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Dynamics 365 BCにAIエージェントを繋いでみた ── API設定からエージェント構成まで

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【展示会出展のお知らせ】ERP × AIエージェントのデモ動画をお見せします

このたび、AI World 2026 夏(2026年7月22〜24日・幕張メッセ・第6ホールの奥)にて、ERPである Microsoft Dynamics 365 Business Central(以下BC)とAIエージェントを組み合わせたソリューションを出展します。

「AIエージェントがERPの業務を自動実行する」と言われても、実際にどこまでできるのか、どんな技術構成なのか、イメージしづらい方も多いのではないでしょうか。

この記事では、実際にBCのAPIとAIエージェントを繋いでみてわかった技術的なポイントを共有します。展示会に来られる方も来られない方も、ERP × AIエージェントの「現在地」を掴む参考になれば幸いです。


なぜ今「ERP × AIエージェント」なのか

ここ1〜2年で、ERPとAIの関係が大きく変わりつつあります。

従来のERPにおけるAI活用といえば、需要予測やレポートの自動生成など 「分析・可視化」の領域が中心 でした。ERPはあくまで「データを溜める箱」で、AIはその箱の中身を眺める役割だったわけです。

しかし、Microsoft Copilot StudioAzure AI Foundry の登場によって、AIが「ERPの中で業務を実行する」時代に入りました。具体的には、受注データの登録、在庫状況の確認と発注判断、請求書の照合と仕訳生成といった、これまで人がERP画面を操作して行っていた業務を、AIエージェントがAPIを通じて直接実行できるようになっています。

この変化を支えているのが、BC API v2.0の標準化MCP(Model Context Protocol)の普及 です。APIが整備されたことでエージェントが「手」を持ち、MCPによって複数のツールやデータソースを一つのエージェントから統合的に扱えるようになりました。

つまり、ERPは 「データの倉庫」から「AIの行動基盤」 に変わりつつある。これが今このテーマに取り組んでいる理由です。


BC APIの現実:繋ぎ方で設定コストがまるで違う

AIエージェントからBCを操作するにはAPIが必要ですが、 「何を経由して繋ぐか」で設定の手間が大きく変わります 。ここでは、実際に2つのルートを試した経験を共有します。

ルート①:Claude × FastMCPで繋いだ場合

最初に試したのは、Claude(LLM)からPython製のFastMCPサーバーを経由してBC APIを叩く構成です。

標準エンティティ(salesOrderscustomersitems等)については、API v2.0経由で 問題なくデータの読み書きができました 。受注の登録や顧客情報の取得といった基本的な操作はこの構成で普通に動きます。

壁にぶつかったのは、 AL拡張で作成したカスタムテーブルにアクセスしたいとき です。v2.0の標準ルーティングはMicrosoft公式の標準エンティティのみを対象としており、独自ネームスペースのカスタムAPIには対応していません。たとえば自社で作ったExpense Claims APIなどがこれに該当します。

このカスタムテーブルに繋ぐために、追加で必要になった設定が以下です:

  1. Azure Entra IDでアプリ登録、BCへのAPI権限付与
  2. Client Credentials Grant(S2S OAuth)でアクセストークン取得
  3. FastMCPサーバー側でトークン管理とカスタムAPIエンドポイントの呼び出し実装
  4. MCP Protocolに準拠したツール定義の作成
    (ちなみに、3, 4の設定はClaude Codeにやってもらっています)

標準テーブルだけなら問題なく動きましたが、実務ではカスタムテーブルを使わない企業はほぼないので、この追加設定の工数が現実的なハードルになりました。

ルート②:Copilot Studio × BC内蔵MCPで繋いだ場合

一方、Copilot Studioを使う場合、BCには 内蔵のMCPサーバー機能 があります。BC管理画面の設定ページでMCPを有効化するだけで、標準エンティティへの接続が完了します。

S2S OAuthの設定もFastMCPサーバーの構築も不要。Microsoft同士のエコシステム内で認証が完結するため、APIバージョンの制約を意識する必要もありません。

比較してわかったこと

標準テーブルの範囲であれば、どちらのルートでもAIエージェントからBCの業務データを操作できます。ただし、ルート①ではFastMCPサーバーの構築・運用が前提になるのに対し、 ルート②はBC管理画面の設定だけで接続が完了 します。

さらにカスタムテーブルが絡むと、ルート①ではS2S OAuthの認証構成やトークン管理といった追加工数が積み上がります。ルート②は現時点では標準エンティティが対象ですが、そもそもMicrosoft同士のエコシステム内で完結するため、今後のカバー範囲拡大も期待できます。


展示会でお見せするもの

AI World 2026 夏(2026年7月22〜24日・幕張メッセ・第6ホールの奥)のブースでは、以下の内容を予定しています。

  • AIエージェント × BCのデモ動画 :Copilot StudioからBCの業務データを操作するエージェントの動作
  • Dynamics 365 Business Central の実機展示 :BCの管理画面やMCP設定周り
    「AIエージェントがERPを操作する」と言葉にすると抽象的ですが、実際に動いている画面を見ると解像度が一気に上がるはずです。

本記事で紹介した「繋ぎ方で設定コストが変わる」という話も、デモを見ていただければ実感できると思います。ご興味のある方はぜひお立ち寄りください。

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