こんにちは。
AWSで気軽にOpenShiftが使えるROSAがリリースされたはいいものの、「結構いい値段するんじゃないかな…」と思ってる方も多いかと思います。
実際にROSAを使ってみて、どういうリソースが作られてるのかを整理したので、自分の備忘を兼ねて書き残してみました。
目的
- ROSAのコストイメージや構成を確認したかったので、デフォルトで構築するとどういうリソースができるのかを調査しました
- 全ては調べきれなかったので、コストに影響が大きそうなNWとEC2周りを重点的に調査してます
調査した環境
- rosa create cluster --cluster-name XXXX を実行して作成した環境を調査しています
- 細かい環境の作り方はこちらを見ていただくと良いかと。(@Yusuke-Yさんありがとうございます)
調査結果
- 作成されたEC2リソース一覧
リソース種別 | 個数 |
---|---|
EC2インスタンス(m5.xlarge) | 5 |
EC2インスタンス(r5.xlarge) | 2 |
EC2インスタンス(t2.micro) | 構築時のみ全region分 |
EBS | 17 |
EBSSnapshot | 5 |
SecurityGroup | 5 |
NLB | 2 |
CLB | 3 |
TargetGroup | 3 |
- 作成されたNWリソース一覧
リソース種別 | 個数 |
---|---|
VPC | 1 |
Subnet | 2(PublicとPrivate各1つ) |
RouteTable | 2 |
InternetGateway | 1 |
ElasticIP | 1 |
S3Endpoint | 1 |
NatGateway | 1 |
NetworkACL | 1 |
- 作成されたリソース一覧(その他)
リソース種別 | 個数 |
---|---|
S3Bucket | 2 |
HostedZone | 2 |
気になるところ
結果としては上記の通りなのですが、調べてみて気になったところをいくつか記載します。
EC2インスタンスが多い
xlargeクラスのインスタンスが7つ上がるので、それだけで結構コストがかかります。
会社などで使う分には大した額では無いでしょうが、個人でちょっと試してみる、という場合には中々負担が大きいです。
LBがやたら多い
ROSAをデフォルトで入れた場合、CLBが3つ、NLBが2つ作成されます。
集約できそうな気もしますが、ROSAで作成された環境に手動で手を加えるのはサポート外になるようです。
Bootstrap用(?)のEC2が全リージョンに作成される
環境作成時にBootstrap用と思われるEC2が全リージョンに作成されるという動きをするため、一時的に全リージョンにEC2インスタンスが作成されます。
t2.microなのでそれほどコストには響かないとは思いますが、ちょっと気持ち悪い動きをします。
WAFが適用できない
AWSのWAFをロードバランサに適用する場合はALBへの適用となりますが、ROSAで作成されるアプリの入り口となるロードバランサはCLBになります。
そのため、WAFを適用したい場合はALBを別途作成する(ROSAでVPCを作成した場合は他のVPCへ配置)か、AWSのWAF以外を利用する必要があります。
まとめ
正直な感想としては、個人で使う分には決して安くは無いというのが感想ですね…上記以外にOpenShiftのライセンス費用もわずかですがかかります。
具体的なコストで言うと、クラスターを立ち上げた後で8時間ぐらい起動しっぱなしにしていたところ、請求はコミコミで10$強でした。
とはいえ、OpenShiftの導入が格段に容易になったことから、ちょっと使ってみたい、一日ぐらい触れれば満足、というニーズにはフィットすると思います。
気になった方は是非一度お試しください。
内容に誤記等あればご指摘ください。よろしくお願いします。