はじめに
Macでは 「macOS でスクリーンショットを撮る方法」の記事にある通りOS標準でスクリーンショットを撮ることができます。デフォルトでは「ファイル形式」「保存先」「ファイル名」が決まっていますが、これを変更することができます。
この記事が対象にしている環境
macOS Mojave (バージョン 10.14以降)
macOS Catalina (バージョン 10.15以降)
この記事でできること
- ファイル形式の変更
- 保存先の変更
- ファイル名の変更
- 部分スクリーンショットでの陰影をなくす
- その他TIPS
1. ファイル形式の変更
「ターミナル」から『defaults』コマンドを利用することでファイル形式の変更を行うことができます。
サポートしているファイル形式
PNG, GIF, JPEG, PDF, BMP, TIFF, PSD, JPEG 2000, TGA, PICT※, SGI※
※PICT, SGIについてはmacOS Catalina (バージョン 10.15.3)で動作確認した限りではサポートしていませんでした。
ファイル形式の変更方法
「ターミナル」から以下のコマンドを実行することで変更できます。
PNG形式に変更する場合
defaults write com.apple.screencapture type png
GIF形式に変更する場合
defaults write com.apple.screencapture type gif
JPEG形式に変更する場合
defaults write com.apple.screencapture type jpg
もしくは
defaults write com.apple.screencapture type jpeg
どちらを指定しても保存拡張子は「jpg」になります。
PDF形式に変更する場合
defaults write com.apple.screencapture type pdf
BMP形式に変更する場合
defaults write com.apple.screencapture type bmp
TIFF形式に変更する場合
defaults write com.apple.screencapture type tif
もしくは
defaults write com.apple.screencapture type tiff
どちらを指定しても保存拡張子は「tiff」になります。
PSD形式に変更する場合
defaults write com.apple.screencapture type psd
JPEG 2000形式に変更する場合
defaults write com.apple.screencapture type jp2
TGA形式に変更する場合
defaults write com.apple.screencapture type tga
PICT形式に変更する場合
defaults write com.apple.screencapture type pict
SGI形式に変更する場合
defaults write com.apple.screencapture type sgi
補足
- 指定するファイル形式は大文字/小文字を問いませんが小文字の拡張子で保存されます。
- サポートしているファイル形式以外を指定した場合は無視されてデフォルトのPNG形式で保存されます。
- サポートしているファイル形式を指定しても使用している環境が実際にはサポートしていない場合は、スクリーンショットを行った際に「スクリーンショットを保存できません。目的の書き込み先にファイルを書き込めません。」といったダイアログが表示されるので他のファイル形式に指定をし直してください。
ファイル形式の確認方法
「ターミナル」から以下のコマンドを実行することで現在設定されているファイル形式を確認できます。
defaults read com.apple.screencapture type
設定されていない場合はコンソールに以下のメッセージが表示されます。
The domain/default pair of (com.apple.screencapture, type) does not exist
ファイル形式の指定を削除
ファイル形式の指定を削除してデフォルトのPNG形式へ戻すには、「ターミナル」から以下のコマンドを実行します。
defaults delete com.apple.screencapture type
設定されていない場合はコンソールに以下のメッセージが表示されます。
Domain (com.apple.screencapture) not found.
Defaults have not been changed.
2. 保存先の変更
「ターミナル」から『defaults』コマンドを利用することで保存先の変更を行うことができます。
保存先の変更方法
defaults write com.apple.screencapture location 保存先のパス
例;ピクチャへ変更する
defaults write com.apple.screencapture location ~/Pictures
保存先の確認方法
「ターミナル」から以下のコマンドを実行することで現在設定されている保存先を確認できます。
defaults read com.apple.screencapture location
設定されていない場合はコンソールに以下のメッセージが表示されます。
The domain/default pair of (com.apple.screencapture, location) does not exist
保存先の指定を削除
保存先の指定を削除してデフォルトのデスクトップへ戻すには、「ターミナル」から以下のコマンドを実行します。
defaults delete com.apple.screencapture location
設定されていない場合はコンソールに以下のメッセージが表示されます。
Domain (com.apple.screencapture) not found.
Defaults have not been changed.
