はじめに
クラウド型RPAである「AUTORO」を試す機会があり、実行ログの挙動が他のRPAと異なっていたため、備忘として整理します。
本記事は製品比較や優劣を決めるものではなく「こういうログの残り方をする」という観点のメモです。
実行ログの見え方
AUTOROでワークフローを実行すると、実行ログにステップ単位の履歴が残ります。
具体的には、
- ステップ名(例:StoreValue / OpenBrowser など)
- 実行時刻
- Output(変数の中身)
- ブラウザ操作を含むステップの場合、その時点の画面キャプチャ
が、1ステップごとに確認できる形で表示されます。
実行ログの例
※ 実行ログ画面のスクリーンショット
上記の例では、
-
GetTimeやStoreValueステップで- Output に格納された値がそのまま表示されている
-
OpenBrowserステップで- 実際にブラウザで表示されたログイン画面のキャプチャが残っている
といった形で、ステップ単位の状態を後から確認できるようになっています。
ログ取得のためのステップを作らなくてよい
RPAを作成していると、デバッグや運用を意識して、
- 変数の中身を確認するためのログ出力処理
- 状態確認用のスクリーンショット取得処理
- 「ここを通過した」ことを示すための記録用ステップ
を追加することがあります。
AUTOROの場合、少なくとも今回触った範囲では、
- Output(変数の中身)
- ブラウザ操作時の画面キャプチャ
が標準で実行ログに残るため、
ログを取ることだけを目的としたステップを追加しなくても、後から状況を追える、という印象でした。
原因切り分けの観点
この形式のログがあると、以下の点が確認しやすくなります。
- どのステップまで正常に進んでいたか
- 直前の画面状態がどうなっていたか
- 分岐条件に使っている変数に、どんな値が入っていたか
画面遷移や条件分岐が多い業務の場合でも、
ログを時系列に見ていくだけで、
「どこで想定とズレたか」を把握しやすい構造になっています。
運用・保守の観点
運用フェーズでは、
- 実行結果の問い合わせ対応
- 障害発生時の一次切り分け
- 他の人への引き継ぎ
といった場面があります。
その際、ワークフローを開いて細かく追う前に、
まずログだけを見て状況を把握できる点は、
実務上扱いやすいと感じました。
注意点(ログの取り扱いについて)
AUTOROでは、実行ログに画面キャプチャや Output が残ります。
これは調査や保守の面では便利ですが、扱う業務によっては情報の取り扱いを意識する必要があります。
AUTOROには、「ログを記録しない(private)」パラメータが用意されており、
画面キャプチャやOutputを含む実行ログを残さずに処理を実行できます。
プライベートログ
そのため、
- 個人情報や機密情報を扱う処理
- 認証情報が画面に表示される処理
- ログを残したくないテスト実行
などについては、
用途に応じてログを残す/残さないを切り替える運用が可能です。
画面キャプチャが残る仕様自体は便利ですが、
常に残す前提ではなく、
業務内容や社内ルールに応じて制御できる点は押さえておいた方がよいと感じました。
まとめ
AUTOROを触ってみて確認できた実行ログの挙動として、
- ステップ単位で実行履歴が残る
- Output(変数の中身)が確認できる
- ブラウザ操作時の画面キャプチャが残る
- 必要に応じてprivate設定でログを残さない選択もできる
という点がありました。
ログ取得のための追加ステップを増やさなくても、
実行後に「どこで」「どんな状態で」「どんな値だったか」を追えるため、
デバッグや原因切り分けの入口として扱いやすく、
個別に設定するよりも設定も楽で漏れがなく、初心者でもロボット品質を保ちやすい仕様だと感じています。
また、クラウド型のため、実行PCやサーバーを自前で用意する必要がなく、日々のお世話も不要なので、
機器調達コストや保守運用コストが抑えられそうな点も良い点だと思います。
