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Amazon Connect/Service Cloudの連携メモ

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Amazon ConnectとService Cloudの連携について、少し整理してみます。
ここ最近、CTI Adapterで連携して構築・Service Cloud Voiceで連携して構築する案件対応を行ったため、その違いを簡単に記載します。

  1. CTI Adapterによる連携

CTI Adapterは、SalesforceのCTI(Computer Telephony Integration)フレームワークを使用して、Amazon ConnectをSalesforceに統合するためのソリューションです。
メリット

柔軟性: SalesforceのオープンなCTIフレームワークを活用できるため、カスタマイズや拡張性が高い。
既存機能の利用: 通話制御(着信、発信、保留、転送など)や通話ログ記録をSalesforce上で実現可能。Salesforceコンソール内でAmazon Connectの機能を利用できる。
コスト効率: Service Cloud Voiceのライセンスを必要とせず、比較的コストを抑えられる。
外部連携: 他の外部システムやAWSサービス(例:Lambda、DynamoDB)と統合しやすい。

デメリット

実装の複雑さ: 開発や設定に高度な技術的知識が求められる。Salesforce CTI Adapterの設計とAmazon Connectの設定が密接に関わる。
ユーザー体験の制約: 通話履歴やリアルタイムの通話内容の分析機能が標準で提供されないため、別途構築が必要。
メンテナンスコスト: 継続的な運用・保守が求められる場合、CTI Adapterのアップデート対応やSalesforceとの連携調整が発生する。
  1. Service Cloud Voiceによる連携

Service Cloud Voiceは、Salesforceが提供するネイティブなコンタクトセンターソリューションで、Amazon Connectとの深い統合を実現するためのサービスです。
メリット

ネイティブ統合: Amazon ConnectがService Cloud内に直接組み込まれるため、設定や運用がシームレス。
音声とデータの統合: 通話履歴やリアルタイムの通話内容(例:音声文字起こし、キーワード検索)をSalesforce内で直接活用できる。
AI/機械学習の活用: Einstein AIとの連携により、リアルタイムの応答支援や分析機能を強化。
迅速な導入: 標準テンプレートや統合ツールを利用することで、導入プロセスがスムーズ。

デメリット

コスト負担: Service Cloud Voiceの追加ライセンス費用が発生するため、コストが高くなる。
カスタマイズの制限: Salesforceの標準機能に依存する部分が多く、大幅なカスタマイズが難しい場合がある。
AWSリソースとの連携制約: Amazon Connectの一部の高度な機能(例:カスタムIVRフローや外部システム連携)を利用する際に、Salesforce標準のプロセスに制約を受ける場合がある。
  1. ちょっとした比較
    image.png

またService Cloud Voiceの構築手順について簡単に整理します。

■Service Cloud Voiceで構築する手順と注意事項

Service Cloud Voiceを用いてAmazon ConnectとSalesforceを連携するシステムを構築する際は、下記の手順に従って設定を進めます。

  1. 前提条件の確認と準備

    Salesforceライセンスの確認
    Service Cloud Voiceの利用には、以下が必要です。
    Salesforce Service Cloudのライセンス
    Service Cloud Voiceライセンス
    (通話機能の要約を行いたい場合)Einsteinライセンス

    Amazon Connect環境の準備
    Amazon Connectインスタンスを作成済みであること
    通話フロー、キュー、エージェント設定が完了していること
    AWSアカウントの権限を適切に設定しておく(IAMポリシーの確認)

    Salesforce環境の確認
    必要なオブジェクトやフィールドがセットアップ済みであること
    標準コンソールを利用する場合、Lightning Experienceが有効化されていること

  2. SalesforceとAmazon Connectの統合設定

    Service Cloud Voiceのインストールと有効化
    Salesforce AppExchangeからService Cloud Voiceパッケージをインストールし、有効化する。
    注意事項: 正しいライセンスが割り当てられていることを確認する。

    Amazon Connectインスタンスの接続
    Service Cloud Voiceのウィザードを使用して、Amazon ConnectインスタンスをSalesforceにリンクする。
    必要なAWSリソース(Lambda、S3、CloudFormationなど)が自動的に作成される。
    注意事項: 接続時に適切なIAMロールが設定されていない場合、エラーが発生することがある。事前にIAMロールを確認し、必要な権限(Amazon Connect、CloudWatch、Lambdaアクセスなど)を付与する。

    通話フローの設定
    Salesforce上で使用する通話フローをAmazon Connectで作成する。
    通話フロー内でSalesforceから提供されるデータを使用できるよう、Salesforce連携用のカスタムアクションを追加する。
    注意事項: 通話フローに正確なキューやIVR設定を組み込むことで、通話のルーティングが適切に行われるようにする。

  3. Salesforce内の設定

    エージェントの設定
    Salesforce内でエージェントにService Cloud Voiceライセンスを割り当てる。
    エージェントがAmazon Connectで正しく認識されるよう、Amazon Connect内のエージェント情報とSalesforceのユーザー情報を統一する。

    オムニチャネル設定
    Service Cloud Voiceはオムニチャネルと統合される。オムニチャネルルーティングを設定し、エージェントに通話が適切に割り当てられるようにする。
    注意事項: 通話以外のケース(例:チャット、メール)がある場合、オムニチャネル設定全体を確認して優先順位やルールが適切に構成されていることを確認する。

    通話履歴とケースの自動関連付け
    通話がケースに自動的に関連付けられるように、ケース管理の設定を行う。
    Einstein Voice機能を有効にする場合、通話内容の文字起こしがケースのデータに反映される設定を確認する。

  4. Einstein AIと音声分析機能の有効化

    音声文字起こしの設定
    Amazon Connectから取得した音声データをSalesforceで文字起こしする機能を有効化する。
    注意事項: 音声文字起こしにはAmazon Transcribeが使用されるため、AWS側で追加の設定が必要。

    AIによる応答支援
    Einstein AIを設定し、リアルタイムでエージェントへの回答支援やキーワード分析を行えるようにする。
    注意事項: 特定のキーワードやフレーズをトリガーにしてアクションを起こす機能を正確に構築するため、ビジネス要件に沿った設定を行う。

  5. テストと検証

    統合テストの実施
    通話のルーティング、文字起こし、ケース自動生成など、主要機能が期待通りに動作するか確認する。
    注意事項: テストでは実際の通話フローを模倣し、すべてのシナリオ(例:通話中断、転送、エラーケース)を網羅すること。

    エージェントトレーニング
    システム導入後、エージェントがSalesforceコンソール内でのService Cloud Voiceの操作方法に習熟するためのトレーニングを実施する。

  6. 運用・保守

    ログ監視とトラブルシューティング
    SalesforceおよびAmazon Connectのログを定期的に確認し、問題を早期に検出する。
    注意事項: ログ設定を適切に行い、重要なイベント(例:通話失敗、権限エラー)を即座に把握できるようにする。

    定期的なアップデート対応
    SalesforceとAmazon Connectのアップデートに伴い、互換性や新機能の適用状況を確認する。

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