はじめに
この記事では MacユーザーがAWS上のWindows ServerにRDP接続したら、次の日つながらなくなった問題 と、その解決方法を紹介します。
「昨日はつながったのに、今日は接続できない」
「毎回IPアドレスが変わって不便」
そんな方に向けて、Elastic IPを設定して接続先を安定させる方法 を初心者向けに整理しました。
この記事で学べること
- EC2のパブリックIPとDNSが変わる仕組み
- Elastic IPとは何か、なぜ必要なのか
- MacからWindows Serverへ安定して接続する手順
全体像(イメージ)
- AWSでWindowsサーバーを立てると、初回は問題なくRDP接続できる。
- しかし、EC2は「停止・起動」すると パブリックIPとDNS名が変わる。
- その結果、次の日に接続しようとすると「昨日のDNSではつながらない」状態になる。
- → 解決策は Elastic IP(固定IP)を割り当てること。
AWS関連の用語と意味
| 用語 | 意味 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| EC2 | AWSの仮想サーバー (Elastic Compute Cloud) | Windows Serverをクラウド上に立てるため |
| パブリックIP | インターネットから接続するためのアドレス。EC2起動ごとに変わる | これが変わるから接続できなくなる |
| パブリックDNS |
ec2-xx-xx-xx.compute.amazonaws.com のような名前。パブリックIPに対応して自動生成 |
人間が覚えやすいが、IPが変わるとこれも変わる |
| Elastic IP (EIP) | AWSが提供する「固定のパブリックIP」 | これを関連付ければIPもDNSも固定される |
ステップ1: 昨日は接続できたのに今日はできない?
AWSでWindows Serverを立て、Macの Microsoft Remote Desktop から接続できました。
しかし次の日、同じ設定で接続しようとするとエラーに…。
原因は EC2のパブリックIPが毎回変わる仕様 です。
例:
- 昨日 →
54.123.45.67 - 今日 →
13.222.111.44
👉 これに合わせてDNS名 (ec2-xxx-xxx.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com) も変わるため、前日の設定では接続できなくなります。
ステップ2: Elastic IPで固定化する
そこで登場するのが Elastic IP です。
Elastic IPをEC2に関連付けると…
- パブリックIPが変わらない
- それに対応するパブリックDNSも固定される
これで「昨日の設定で今日もつながる」状態になります。
Elastic IPの設定手順
-
AWSコンソールで EC2 → Elastic IP を開く
-
割り当てが終わったら、そのIPを選択 → 「アクション」→「Elastic IPアドレスを関連付け」
👉 これで固定のIPアドレス&DNS名が付与されました。
ステップ3: Macからの接続(再設定)
- Macの Microsoft Remote Desktop を開く
- 新しいPCを追加 → PC名にElastic IP または固定されたDNS名 を入力
- ユーザー名は
Administrator、パスワードはAWSから取得したもの - 保存して接続!
👉 これで「次の日も、その次の日も」同じ設定で接続できます。
注意点
Elastic IP (EIP) は “関連付けられていて利用中の状態” であれば無料 です。ただし細かいルールがあります。
AWS公式の料金体系では:
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無料になるケース
- 1つのElastic IPが、起動中のEC2インスタンスに関連付けられている場合
- そのインスタンスで実際に通信に使われている場合(EIPがアタッチされていてインスタンスが running 状態)
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課金が発生するケース
- インスタンスを停止したままEIPを保持している
- EIPを取得したが、どのインスタンスにも関連付けていない
- 1つのインスタンスに複数のEIPを関連付けている(2つ目以降は有料)
要するに 「1インスタンスにつき1EIP、かつ起動中に関連付けられていれば無料」 という仕組みです。
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その他
- RDPポート (3389) を全世界に開けるのは危険。必ずセキュリティグループで制限すること。
- IPではなく 固定DNS名 をチームで共有すると、数字より分かりやすい。
まとめ
- EC2のパブリックIPは「停止・起動」で変わる → DNS名も変わる
- そのため、昨日は接続できても今日はできないことがある
- Elastic IPを関連付けるとIPもDNSも固定化され、安定して接続できる
- MacからもRDPでスムーズにWindows Serverを利用できる

