この記事は https://ziva.sh/blogs/godot-ai-sound-effects の日本語版です(英語の原文は Ziva.sh が 2026年11月4日に公開)。
はじめに
Godot で作っているゲームに効果音を入れたい人向けの記事です。次の内容を扱います。
- Godot エディタ内で動く AI エージェント Ziva で、テキストから効果音を生成してゲームに組み込む方法
- ElevenLabs、Sonilo、UnlockSFX、SFXMint、sfxr 系ツール、無料ライブラリとの比較
- 雨や焚き火などの環境音を Godot で正しくループさせる方法
- Godot 4 で効果音を自分で追加する方法
Godot のゲームに AI で作った効果音を入れるいちばん手早い方法は、Godot エディタの中で動く AI エージェント Ziva に頼むことです。「ジャンプ、コイン取得、ダメージの効果音を追加して」のように入力すると、Ziva は効果音ごとに最大 3 つのテイクを生成します。チャット上で聴き比べて 1 つ選ぶと、MP3 を res://assets/generated/audio/ に保存し、ゲーム内でその音を鳴らすコードまで追加します。長さは 0.5〜22 秒で、雨やエンジン音のような環境音はループ素材として作れます。Ziva が作るのは効果音で、音楽(BGM)は作りません。
Web サイトで音を作って自分でインポートしたい場合や、無料のレトロ風効果音だけで足りる場合は、別のツールのほうが向いています。どれが向いているかは下の比較表にまとめました。
Ziva は私たち Ziva.sh が開発しているプロダクトです。他のツールの情報は各ツールの公式ページをもとに、2026年11月4日時点で確認したものです。
ゲーム開発向け AI 効果音ツールの比較
| ツール | 種類 | Godot への取り込み方 | 長さ・ループ | アカウント・価格 | 商用利用 |
|---|---|---|---|---|---|
| Ziva | Godot エディタ内の AI エージェント(4.2 以降)。チャットで効果音を生成 | MP3 を res://assets/generated/audio/ に保存し、再生コードも追加 |
0.5〜22 秒。ループはインポート設定で Loop をオン | Ziva アカウントが必要。プランの利用枠を消費し、1 秒の音を 3 テイク作って 1 セント未満 | Ziva の利用規約を参照。Steam では AI 生成サウンドの開示が必要 |
| ElevenLabs Sound Effects | AI 生成ツール(Web と API) | MP3 か WAV をダウンロードしてインポート | 最大 30 秒。ループ対応 | 無料プランは月 1 万クレジット。有料プランは月 $6 から | 有料プランのみ。無料プランは非商用 |
| Sonilo | 効果音と音楽の AI プラグイン(Godot 4.2 以降) | WAV を res://sonilo/generated_audio/ に保存、またはノードに追加 |
長さは Sonilo が決定。ループは記載なし | プラグインは無料。Sonilo のアカウントと API キーが必要で、秒単位の課金 | Pro プラン以上か対象の API ユーザー。無料プランは非商用 |
| UnlockSFX | AI プラグイン(Godot 4.3 以降を推奨) | MP3 か WAV を res://sfx/ にインポート。AudioStreamRandomizer も作成可能 |
長さは記載なし。ループ対応 | プラグインは無料。クレジットパックは $5 から、5 秒ごとに 1 クレジット | ロイヤリティフリー。素材ファイル自体の再販は不可 |
| SFXMint | CC0 ライブラリ+AI 生成(Godot 4.6 以降) | WAV を res://audio/sfxmint/ にインポート |
効果音は最大 10 秒、環境音は 30 秒。ループはサービスが返した場合のみ | プラグインは無料。1 日 10 回まで無料で生成、保存にはクレジット | CC0 |
| Foley AI | AI プラグイン | 現在は使えません(2026年7月にサービス終了) | - | - | - |
| gdfxr | Godot エディタ内のレトロ効果音ジェネレーター(AI ではない) |
.sfxr ファイルをそのまま AudioStream として再生 |
短い音。ループはインポート設定 | 無料、MIT | 記載なし |
| ChipTone と jsfxr | ブラウザで動くレトロ効果音ジェネレーター(AI ではない) | ダウンロードしてインポート | 短い音 | 無料 | ChipTone の音は CC0。jsfxr は商用利用に制限なし |
| Kenney と Freesound | 効果音ライブラリ | ダウンロードしてインポート | さまざま | 無料 | Kenney は CC0。Freesound は音ごとに異なる(CC0、CC-BY、CC-BY-NC) |
Web の生成ツールは音を作るところまで、Godot プラグインはプロジェクトへの保存まで面倒を見てくれます。Ziva はシーンやスクリプトを編集するエージェントなので、さらに一歩進んで、プレイヤーがジャンプしたときやボタンが押されたときなど、適切なタイミングで音を鳴らすところまでやります。
Ziva で Godot の効果音を生成する手順
- Godot プロジェクトに Ziva をインストールしてサインインします。
- 必要な効果音をチャットで頼みます。例:「ジャンプ音、コイン取得音、ダメージ音を追加して。コインは明るく短めに」。一度に 8 つまで頼めます。
- 生成を承認します(自動承認がオンなら不要)。Ziva は効果音ごとに内容を説明し、ふさわしい長さを指定して生成します。長さはほとんどの効果音で 0.5〜2 秒、環境音で 5〜15 秒です。
