はじめに
みなさまの会社には、『書籍購入制度』はありますか?
今をときめくIT企業にとっては、当たり前の制度ですよね。
しかし、私の入社当時、弊社には書籍購入制度がありませんでした
今回の記事では、書籍購入制度を導入してもらった経緯について記述していきます。
もしお勤めの企業で書籍購入制度を提案されることがあれば、参考になるかもしれません。
どう変わったか?
ではまず「書籍購入制度を導入してもらった結果、社内制度がどう変わったか?」について記載します。
はじめに、導入前からみてみましょう。
制度導入前
- 書籍購入制度
- なし
- 欲しい本は各自で買うしかない
- 「たかが1冊3,000円程度でしょ?」という人もいるが、年間で見ると結構な出費
エンジニアとしてはイマイチな環境ですよね。
これがどうなったかというと……
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
制度導入後
- 書籍購入制度
- あり
- 年間の予算内であれば何冊でも購入OK
- 同一書籍の複数購入OK
- 購入前に、チームリーダーの承認が必要
- 電子書籍はNG
- 書籍は会社所有
- 貸出期間の定めはなし
- 好きなだけ手元に置いておいてよい
- 不要になったら会社へ郵送
- あり
というわけで、職場環境がかなり改善されたと思います!
ここからは、書籍購入制度の導入にいたるまでの道のりについて記載していきます。
動機
まず、「なぜ私が書籍購入制度を導入してほしいと考えたか」からお話しします。
それは、「「書籍代」というハードルを取り除きたかったから」です。
エンジニアのスキルアップの手段として、技術書はとても有効な手段です。
しかし、個人で書籍を購入すると、当然ながら書籍代は個人負担になります。
たとえば3,000円の本を月に2冊読むとすると、年間72,000円の出費となります。
フリーランスならまだしも、会社員の手取り給与から72,000円はだいぶ痛いです……。
そこで、どうせいつか読む本なら、会社に買ってもらった方が嬉しいなー、というところから書籍購入制度の実現を目指しました。
導入までの経緯
今回は、以下の流れで書籍購入制度の導入が実現しました。
見ての通り、一度は課長からNGもらってるんですよね。
そこであきらめずに、チャンスを待つことができたのがよかったのだと思います。
今回のケースでは、部長との面談の際にさりげなく
「書籍購入をしたいんですけど……」
と切り出してみたら意外と好感触で、そのまま提案書の提出 → 導入ととんとん拍子に話が進みました!
では、ここからは提案書の内容についてお伝えしていきます。
提案書を作成する際に気を付けた点
提案書を作成する際に気を付けた点は、以下の2点です。
- ストーリーを意識する
- 上司の視点から提案する
順に説明していきます。
1. ストーリーを意識する
ただ単に「書籍購入制度をつくってください!!!」と主張するだけだと、決裁権者には響きにくいです。
PMの方の比喩を(面白かったので)引用させていただきます。
プレステが欲しいときに、親に対して「プレステのすばらしさ」をどんなにアピールしても無駄。
親が知りたいのは、「プレステを買った後、お前はちゃんと勉強するのか?」という点だ。
主張すべきは、「毎日2時間勉強するから、1時間はゲームをさせてほしい」といった具体的な計画である。
今回のケースでは、以下のようなストーリーを作ってみました。
現状、「エンジニアにとってスキルアップしづらい環境」という課題がある
↓
課題解決のために、書籍購入制度が必要!
課題を提示し、その課題に対する解決策として「書籍購入制度」を提案する、というストーリーを作りました。
こうすることで、提案書を受け取る側にとって受け入れやすく、より導入しやすい提案内容になります。
2. 上司の視点から提案する
がむしゃらに自分の言いたいことを主張するのではなく、相手の視点に立った内容にするよう気を付けました。
具体的には、以下のような点を意識しました。
-
承認しやすい内容にする
- 提案内容が、事業とどう関わってくるのか
- リスクヘッジされているか
- 個人が好きに購入するのではなく、チームリーダーの承認を得るフローとする
-
誰が読んでもわかりやすい内容にする
- 上司は、上司の上司に提案書を見せることになる
- 別部署の社員も読むかもしれない
- もしかして社長も読むかも……
以上、提案書を作成する際に気を付けた点でした。
この提案書の内容で、晴れて書籍購入制度が導入されることとなりました。
振り返ってどうだったか?
今回、書籍購入制度を導入してもらうまでを振り返って、よかった点・反省点などを挙げていきます。
よかった点
- いろいろな方に協力を求められたこと
- 同じチームのメンバー
- TL
- PM
- などなど
私ひとりではどうにもならないな、と感じたので、周りを巻き込むことを意識しました。
(協力していただいたみなさまありがとうございました)
空いてる時間にMTGを設定し、細かくレビューをしてもらい、提案書を改善していきました。
最終的な提案書は、私が最初に作成した内容から大幅に方向転換しています。
結果的に制度の導入が実現したのは、周りの方々が協力してくれた結果だと思っています。
反省点
- 要望を100%伝えられなかった
- 電子書籍OKにしてほしい、という要望を明文化しなかった
- 個人所有OKにしてほしい、という要望を明文化しなかった
実は、今回の書籍購入制度は、私の要望が100%通ったものではありません。
理想としては、「電子書籍可」「個人所有OK」という要望を実現したかったです。
(こちらの記事に触発されています)
今の世の中、電子書籍派の方も多いですよね。
私もどちらかというと電子書籍のほうが好きです。
また、個人所有OKであれば、会社に書籍を返却する手間が省けます。
書籍購入のハードルを限りなくゼロにできるため、個人所有が望ましいと考えていました。
しかし、「電子書籍可」「個人所有OK」どちらも提案書内では明文化しませんでした。
これは「あえて明文化しないことで、暗黙のうちに認めてもらおう」という戦略によるものです。
(今思えばちょっとずるい作戦かもしれませんね)
結果的には、どちらも実現しませんでした。
おわりに
以上、書籍購入制度を導入してもらった経緯でした。
苦労して作成した提案書の制度が実現して、素直に喜ばしく思っています。
(さっそく6冊ほど購入しました)
感想としては、提案書を書くというのははじめてだったので、とてもいい経験をさせてもらえたと感じています。
また、周りの協力をあおぎながら物事を進めていく過程のなかで、たくさんの教訓を得られました。
(意外とみんな協力してくれるんだ、とか、意外と上司も話を聞いてくれるんだ、とか)
あきらめずに行動を起こしてよかった、と実感しています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
どんどん技術書を読んで、ともにスキルアップしていきましょう!!
それでは。