こんにちはSQL講習 
オブジェクティブグループの@Yukidarusanです。
弊社では、毎月1回講習会を開催しています。
今回は改めて、インデックス とは?という点を確認していきたいと思います。
現場で本当に効く場面とは?
データベースを扱う現場では「SQLが遅い」という相談は日常茶飯事です。その多くはインデックスの有無が原因になっています。この記事では、ただの理論ではなく、実際の現場でどう効くのかに焦点を当ててお話しします。
インデックスとは?
インデックスは、本の索引のような仕組みです。
大量の行が格納されたテーブルから目的のデータを探すとき、フルスキャン(全部を1行ずつ読む)をせずに、インデックスを頼りに一瞬で目的のデータに辿り着けます。
実行計画とは?
SQLを実行するとき、データベースは「どうやってデータを取り出すか」を内部で決めています。
この処理手順を実行計画 (Execution Plan) と呼びます。
- どのテーブルを先に読むのか
- インデックスを使うのか、それともフルスキャンするのか
- JOINの方法(Nested Loop, Hash Joinなど)は何か
こういった「SQLの裏側の動き」を可視化したものが実行計画です。
例:実行計画を確認する
EXPLAIN SELECT * FROM customers WHERE email = 'user@example.com';
- 
インデックスなし Seq Scan on customers Filter: (email = 'user@example.com')→ 全件走査(Seq Scan:シーケンシャルスキャン) 
- 
インデックスあり Index Scan using idx_customers_email on customers Index Cond: (email = 'user@example.com')→ インデックススキャンに変わり、処理が効率化 
👉 つまり、SQLの実行速度を改善するときは、まず実行計画を見て原因を探すのが第一歩になります。
現場での効果
1. 検索速度の劇的改善
100万件の注文履歴から「ユーザーID=12345」のデータを探す場合を考えます。
- インデックスなし → 数秒以上
- インデックスあり → 数ミリ秒
この差は、ユーザーの体感速度やAPIの応答時間に直結します。
2. JOINや絞り込みの効率化
業務システムではJOINが多用されます。
インデックスを使うことで結合処理や絞り込みが高速化されます。
どのくらいの規模からインデックスが必要になるのか?
「インデックスが必要なのは何件くらいからですか?」とよく質問を受けます。
結論から言うと、数万件を超えるあたりから差が顕著になり、数十万件〜数百万件規模では必須です。
目安の例
- 
〜1万件程度
 → フルスキャンでも一瞬。インデックスを貼っても体感差はほぼなし。
- 
数万件〜数十万件
 → 条件検索やJOINで「じわじわ遅い」と感じ始める。インデックスの有無で差が出てくる。
- 
数百万件以上
 → インデックスが無いと現実的なレスポンスが出せないレベル。業務システムでは必ずチューニング対象。
環境による違い
- 
ローカルPC+SSD+少量データ
 → 差を感じにくい(学習環境でありがち)
- 
クラウドDBやオンプレ大規模DB
 → ネットワーク遅延やI/O制約も加わり、インデックス効果が体感しやすい
👉 学習中は「実行計画でどう変わるか」を見て、現場では「数十万件以上ならインデックスを検討」と覚えておくと実践的です。
注意点
- インデックスを増やしすぎると、INSERT/UPDATEが遅くなる
- ストレージを消費する
- よく使う検索条件やJOINキーにだけ適切に貼るのが基本
まとめ
- インデックスは「索引」であり、検索やJOINを速くする
- 実行計画は「DBがどう動いたか」を可視化するツール
- 数万件を超える規模から効果が出やすい
- 実務では数十万件〜数百万件で必須になる
- 学習環境では差を感じにくいが、実行計画で確認できる
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