Ethernet(イーサネット)とは何か
イーサネットとはLAN内で複数の機器を接続してデータを送受信するための通信規格であり、OSI参照モデルでいうと データリンク層と物理層にまたがる通信方式である。
Ethernetの構成要素
Ethernetを構成する基本要素として、大きく分けると、端末、伝送媒体、中継器の3つになる。
①端末:通信を行うPC、スマホ、プリンターなど。
- 各端末にはNIC(Network Interface Card)=ネットワークインターフェースガードが搭載
→ コンピュータをネットワークに繋げる措置で一意のMACアドレスが割り当てられる。 - 固有のMACアドレス(48ビット)が割り当てられる
→ 通信の時にはMACアドレスが「住所」として扱われる。
②伝送媒体:端末同士をつなぐ物理的なケーブル類
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| ツイストペアケーブル(UTP/STP) | 一般家庭や企業で最も普及している。カテゴリー5e/6/6Aなど規格によって通信速度や性能が異なる。 |
| 光ファイバー | 長距離かつ超高速通信が可能。主に企業やデータセンターなどで使用される。 |
| 同軸ケーブル | 初期のEthernetで使用されていたが、現在はほぼ使われていない。 |
③中継装置:複数の端末を接続し、通信を制御する仕組み
| 装置 | 役割 |
|---|---|
| ハブ(Hub) | 全てのポートにデータをばらまく装置(現在はほぼ使用されていない) |
| スイッチ(Switch) | 宛先Macアドレスを見て、必要なポートにだけ転送(主流) |
| ルーター(Router) | ネットワークとネットワークを繋ぐ |
Ethernetの通信方法
下記の表のようにEthernetはデータリンク層・物理層(OSI参照モデル)、
ネットワークインターフェース層 (TCP/IPモデル)を担当している。
| OSI参照モデル | OSIモデル名 | TCP/IPモデル | TCP/IPモデル名 | 主なプロトコル |
|---|---|---|---|---|
| 7 | アプリケーション層 | 4 | アプリケーション層 | HTTPS, SMTP, POP3 など |
| 6 | プレゼンテーション層 | |||
| 5 | セッション層 | |||
| 4 | トランスポート層 | 3 | トランスポート層 | TCP, UDP |
| 3 | ネットワーク層 | 2 | インターネット層 | IP |
| 2 | データリンク層 | 1 | ネットワークインターフェース層 | Ethernet, PPP など |
| 1 | 物理層 |
~送信側~
データリンク層の役割
ネットワーク層(L3)から渡されたIPパケットに、ヘッダー(宛先MACアドレス・送信元MACアドレス・EtherType)とトレーラー(FCS(エラーチェック))を追加してフレームという形式でデータを構成する。
物理層の役割
データリンク層で作られたフレームを通信に使える物理的な信号に分解し、電気信号などに変換して送信する。
ここでいう「物理的な信号」とはビット列のことを指す。
~受信側~
物理層の役割
送信側から受信した電気信号をビット列に変換し、データリンク層に渡す。
データリンク層の役割
ビット列からMACアドレスを解析し、一致すればネットワーク層に渡す。