3. ファイル名の変更の変更
スクリーンショットのデフォルトファイル名は「スクリーンショット YYYY-MM-DD hh.mm.ss」となっていますが、頭の文字列「スクリーンショット」を指定の文字列に変更することができます。
「ターミナル」から『defaults』コマンドを利用することでファイル名の変更の変更を行うことができます。
ファイル名の変更方法
defaults write com.apple.screencapture name ファイル名
例;「SS」へ変更する
defaults write com.apple.screencapture name SS
ファイル名の確認方法
「ターミナル」から以下のコマンドを実行することで現在設定されているファイル名を確認できます。
defaults read com.apple.screencapture name
設定されていない場合はコンソールに以下のメッセージが表示されます。
The domain/default pair of (com.apple.screencapture, name) does not exist
ファイル名の指定を削除
ファイル名の指定を削除してデフォルトの「スクリーンショット」へ戻すには、「ターミナル」から以下のコマンドを実行します。
defaults delete com.apple.screencapture name
設定されていない場合はコンソールに以下のメッセージが表示されます。
Domain (com.apple.screencapture) not found.
Defaults have not been changed.
4. 部分スクリーンショットでの陰影をなくす
ウインドウまたはメニューを取り込む方法(「shift」「command」「4」の 3 つのキーとスペースバーを同時に長押しする方法)でスクリーンショットを行う場合にウィンドウやメニューの陰影をなくす方法があります。
「ターミナル」から『defaults』コマンドを利用することで保存先の変更を行うことができます。
陰影をなくす
ファイル名の指定を削除してデフォルトのデスクトップへ戻すには、「ターミナル」から以下のコマンドを実行します。
defaults write com.apple.screencapture disable-shadow -bool true
陰影の設定を確認
「ターミナル」から以下のコマンドを実行することで現在設定されている陰影の設定を確認できます。
defaults read com.apple.screencapture disable-shadow
返却値が「1」だと陰影をなくす設定が有効、「0」もしくは以下の場合は設定が無効です。
The domain/default pair of (com.apple.screencapture, disable-shadow) does not exist
陰影の設定を削除
「ターミナル」から以下のコマンドを実行することで現在設定されている陰影の設定を削除してデフォルトの陰影ありの状態に戻すことができます。
defaults delete com.apple.screencapture disable-shadow
設定されていない場合はコンソールに以下のメッセージが表示されます。
Domain (com.apple.screencapture) not found.
Defaults have not been changed.
5. その他TIPS
フローティングサムネールを表示
デフォルトではスクリーンショット時の「フローティングサムネールの表示」が有効になっています。
この設定は『スクリーンショット』アプリのオプションから変更することもできますが、「ターミナル」から以下のコマンドを実行することで無効にすることができます。
defaults write com.apple.screencapture show-thumbnail -bool false
最後の選択部分を記憶
『スクリーンショット』アプリのデフォルトでは「最後の選択部分を記憶」が有効になっています。
この設定は『スクリーンショット』アプリのオプションから変更することもできますが、「ターミナル」から以下のコマンドを実行することで無効にすることができます。
defaults write com.apple.screencapture save-selections -bool false
マウスポインタを表示
デフォルトでは(全画面の)スクリーンショット時の「マウスポインタを表示」が無効になっていますがマウスポインタもキャプチャの対象にすることができます。
この設定は『スクリーンショット』アプリのオプションから変更することもできますが、「ターミナル」から以下のコマンドを実行することで有効にすることができます。
defaults write com.apple.screencapture showsCursor -bool true
スクリーンショットに関するすべての設定を確認
「ターミナル」から以下のコマンドを実行することですべての設定を確認することができます。
defaults read com.apple.screencapture
スクリーンショットに関するすべての設定を初期化
「ターミナル」から以下のコマンドを実行することですべての設定を初期化(削除)することができます。
defaults delete com.apple.screencapture
補足情報
「killall SystemUIServer」による再起動について
一部のTIPSで設定後にコマンドラインで「killall SystemUIServer」による再起動を行う説明をしているサイトがありますがこのコマンドの実行は不要です。
com.apple.screencapture の実態
「defaults」コマンドで読み書きしているドメイン com.apple.screencapture の実体はホームディレクトリ下の Library/Preferences の中にある ~/Library/Preferences/com.apple.screencapture.plist
というファイルを指しています。