mix.exsのapplicationsとextra_applicationsは何が違うのか

Elixirを勉強し始めて間もない頃に混乱したのが、mix.exsに定義する applications と extra_application の違いでした。そこでこの記事では、どちらを使用すればいいのかという点を簡単にまとめてみます。

applicationsが無い？

Elixirのチュートリアルやサンプルコードなどを確認していると、しばしば以下のようなコードを目にします。

mix.exs

def application do
  [applications: [:logger, :plug, :postgrex]]
end

def deps do
  [{:plug, "~> 1.2"},
   {:postgrex, "~> 1.0"}]
end

上記コードでは、依存するライブラリをdeps関数とapplicationsに定義しています。ところが自分が編集しているmix.exsには、extra_applicationsはあるもののapplicationsは無い。これはどうしたものか…

applicationsは不要

実は上記のコードは、Elixir1.4よりも前のバージョンの記法になります。Elixir 1.4からは、deps関数に依存を定義するだけでランタイムに必要なapplicationを推論してくれるようになり、applicationsの明示的な指定は不要となりました。そのため、依存ライブラリを追加する必要がある場合でも、Elixir1.4以降を使用している場合はdepsのみ編集すれば良いです。

つまり、Elixir 1.4以降のmix.exsは次のようになります。

def application do
  [extra_applications: [:logger]]
end

def deps do
  [{:plug, "~> 1.2"},
   {:postgrex, "~> 1.0"}]
end

extra_applicationsはどう使う？

extra_applicationsには、ErlangやElixirのランタイムで必要となるライブラリを指定します。これは:loggerや:cryptoなどがそれに当たります。Mixは、extra_applicationsに定義されたライブラリがアプリケーションよりも前に開始されることを保証します。

参考

elixir/CHANGELOG.md at v1.4
Elixir :applications vs :extra_applications
Application inference in Elixir 1.4