ChatGPT、GAS、Looker Studio、MagicPod Web APIでノーコード自動テストツールMagicPodの運用環境を構築した話
概要
本記事では、ChatGPTを活用してMagicPodの運用効率を向上させるプロセスを紹介します。GAS(Google Apps Script)の特長であるサーバーレスでの自動実行や、Looker Studio、MagicPod Web APIを組み合わせた運用環境の詳細、専用にカスタマイズしたGPTsの活用方法について解説します。
背景
MagicPodはノーコードでUIテストを作成できる強力なツールですが、以下の課題がありました:
- 古くなったバイナリの手動管理が手間
- ヘルススコアのモニタリングを効率化したい
- テストケースの管理や棚卸しを効率化したい
- ロケータの作成・分析に時間がかかる
これらの課題を解決するために、ChatGPTを活用したカスタムGPTを作成し、それを基に運用環境の構築を行いました。
カスタムGPTの役割
構築した運用環境では、以下のカスタムGPTを活用して各プロセスを効率化しました:
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GAS Guru
Google Apps Script(GAS)でスクリプトを自動生成するカスタムGPT。GASは、サーバーやローカル端末を必要としない完全クラウドベースの実行環境で、定期実行やAPI操作を簡単に自動化できます。この特長を活かし、効率的なスクリプトの作成と運用を支援します。箇条書き程度の仕様を入力するだけでスクリプトのドラフトを作成可能です。
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Appiumで使うロケーターについてなんでも教えてくれるボット
MagicPodで使用するロケータの作成や評価を支援するカスタムGPT。スクリーンショットやUIツリーを基に適切なロケータを提案します。
運用環境の構築プロセス
1. 古くなったバイナリの自動削除
- 使用GPT: GAS Guru
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使用API:
DELETE delete-file
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概要:
MagicPod上の古くなったバイナリを定期的に削除するプロセスを自動化。 -
プロセス:
- カスタムGPT「GAS Guru」を活用してスクリプトを作成
- タイマーで毎日GASを実行
- 特定世代以上のバイナリを自動削除
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ポイント:
GASの特長であるサーバーレスでの自動実行を活用し、管理コストを削減。サーバーやローカル端末を準備する必要がないため、設定後は完全にクラウド上で完結します。
2. ヘルススコアのSlack配信とモニタリング
- 使用GPT: Looker Studio Expert Bot, GAS Guru
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使用API:
GET health-score
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概要:
MagicPodのヘルススコアを取得し、ダッシュボードに可視化するプロセスを自動化。 -
プロセス:
- GASでデータを取得し、Slackに配信
- カスタムGPT「Looker Studio Expert Bot」を活用してダッシュボードを作成
- ダッシュボードの特徴:
3. MagicPodのテストケース一覧作成
- 使用GPT: GAS Guru
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使用API:
GET test-cases
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概要:
テストケースの棚卸しやプラットフォーム間の比較に役立つ一覧を作成。 -
プロセス:
- カスタムGPT「GAS Guru」を活用してスクリプトを作成
- 必要な情報を毎日取得し、Google Sheetsに出力
4. ロケータの分析・作成支援
- 使用GPT: Appiumで使うロケーターについてなんでも教えてくれるボット
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概要:
ロケータに関連するエラーの特定や修正を効率化。 - プロセス:
今後の展望
MagicPod運用環境の自動化により、以下のメリットが得られました:
- 手動作業の削減による工数削減
- データドリブンな意思決定の強化
- 学習コストの低減
- 専用カスタムGPTによる自動化工数の大幅な削減
これらのプロセスはさらに汎用化可能であり、他ツールへの応用も視野に入れています。