- Pick your sounds カードで各効果音のテイクを再生して 1 つ選びます。気に入らなければ「もっと低く、弾み感を抑えて」のように変えてほしい点を入力すると、新しいテイクが作られます。
- 選んだ音は
res://assets/generated/audio/にjump.mp3のような名前で保存され、音を鳴らすべき場所に次のような 1 行が追加されます。
ZivaSfx.play(self, preload("res://assets/generated/audio/jump.mp3"))
ZivaSfx は Ziva がプロジェクトの addons/ziva_audio/ziva_sfx.gd に追加する小さなヘルパーです。再生のたびにピッチを約 8% ランダムに変えるので、ジャンプやヒットを繰り返しても同じ音に聞こえにくくなります。SFX という名前のオーディオバスがあればそこに出力し、再生が終わるとプレイヤーを削除します。
画像と効果音の生成は Settings → Agent → Image and Sound Generation Tools でオフにできます。テイクはすべて生成されるため、選ばなかったテイクも利用枠に含まれます。また Steam では、ゲームに含まれる AI 生成のサウンドを開示する必要があります。
ループする環境音:雨、風、焚き火、エンジン音
「窓に当たる雨の音、10 秒、ループ」のようにループする音を頼むと、Ziva は繰り返し再生を前提にしたクリップを生成させ、インポート設定で Loop をオンにして保存します。Autoplay を有効にした AudioStreamPlayer に設定すれば、鳴り続けます。
他で入手したファイルの場合は、FileSystem ドックでファイルを選び、Import(インポート)ドックで Loop にチェックを入れる(Ogg Vorbis と MP3)か、Loop Mode を Forward にして(WAV)、Reimport(再インポート)をクリックします。よくある失敗は 2 つです。
-
finishedシグナルでループさせる。Godot はループ再生中の音ではfinishedを発行しないので、インポート設定を使います。 - 両端に無音やフェードがあるクリップを使う。どうインポートしてもループの継ぎ目に隙間が聞こえるので、先に Audacity などの音声編集ソフトでトリミングします。
Ziva のループ素材は最大 22 秒です。長く変化のある環境音にしたい場合は、一定のループの上に短い単発音を重ねます。たとえば焚き火のループに、パチパチという音をランダムな間隔で鳴らします。
Godot 4 で効果音を自分で追加する方法
音声ファイルが手元にある場合:
- ファイルを FileSystem ドックにドラッグします。Godot は WAV、Ogg Vorbis、MP3 をインポートできます。公式ドキュメントでは、短く繰り返す効果音には WAV、音楽や長い音には Ogg Vorbis が勧められています。
- シーンに
AudioStreamPlayer(特定の位置から鳴らす音ならAudioStreamPlayer2D/AudioStreamPlayer3D)を追加し、Stream にファイルを設定します。 - ジャンプ処理から
$JumpSound.play()を呼ぶか、ボタンのpressedシグナルを音を鳴らす関数に接続します。
音はそれを鳴らしているノードが解放されると止まります。そのため、queue_free() を呼ぶコインは自分の取得音を途中で切ってしまいます。オートロードのように残り続けるノードから鳴らすか、シーンツリーのルート(get_tree().root)の下に一時的なプレイヤーを追加します。ZivaSfx は後者の方法です。1 つの効果音で複数のテイクを切り替えて鳴らしたい場合は、AudioStreamRandomizer にまとめます。ランダムに 1 つを選んで再生し、ピッチや音量を変化させることもできます。
Ziva の効果音生成でできないこと
- 音楽、セリフ、ボイスは作れません。効果音と環境音のループのみです。
- 1 つの音は 0.5〜22 秒です。
- 出力は MP3 のみです。WAV や Ogg Vorbis が必要なら Audacity などで変換します。
- 残せるのは効果音ごとに 1 テイクです。効果音ツールがテイクから
AudioStreamRandomizerを作ることはありません。 - Godot 専用です。Unity、Unreal、Isaac Sim には対応していません。
- サインインした Ziva アカウントとインターネット接続が必要です。
別のツールのほうが向いているケース
- ピクセルアートのゲーム向けの無料レトロ効果音:ChipTone、jsfxr、gdfxr アドオン
- UI のクリック音、足音、衝撃音などの定番の音を無料で:Kenney の CC0 パック、Freesound の CC0 フィルター
- BGM:Sonilo か SFXMint、または作曲家に依頼
- Godot 以外のプロジェクト用の音や、別のライブラリとして手元に残したいファイル:ElevenLabs
まとめ
- Godot で効果音の生成からゲームへの組み込みまで済ませたいなら Ziva。最大 3 テイクを聴き比べて選ぶと、MP3 の保存と再生コードの追加までやってくれます。音楽は作りません。
- Web で効果音を作って自分でインポートするなら ElevenLabs。商用利用には有料プランが必要です。
- 無料のレトロ効果音なら ChipTone、jsfxr、gdfxr。定番の音なら Kenney や Freesound の CC0 素材。
- ループ素材は Godot のインポート設定でループをオンにし、
finishedシグナルでのループは避けます。
この記事の原文(英語、FAQ 付き):https://ziva.sh/blogs/godot-ai-sound-effects