスナップショット+L2ARCも予定: 1TB(または分離)

補足として、スナップショット消費量の確認方法を示した。詳細は割愛。
容量節約の工夫ポイントとして以下を示した。

  • 圧縮(lz4)を有効にする
  • /var/cacheや/tmpは非スナップショットにして保存対象を調整する
  • zfs-auto-snapshotで古いスナップショットは自動削除し保管世代数で容量を抑制する

まとめとして以下を示した。

  • 軽量で試してみたい(お試し運用): 120GB〜
  • スナップショットを定期的に使う予定: 240〜500GB
  • GUIや開発環境も含める予定: 500GB以上
  • L2ARC/SLOGも同じSSDに入れる可能性あり: 1TBクラス推奨

SSD構成の基本方針を確認する

これまでの議論の結果として、SSD構成は

  • OS用: まずはBlack 500GBからはじめて必要になったらシリーズ変更・容量拡張
  • L2ARC: Red 500GBからはじめて必要に応じて容量拡張
  • SLOG: Red 500GB
    を基本方針としたいが、これで良いかを確認したく次の質問をした。

質問

SSDの交換も容易そうに見えたため、まずはOS向けはBlackの500GB、
それ以外はRedの500GBとしたいが、別のアイデアがあればアドバイスをしてほしい。

回答
まず、構成案について以下の評価を示した。

  • OS用(ZFS root): 高速・安価・起動/更新が快適
  • ZFSキャッシュ: 高耐久,NAS最適化,ZFSと相性良し
  • データ領域: データ保護・大容量に対応可能

次に構成案の強みを以下に示した。

  • OS起動&アップデート: Blackの高速NVMeで快適(ZFS root対応も良)
  • 読み書き最適化: RedをL2ARCとSLOGに使えばキャッシュ+信頼性を兼ねる
  • SSD交換対応: どちらも非プール構成なので入れ替えが容易
  • スナップショット活用: OS更新前のスナップでトラブル即復元可能
  • TBWバランス: Blackはコスパ、Redは高耐久と役割が明確、無駄がない

他に考えられるアイデアとして以下を示した。

  • Black 1TB1枚でOS/L2ARC/SLOGを兼用: コスト優先、M.2スロットが1枚しかない場合(TBWはやや妥協)
  • RedをミラーSLOG化: 書き込み安全性が最優先な場合
  • BlackをRedに交換できるよう余剰容量を確保: 実運用後にRedへ移行できるようにクローン容易な構成にする
  • L2ARCとSLOGを物理的に分離: 役割を完全に分離して最適化

追加で、あえてL2ARCとSLOGを分けたまま始めるメリットも示していたが、どうやら質問でL2ARCとSLOGをそれぞれ別のSSDに分けることを明示していなかったので、L2ARCとSLOGは同居することを前提とした回答をしたようである。実際は、最初から分離する方針で進めるため、この点については再確認という位置づけとした。

結論として現構成案は理想的なスタート構成という評価を示した。

  • コストと性能のバランス
  • 将来の交換・拡張を視野に
  • 24時間運用&ZFS活用

CPUはRyzen7とRyzen5のどちらが良いか確認する

SSDについては方針が固まった。Black 500GB1枚、Red 500GB2枚の組み合わせでは、現状は3.5万であり当初の6万に対して約6割のコストカットが出来た。
こうなると、CPUについてもコストカットできないか考えたくなってきた。当初はRyzen7を考えていたが、その下位モデルであるRyzen5でも十分かを確認したい。
そこで、次の質問をした。

ハードウェアの検討項目としてCPUもある。
Ryzen7と5のどちらがよいかである。
ポイントはCPUコアの数が十分かどうかだが、
NASの観点でRyzen5でも十分かを確認したい。

回答

まず、結論として、純粋なファイルサーバ(NAS)用途であればRyzen5で十分と示した。

次に、CPU負荷を決める要素を以下に示した。

  • ファイル共有(SMB/NFS): CPU負荷は低〜中
  • ZFS(圧縮/スナップショット): CPU負荷は中
  • PhotoprismやFileBrowserなどWebUI: CPU負荷は中
  • RAIDZ・ミラー構築・scrub: CPU負荷は中〜高
  • S.M.A.R.T監視やスキャン: CPU負荷は低
  • AI分類や画像処理(Photoprism AI): CPU負荷は高(GPUなし時)
  • Docker複数コンテナ: 中〜高

次に、Ryzen5とRyzen7の比較を以下に示した。

  • モデル: Ryzen5 5600, Ryzen7 5700X
  • コア数: Ryzen5 6C/12T, Ryzen7 8C/16T
  • ベースクロック: Ryzen5 3.5GHz, Ryzen7 3.6GHz
  • TDP: Ryzen5 65W, Ryzen7 65W(または105Wモデルも)
  • PassMark(参考): Ryzen5 〜20000, Ryzen7 〜25000
  • 価格差: 約5000〜8000円

また、日常的なNASタスクでは6C/12Tで頭打ちになることが多く、8C/16Tを持て余すことが多いとした。

次に、Ryzen5で十分なケースを以下に示した。

  • ZFS+RAIDZ1/2
  • Samba, NFS, Docker, Cockpit
  • Photoprism(写真数10万枚以下、AI機能オフで快適、オンでも我慢できるレベル)
  • Plexなど軽量なメディアストリーミング: トランスコードしばければ問題なし
  • RAM 16〜32GB運用とはバランスがとれている

