はじめに
システム運用において、問い合わせ対応に多くの時間を取られていないでしょうか?
- 同じ質問が何度も来る
- 調べれば分かる内容の問い合わせが多い
- 本来やるべき改善業務に手が回らない
問い合わせ対応は必要な業務ですが、減らせる問い合わせは減らすべきです。
本記事では、問い合わせが多いシステムの例と、その具体的な改善策を紹介します。
問い合わせが多いシステムの典型例
① 社内ポータル/ワークフローシステム
例:
- 勤怠申請
- 経費精算
- 稟議申請
よくある問い合わせ
- 「申請が承認されない」
- 「どこから申請するの?」
- 「エラーが出て保存できない」
主な原因
- UIが直感的でない
- 承認フローが複雑
- エラーメッセージが不親切
② 基幹システム(ERP・販売管理など)
例:
- 受発注システム
- 在庫管理システム
よくある問い合わせ
- 「登録したデータが見つからない」
- 「数字が合わない」
- 「権限がなくて操作できない」
主な原因
- 権限設計が分かりづらい
- データ反映タイミングが不明瞭
- 業務フローと画面設計が一致していない
③ 社内ITサービス(アカウント・VPNなど)
例:
- アカウントロック
- パスワードリセット
- VPN接続エラー
よくある問い合わせ
- 「ログインできない」
- 「在宅接続できない」
主な原因
- FAQが探しづらい
- 自己解決手段がない
- エラーメッセージが専門的すぎる
問い合わせが多いシステムの共通点
問い合わせが多いシステムには、いくつかの共通点があります。
| 共通点 | 内容 |
|---|---|
| エラーメッセージが抽象的 | 「エラーが発生しました」だけ表示 |
| マニュアルが読まれない | 長い・探しづらい・最新でない |
| UIが業務フローと一致しない | 現場の思考順と画面順が違う |
| 権限設計がブラックボックス | なぜ出来ないのか分からない |
問い合わせは「利用者の理解不足」ではなく、
システム側の設計課題であることが多いです。
改善策①:問い合わせ内容を可視化する
まずやるべきは分析です。
- 問い合わせ内容をカテゴリ分け
- 月次件数を集計
- 同じ質問の発生回数を数値化
NG
- 「最近多い気がする」
OK
- 「パスワード関連が全体の35%を占めている」
体感ではなく、データで改善対象を決めることが重要です。
改善策②:エラーメッセージを改善する
悪い例
承認者が設定されていません。
「組織設定 > 承認ルート」から設定してください。
改善ポイント
- 原因を書く
- 対処方法を書く
- 専門用語を避ける
エラーメッセージの改善だけで、問い合わせが大幅に減るケースは珍しくありません。
改善策③:自己解決導線を整備する
目指す状態は:
「問い合わせるより、調べたほうが早い」
具体例:
- 画面内ヘルプリンクの設置
- FAQのタグ検索機能
- 1〜2分の操作動画
- よくある質問のポップアップ表示
利用者は「読みたい」のではなく、
今すぐ解決したいのです。
改善策④:権限エラーを可視化する
よくある問い合わせ:
「操作できません」
改善例:
あなたには「経費承認者」権限がありません。
申請はこちら → (リンク)
- 不足している権限を明示
- 申請導線を表示
- 承認者や管理者を表示
「なぜ出来ないのか」が分かるだけで、問い合わせは減ります。
改善策⑤:UXを根本から見直す
最も効果が高いのは、UI/UXの見直しです。
- 業務フローから画面設計を見直す
- 利用者ヒアリングを行う
- 実際の操作を観察する(シャドーイング)
問い合わせは、システムからの改善サインです。
数値で見る問い合わせ削減効果
仮に、問い合わせが月100件あったとします。
1件あたり15分対応すると仮定すると:
100件 × 15分 = 1500分(25時間)
30件 × 15分 = 450分(7.5時間)
月17.5時間の削減
年間210時間の削減
これは、改善プロジェクト1本分に相当します。
まとめ
問い合わせ削減は、
- サポート業務の効率化だけではない
- コスト削減だけでもない
本来やるべき業務に集中するための環境づくりです。
問い合わせは「ユーザーの問題」ではなく、
システム設計のヒントです。
小さな改善からでも構いません。
まずは問い合わせの可視化から始めてみてはいかがでしょうか。