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テンプレートが手招きしているよ

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テンプレートが手招きしているよ

本記事は「初心者 C++er Advent Calendar 2015」
最終日の記事です!
毎度おなじみ(?)、C++とテンプレートが大好き
いなむ先生です

C++のテンプレートで型を変数にすることについて書きます
「使いなさい」と言うつもりはありません
テンプレートとはコンパイル時に型や値を引数として渡す機能である
ということが言いたいだけです

実際、怖くない!

よくわからない?
とりあえず、読んでみてよ!
さあ、楽しいテンプレートの世界へ!れっつらごー!

関数テンプレート

C++にはオーバーロードという機能があります
引数の型が異なる同じ名前の関数を定義できます
以下のmax関数はintdoubleでオーバーロードされています

同じ処理を行っているにも関わらず、関数を2つも書いています
同じことを書くのは面倒で、バグのもとです

int max( int a, int b ) // #1
{
    return a < b ? b : a ;
}

double max( double a, double b ) // #2
{
    return a < b ? b : a ;
}

int main(){
    max( 1, 2 ) ; // 1,2はintなので#1が呼ばれる
    max( 1.5, 2.3 ) ; // 1.5,2.3はdoubleなので#2が呼ばれる
}

そこでC++ではテンプレートを用いて

template < typename T >
T max( T a, T b )
{
    return a < b ? b : a ;
}

と書くことができる
これは、

max( 1, 2 ) ;

のように呼び出すと、引数からテンプレート仮引数(T)を推測する
上の例の場合はTintとなる
これをテンプレート仮引数の推測(Template Argument Deduction)と呼ぶ

難しいことはおいておいて、
ここで、テンプレートの宣言をよく見てみよう

template < typename T >
T max( T a, T b )

template < typename T >

template:テンプレートであることの宣言、一番最初に書く
<>:この中に変数化する型の変数名(テンプレート仮引数)を書く
typename, class:これに続くのはテンプレート仮引数だよ、という合図(ふつうはどっちでも良い)

この後に続けて関数を書きます
そして型名をテンプレート仮引数にします
T max( T a, T b )

要するに、使うまで型を変数化しておいて、呼び出しから型を推測する

ちなみに
型を推測させずに、自分で指定することもできます
その場合は関数名と呼び出しの()の間に<>を書いてその中に型を指定します

max< int >( 1, 2 );

クラステンプレート

クラスをテンプレートにできる
初心者はクラスを書かないと思われるので紹介だけ

例えば、クラスのメンバ変数の型をテンプレートをテンプレートにできる
2次元の座標を表すクラスを作るとする

template < typename T >
struct pos_2d{
    T x = T{} ;
    T y = T{} ;
} ;

座標がint型なのかdouble型なのか
使うまでわからなくても、使うときに指定できる

auto&& pos = pos_2d<int>{ 20, 20 } ;

要するに、型を変数化しておいて、使うときに指定する

変数テンプレート

C++14からは変数もテンプレートにできます
例えば、円周率を定数として定義したいことはよくあります
intdoubleについて、いちいち定義するのはばからしいです
そこで、テンプレート!
こんな風にするよ!

template < typename T >
constexpr T PI = static_cast<T>(3.14159265358979323846L) ;

int main(){
    std::cout << PI<int> << std::endl;; // 3
    std::cout << PI<double> << std::endl; // 3.14159
}

要するに、型を変数化しておいて、使うときに指定する

ダークサイド

何をもってダークサイドというのか定かではありませんが
テンプレートのダークサイドを使うと楽しいです
三へ( へ՞ਊ ՞)へ ハッハッ
いなむ先生は最近Expression Templateというちょっとしたテクニックを使っていますが
二度と書きたく とっても楽しいです
画像はExpression Template が生成した型名をVisual Studio2015の機能で表示してみたもの(プロ生ちゃんカ・ワ・イ・イ)
Oh, Gosh...型名が...とっても長いです(´・ω・`)
ET.png

おわりに

くどいくらいに
型を変数化しておいて、...
と言いましたが、言いたいことはそれだけです
「テンプレートとは何か?」ときかれたら
「なんか怖いやつ」等と言わずに
「コンパイル時に型や値を引数として渡す機能」といいましょう

跋文

テンプレートは楽しいし
C++の真のパワーを開花させる機能です
しかし、ご利用は計画的に

最後まで付き合って読んでくれた方、ありがとうございました
ミスの指摘や質問はコメントか
|いなむ先生|Twitter
までお願いします

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