次に、Ryzen7をおすすめするケースを以下に示した。

  • PlexやJellyfinで動画をトランスコードしたい
  • PhotoprisemでAI分類を本格運用したい
  • VM(KVM,Proxmox,Docker ComposeでDB etc)を多数動かす
  • RAIDZ2+scrubでリビルド同時実行
  • 長期運用でCPUを交換せずに済ませたい

最後に結論として以下を示した。

  • ファイル共有,ZFS,スナップショット,軽量WebUI: Ryzen5
  • AI画像解析,動画トランスコード,VMやDB多数稼働: Ryzen7
  • トータルバランス重視: Ryzen5→Ryzen7の価格差次第で検討可

コスパ派への補足として以下を示した。

  • Ryzen5は爆速+安定+安価でZFSベースNASには超定番構成
  • GPUが要らなければGなしモデルでOK(ZFSでは基本的に使わない)

GPU搭載を考えた場合、①Ryzen5で十分か ②CPU搭載時の注意点を確認する

写真解析でAI活用を考えると、Ryzen7の方が良さそうに見えるが、もしGPU導入する場合はRyzen5でも十分かを確認するのと、ついでにGPUを導入する場合の注意点を確認したく、次の質問をした。

質問

AI活用は当初から実施したいが、将来的にGPUを載せることで対応したいと
考えている。その観点では、CPUはRyzen5でも十分か?
ついでに、GPUを載せる運用を始める場合の注意点があれば知りたい。

回答
まず、結論として、AI処理をGPUに任せる前提なら Ryzen 5でOKと示した。

  • AI系の推論や分類は本来GPU(CUDAやOpenCL)で並列処理されるべきもの
  • GPUを後から追加する計画があるならCPUに高負荷を背負わせる必要はない
  • Ryzen5でもPhotoprismなどのAI処理の前処理(I/Oや画像リサイズ)には十分対応

次に、PhotoprismのAI処理を例としたCPU使用率を示した。

  • サムネイル生成,Exif処理(I/O+CPU): Ryzen5でサクサク
  • 類似画像判定(TensorFlow(CPUorGPU): GPU未使用だとCPUが高負荷に
  • 顔検出/分類(TensorFlow+モデル): CPUだと時間がかかるが処理可能

次に、GPU追加運用時の注意点を示した。

  • 電源容量の確認
  • PCIeスロットとレーン数
  • 冷却対策
  • DockerやPhotoprismがGPUを使えるか
  • Ubuntu上のGPUドライバ

GPUの追加運用のステップ例も示したが、詳細は割愛。

おすすめGPUも示した。

  • 必ずNVIDIAを選ぶ: TensorFlow+CUDAとの互換性が高い
  • 入門クラス: GTX1660/RTX3050
  • 本格運用: RTX3060〜4070

最後にまとめとして以下を示した。

  • CPU: GPU前提とするならRyzen5で十分
  • AI処理: GPU後付けで大幅に高速化
  • GPU追加の際の注意点: 電源・冷却・PCIeスロット・ドライバ環境を事前確認
  • コスパ: まずはCPU抑えてGPUで拡張→非常に現実的かつ柔軟

回答では、Ryzen5でも十分としたが、最終的には以下の理由によりRyzen7とした。

  • 長期運用を考えるとCPUの交換はやりたくない(CPUの交換はSSDよりも面倒)
  • これまでの議論で、Docker上で動かすアプリケーションが多数になる見込み

GitHubと連携してNASを運用する方法を確認する。

ハードウェア構成がかなり固まってきたところで、あとは実際にハードウェアを購入してNASを構築するわけだか、その前にNASの運用について検討したい。具体的には

  • 運用はスクリプトを基本とする
  • スクリプトの履歴を残すためGitHubと連携したい
    そこで、次の質問をした。

質問

NASの運用はスクリプトを基本としたい。
スクリプトで構成管理の履歴を残すことができるからである。
そのためにGitHubとの連携も考えたい。
自宅用なのでプライベートで連携したい。
まず、スクリプトの管理をGitHubと連携することが有益かどうかを確認したい。
もし有益なら、その手順書を示してほしい。

回答
以下の観点でGitHub連携は有益であると示した。

  • 変更履歴の可視化
  • 差分比較と復元
  • バックアップ
  • 再現性・構成管理
  • プライベート管理

次に自宅NASのGitHub連携が特に効果的な対象を示した。

  • ZFSプール構成記録スクリプト
  • Samba設定生成スクリプト
  • スナップショット運用スクリプト
  • ユーザー・権限・共有管理スクリプト
  • docker-compose構成

GitHubプライベートリポジトリ連携の手順書も示したが、これについては割愛。

最後に、自宅NASのGitHub連携によりNASスクリプト管理が格段に楽になるとした。

  • バージョン管理
  • 安全性
  • 将来性

あとがき

PCパーツの価格高騰の余波から、コスト重視のハードウェア選定に迫られ、最適なNASの構成について議論してきたが、初期投資については、当初より劇的とはいかないまでもある程度コストを削減することが出来そうである。まずは初期運用で感触をつかみ、性能的に物足りなくなり、かつ資金に余裕が出てきたら増強を行っていきたいと考えている。
この後も、GitHub連携によるNAS運用とか、おすすめのUPSとかも相談しているが、これについては、今後投稿する実践編にてご紹介したい。

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