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VSCode devcontainer + Dockerでシームレスな開発環境を構築してみた

Last updated at Posted at 2022-12-31

はじめに

先日参加したハッカソンでDockerで環境構築してチームメンバーと開発をしたが、メンバーの1人がVSCodeの設定によるエラーで苦戦していた。そこで今回は、VSCode devcontainerとDockerを使って、Dockerのコンテナ内でVSCodeを起動して開発する方法についてまとめる。

前提知識:Docker / Docker-composeの概念をある程度理解している。
実行環境:Windows10, DockerHub, VSCode
到達レベル:面倒な環境構築をVScodeのエディタごとチームメンバーと共有できる

VSCode devcontainerとは?

VSCode の拡張機能パックである Dev Container(旧 Remote-Containers)を使用して構築する開発環境のことを指す。
image.png
引用元:Dev Container 公式ドキュメント

ローカルのワークスペースからファイルシステムをマウントするかコンテナにコピーまたは複製することでコンテナ上で作業することができる。また、どうやらVSCodeの拡張機能もコンテナにインストールして利用するみたい。つまり、コンテナごとでエディタを含めた開発環境全体をシームレスに切り替えることができる。

これでチームメンバー間でのエディタの設定等によるエラーを防ぐことができる。
ただし、エディタはVSCodeに限られてしまうが......

利用手順

Docker のインストール

詳細についてはここでは割愛します。
Docker Desktop のインストールはここから

Dev Container のインストール

VSCodeを起動して拡張機能検索からDev Containerを見つける。
拡張機能.png
発見したらInstallボタンをクリック!

ちなみに、Dev Containerの下にRemote Developmentという似たような拡張機能があるが、これはVSCode Remote Developmentといい、Remote - WSLと、Remote - Containers、Remote - SSHをひとまとまりでインストールできる拡張機能パッケージのようなものらしい。

devcontainerコンテナのビルド

Dev Containerをインストールすると、左端に新しいステータスバー項目が表示される。
ステータスバー.png

ステータスバーをクリックすると、以下のようにコンテナのメニュバーが表示される。
image.png
既に.devcontainerディレクトリが存在するリポジトリがあれば、Open Folder in Container...を選択してコンテナを展開すればOK。

ここでは、Try a Dev Container Sample...でサンプルの Node.js コンテナを展開する。
選択後は、コンテナがビルドされるのでしばらく待機...

ビルドが完了すると、左端のステータスバーにコンテナ名が表示される。
これでVSCodeとビルドしたコンテナとの接続は完了。
image.png

コンテナのビルド後は、以下のようなディレクトリ構造になる(Node.jsの場合

.
├── CODE_OF_CONDUCT.md
├── .devcontainer
├── .eslintrc.json
├── .git
├── .gitattributes
├── .gitignore
├── LICENSE
├── node_modules
├── package.json
├── README.md
├── SECURITY.md
├── server.js
├── .vscode
└── yarn.lock

devcontainer.json

devcontainer.jsonは、開発コンテナの構築方法と起動方法を決定する構成ファイル。
.devcontainerディレクトリ直下にある。

devcontainer.json
{
	"name": "Node.js",
	"image": "mcr.microsoft.com/devcontainers/javascript-node:0-18-bullseye",

	"customizations": {
		"vscode": {
			"settings": {},
			"extensions": [
				"streetsidesoftware.code-spell-checker"
			]
		}
	},

	"portsAttributes": {
		"9000": {
			"label": "Hello Remote World",
			"onAutoForward": "notify"
		}
	},

	"postCreateCommand": "yarn install"
}
主なオプション 内容
dockerfile Dockerイメージとして使用したいファイルへの相対パス
customizations VSCodeなどのツール固有のプロパティを設定
settings コンテナ/マシン固有の設定ファイルの追加
extensions コンテナ作成時にインストールする拡張機能を指定
forwardPorts コンテナ内のポートをローカルで利用できるようにする
postCreateCommand コンテナ作成後に実行されるコマンド
remoteUser コンテナ内でVSCodeを実行するユーザーを上書き

remoteUserのデフォルトはcontainerUser
全てのオプション集はこちら

Dockerfile と docker-compose.ymlの作成

特にDockerコンテナをカスタマイズしない人は作成する必要はないが、大抵は開発していく中で色々といじりたくなってくる。そこで.devcontainer ディレクトリ下に Dockerfileとdocker-compose.ymlを作成してコンテナを好きなようにカスタマイズする。

Dev Containerのような Docker コンテナ内で Docker を使用する方法には、docker-from-docker という方式と docker-in-docker という方式の 2 つがあるらしい。

今回は、Docker コンテナにホストの Docker ソケットをバインドマウントすることにより、コンテナ内からホストの Docker を使用するため、前者のdocker-from-dockerの方式を採用する。

詳細は以下を参照。

Dockerfile

Dockerfile
FROM mcr.microsoft.com/devcontainers/javascript-node:0-18-bullseye
# 以下略

docker-compose.yml

docker-compose.yml
version: "3"

services:
  app:
    build:
      context: .
      dockerfile: Dockerfile

    volumes:
      - ${LOCAL_WORKSPACE_FOLDER}:/app

    working_dir: /app
    command: sh -c "yarn install"

${localWorkspaceFolder}devcontainer.jsonで使用できる変数で、ホスト側のフォルダのパスを指す。

詳細は以下を参照。


追記[2022/12/31]:

docker-compose の ver.3.2以降はvolumesはlong syntaxで記述すると、良いそう。

docker-compose.yml
version: "3.9"

# 略
volumes:
      - type: bind
        source: ${LOCAL_WORKSPACE_FOLDER}
        target: /app
# 略

short syntaxの場合、

  • 意図せずroot権限でホストにディレクトが自動生成される。
  • ファイルをマウントしようとしたが、ディレクトリがマウントされる。
  • docker-compose upでエラーを吐く場合が度々ある。
    などのデメリットがあるみたい。

詳細は以下を参照。


devcontainer.json

devcontainer.json
{
    "name": "Node.js",
    "dockerComposeFile": "docker-compose.yml",
    "service": "app",
	"remoteEnv": {
		"LOCAL_WORKSPACE_FOLDER": "${localWorkspaceFolder}"
	},
    "extensions": [
        "streetsidesoftware.code-spell-checker"
    ]
}

ローカルサーバの起動

ひと通り環境が整ったのでサーバを立ち上げてみる。

$ node server.js

上記のコマンドでローカルサーバを起動。

server.js
/*---------------------------------------------------------------------------------------------
 *  Copyright (c) Microsoft Corporation. All rights reserved.
 *  Licensed under the MIT License. See License.txt in the project root for license information.
 *--------------------------------------------------------------------------------------------*/
'use strict';

const express = require('express');

// Constants
const PORT = 3000;
const HOST = '0.0.0.0';

// App
const app = express();
app.get('/', (req, res) => {
	res.send('Hello remote world!\n');
});

app.listen(PORT, HOST);
console.log(`Running on http://${HOST}:${PORT}`);

ルートディレクトリ直下にserver.jsがあるので、「Hello remote world!」と返されれば成功。

image.png

コンテナのリモート接続を閉じる

File->Close Remote ConnectionでローカルのVSCodeに戻すことができる。

接続終了.png

参考文献

まとめ

今回は、VSCode devcontainerを使って、Dockerコンテナ上でシームレスな開発環境を構築してみた。ファイルシステムだけでなく、開発環境全体を揃えられることで、チーム開発で不必要なエラーで悩まされることは無くなりそう。ただ、メンバー全員がVSCode縛りになってしまうのが少し痛い......

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