GPT-5を使って感じた進化ポイントまとめ(GPT-4o比較)
2025年8月7日、OpenAIは新モデル GPT-5 を正式にリリースしました(ChatGPTおよびAPIで利用可能)。
この記事では、GPT-4oとのスペックや性能差を、ベンチマークと実際の使用感などを交えて整理したいと思います。
1. 概要比較
項目 | GPT-4o | GPT-5 |
---|---|---|
リリース日 | 2024年5月13日 | 2025年8月7日 |
アーキテクチャ | 静止画・音声対応の多モーダルモデル | リアルタイムルーター付き統合モデル(標準・Thinking・Pro) |
コンテキスト長 | 数万トークン | 最大256,000トークン |
多モーダル機能 | テキスト・画像・音声 | テキスト・画像・音声・動画 |
2. ベンチマーク比較(高推論設定時)
ベンチマーク | GPT-4o | GPT-5 |
---|---|---|
SWE-bench Verified(実用コーディング課題) | 約52% | 74.9% |
Aider Polyglot(多言語コード編集) | 約81% | 88% |
AIME 2025(数学テスト) | 88.9% | 94.6% |
背景ツール呼び出し性能(T²-bench telecom) | 約49% | 96.7% |
誤情報率(Hallucination) | 約11.6% | 約4.8%(約45%削減) |
3. 機能面の改善点
-
リアルタイムルーティング
処理内容に応じて「速答モデル」「Thinkingモデル」「Proモデル」を自動切替 -
API制御パラメータ
verbosity
(冗長さ)やreasoning_effort
(思考深度)を指定可能 -
安全性・正直さの向上
制限事項や不確実性を明確に説明する傾向が強化 -
カスタム人格機能
会話スタイルや口調をプリセットから選択可能
4. 実際の使用感
4.1 コーディング支援
プロンプト例
あなたはフロントエンド開発者です。以下の仕様でランディングページをHTML + CSSで作ってください。
- ターゲット:コーヒー愛好家向け、サブスク説明ページ
- レイアウト:レスポンシブ、モダン、購入CTAボタン付き
- デザイン:落ち着いた色合い、読みやすいフォント
所感
GPT-5は見た目の整ったコードと、意図を説明するコメントも合わせて出力してくれるため、そのままプロジェクトに組み込みやすいと感じました。
4.2 高度推論
プロンプト例
東京の大学生が気候変動にどう取り組んでいるか、日本の教育制度の観点で整理して考えてください。
所感
GPT-4oよりも長い文脈を維持しながら、多面的かつ論理的に段階立てて説明してくれる印象でした。
5. 注意点
- 文章生成の「創造性」は評価が分かれそう
- 複雑でない質問ではGPT-4oと差が小さい場合もありそう
- 高推論モードは応答速度が遅くなることがある
6. まとめ
- GPT-5は推論力・コーディング性能・安全性・多モーダル理解で大幅に進化
- トークン効率やツール利用効率も向上
- 開発・教育・研究など幅広い分野で「乗り換え」の価値あり
さいごに
最近では、GPTをローカル環境で実行できる「GPT-oss」の登場など、進化のスピードは目まぐるしいものがあります。
便利さが増す一方で、私たち利用者側も常にアップデートが求められます。
こうした技術の進歩にしっかりとアンテナを張りつつ、業務の効率化や新たな価値創出につなげていきたいところです。