葉脈は思っている以上に繊細で、葉のすみずみまで緻密で美しい模様を描いています。
一見むずかしそうですが、実は家庭でも作ることができます。
さらにカラースプレーやレジンでコーティングすれば、クリスマス飾りにもぴったりの“冬のサイエンスクラフト”に早変わり!
🌱材料
- 厚手の葉(ヒイラギ、ヒイラギモクセイなど)
- 水酸化ナトリウム
- 塩酸(または酢)
- 鍋(ステンレスまたはホーロー)
- 菜箸
- 歯ブラシ
- トレー
水酸化ナトリウムの代わりに、家庭にもある重曹やパイプ洗浄剤でも作れますが、葉肉が取れにくく時間がかかりがち。
私は薬局で水酸化ナトリウムを購入して使っています。
葉を煮る際は必ず大人が手袋をつけて作業し、服や肌につかないよう注意しましょう。
🌱作り方
-
その間に酢を張ったトレーを準備。
🌱なぜ葉脈だけ残るの?
理由は、葉脈と葉肉の成分の違いです。
葉肉(葉の緑の部分):
タンパク質や炭水化物が主成分 → アルカリで分解されやすい
葉脈(“道”の部分):
セルロースやリグニンという“とても丈夫な繊維” → アルカリで分解されにくい
セルロースはたくさんの水素結合でガッチリ組み合わさった高分子。
さらにリグニンが細胞壁を補強することで、まるで“天然の鉄骨”のように強く安定しています。
だから、アルカリ溶液で煮ると葉肉だけが溶け、葉脈だけが美しい模様のまま残るのです。
植物の“維管束”という、水や栄養を運ぶ道路がこの葉脈であり、標本にするとその構造がよくわかります。
🌱生の葉っぱでも観察
葉脈標本にしなくても、実は明るい光にかざすだけでも、葉脈を観察することができます。
🌱まとめ:葉っぱの中に“科学の地図”が隠れている
葉脈標本は、ただのクラフトではなく植物の体のしくみそのものをのぞき込む“小さな研究”です。
何気なく見ていた葉っぱの中に、水の通り道や栄養のルート、頑丈に補強された細胞の構造といった“生き物の工夫”がぎっしり詰まっていることに気づくと、自然を見る目がちょっと変わります。
他の樹木の葉っぱはどんな葉脈になっているのだろう!と、さっそく公園に出かけたくなってきませんか??
手のひらサイズの標本から広がる、小さな科学の世界。
ぜひ作って、眺めて、自然のすごさを感じてみてください。





