はじめに
踏み台サーバという言葉は以前から耳にしていたものの、インフラに詳しくない僕にとっては、その目的や必要性がまったく想像できませんでした。
正直、「冗長にしてまで設置するメリットってあるの?」という疑問すら抱いていたほどです。
今回この記事を書くにあたって、踏み台サーバの役割や、あなたの開発環境の全体像が少しでも見えてくるような内容を目指しました。
僕自身が理解を深める過程で得た気づきが、同じような疑問を持つ方の助けになれば幸いです。
出会いと本質
開発環境を構築しているとき、「EC2を使ったサーバが二つある」となんとなく感じていました。 僕は最初、踏み台サーバで開発作業をしているのだと思い込んでいたのです。
しかし実際には、踏み台サーバとは開発環境にサーバにアクセスするためのであり、
踏み台サーバの奥に開発環境サーバが存在していて、そこでコードを書いたりテストを行っていました。
(そしてさらに奥には、本番サーバがあり、本番データベースや重要なアプリケーションが配置されていることが分かりました。)
当初は「手前が開発用、奥が本番用」という二層構造だと思っていましたが、それは勘違いでした。
実際には、以下のような三層構造になっていたのです:
- 手前:踏み台サーバ(アクセス制御のため)
- 中間:開発環境サーバ(作業用)
- 奥:本番orSTG環境サーバ(運用中のサービス)
環境構築段階で開発者が踏み台サーバ上での作業もあるため、「開発用サーバっぽいな」と感じるのも無理はありません。
ですが、本質的にはセキュリティのための入口という役割を持っており、
本番環境を守るためのサーバに過ぎないのです。
踏み台サーバとは?
では、踏み台サーバ(Bastion Host)とは一体何でしょうか?
まずBastionとはそのまま訳すと稜堡、要塞、とりでのこと。
つまり簡単に言うと、「外部から直接アクセスできないサーバに入るための監査ゲート」 です。
本番環境のサーバやデータベースは、外部に直接公開するとセキュリティ上危険です。
そこで踏み台サーバを経由してアクセスすることで、安全に管理できるようにしています。
具体的なイメージ
-
踏み台サーバ:玄関
外部から内部ネットワークに入るための入口。直接中には入れず、まずここを通る必要がある -
開発環境サーバ:作業部屋
コードを書いたりテストを行う場所。開発者が日々作業する空間 -
本番サーバ / データベース:リビングや金庫
サービスの心臓部。外部から直接触らせない、大事な情報や機能が詰まっている場所
踏み台サーバがないと?
踏み台サーバは、本番サーバや重要なデータベースを安全に管理するための「入口」として非常に重要です。
ここでは踏み台サーバの価値と、もし設置しなかった場合にどうなるかを整理します。
踏み台サーバの価値
踏み台サーバの重要性を改めて認識しておく上で知っておくべきことは、この2点です。
○ 安全性が圧倒的に上がる
- 本番サーバや重要なデータベースを外部から直接守れる
- 誰がいつアクセスしたかログで追える
○ 管理が楽になる(副次的メリット)
- 複数サーバのSSH鍵や権限を集中管理できる
- トラブル時のログ確認やアクセス制御が簡単になる
踏み台サーバがないとどうなる?
- 外部から誰でもアクセスできてしまう状態になる
- 「誰がいつ作業したか」が追えず、トラブル時の原因特定が困難
- 各サーバごとのSSH鍵・権限管理が煩雑になり、管理コストが増大
- セキュリティポリシー(外部から直接アクセス不可)が守れなくなる
まとめ
AWSでの踏み台サーバ構成例
踏み台サーバっていうのは、本番サーバや重要なデータにいきなり触れさせないための 安全ゲート みたいなものです。
「管理が楽になる」は、そのゲートを整えるついでの 副次的なメリット、ってイメージですね。
踏み台サーバを導入する理由としては、「みんな導入している」のは、危険を避けつつ効率よくサーバを管理するための標準的な方法だから という回答が僕の中ではしっくりきました。
