こんにちは、花王株式会社の @TsuchiyaK です。
2026年5月、Unity Technologiesから、ゲーム開発エンジンUnityのAI機能群「Unity AI」のオープンベータ版がリリースされました。個人的に注目したのはUnity MCP Serverという仕組みで、Claude DesktopなどのAIクライアントからUnityエディタを直接操作できるというものです。
これまでもUnityをMCP経由で操作する試みはありましたが、その多くはコミュニティ製のMCPサーバーで、リポジトリのビルドやエディタ拡張の組み込みといったセットアップが必要でした。一方、Unity AIのMCP Serverはエンジン本体に統合されたUnity公式の機能のため、追加のスクリプトを用意することなく手軽に導入できます。
そこで本記事では、Claude Code × Unity MCP Serverを使い、Unity入門の定番チュートリアル「ボール転がし(Roll a Ball)」をAIに作らせたらどうなるかを検証してみます。さらに、完成したボール転がしに「ホラーゲームっぽくして」と追加の指示を出して、雰囲気がどこまで変わるかも試してみました。
本記事の内容は2026年6月時点のオープンベータ版に基づいています。今後のアップデートにより仕様や料金が変更される可能性があります。
Unity AIとは
Unity AIは、Unity 6以降のエディタに統合されたAI機能群です。以下の3つの機能があります。
| コンポーネント | 概要 |
|---|---|
| AI Assistant | Unityエディタ内のチャット型AIアシスタント。プロジェクトのシーン構造やコンポーネントを理解した上で、コード生成やアセット作成を行う |
| AI Gateway | Claude CodeやCodexなどの外部AIエージェントをUnityエディタ内で実行する仕組み |
| MCP Server | Claude DesktopやCursorなどの外部AIクライアントからUnityエディタを操作するためのMCPサーバー |
今回はMCP Serverを使用してClaude Desktopから自然言語でUnityを操作してみます。
料金面もMCP Serverを選ぶ理由のひとつです。MCP Serverを利用するには、Unity AIのサブスクリプションが必要です(無料トライアルあり)。ただし、MCP ServerはあくまでUnityエディタを外部から操作するための窓口であり、Claude Code経由の操作ではUnity AIのクレジットを消費しません。利用するAI(今回はClaude Code)側の料金体系がそのまま適用されるため、Claude Proのサブスクリプションの範囲内で利用できます。一方、AI GatewayはUnityエディタ内で外部AIを実行する仕組みで、接続にプロバイダのAPIキーが必要となり、Claude Proのサブスクリプションとは別に従量課金が発生します。
今回の検証内容
Unity公式の3Dゲーム入門チュートリアル「ボール転がし(Roll a Ball)」を、Claude Code × Unity MCP Server で作ります。ボール転がしは、ボールを操作してステージ上のアイテムを回収するシンプルな3Dゲームです。
ゲームの基本部分が完成した後に「ホラーゲームっぽくして」と追加指示を出してアレンジも検証します。
環境構築
前提条件
Unityアカウント(Unity AIのサブスクリプションまたは無料トライアル)およびClaude Proの登録、UnityとClaude Desktopのインストールとログインは完了している前提で、以下を説明します。
Unityプロジェクトのセットアップ
- Unityの3Dプロジェクトテンプレートを使用して新規プロジェクトを作成
- Unityエディタ上部のAIボタンからAI Assistantパッケージをインストール
Unity MCP ServerとClaude Codeの接続
- UnityのProject Settings > AI > Unity MCP ServerでUnity BridgeがRunningであることを確認
- 同じくProject Settings > AI > Unity MCP ServerのIntegrationsからClaude CodeのConfigureをクリックして有効化
Claude DesktopからClaude Codeを開き、「Unityのコンソールメッセージを読んで」などのプロンプトを入力してUnityの情報を読み込むことができれば接続完了です。初回接続時はUnity上で接続許可の確認ダイアログが開くので許可してください。
実践:Claude Codeに「ボール転がし」を作らせてみる
それではいよいよ以下のプロンプトでゲームを作らせてみます。モデルはOpus 4.8を使用します。
Unityで現在開いているプロジェクトについて、Unityのチュートリアルにあるようなボール転がしゲームを作って
https://learn.unity.com/project/roll-a-ball
Claude CodeがUnityを操作して作業を進めるのを待つこと約10分、以下のようになりました。
プロジェクトを実行してゲームをプレイしてみるとこんな感じ。
簡単なゲームではありますが、エラーなくプレイできるゲームができあがりました。
追加のお題:「ホラーゲームっぽくして」
ベースのボール転がしが完成したところで、以下のプロンプトで追加のお題を出してみます。どのくらい雰囲気が変わるでしょうか。
このゲームをホラーゲームっぽくして
待つこと約5分、以下のようになりました。
ライティングやポストプロセスに加工が加えられ、追いかけてくる敵が追加されています。敵にぶつかるとゲームオーバーとなり、リトライできるようになっています。
使ってみた所感
今回のようなチュートリアルレベルのシンプルなゲームであれば、簡単なプロンプトだけで実装できることが確認できました。指示を細かく出していけば、より複雑なゲームを作り込んでいくこともできそうです。
特に良いと感じたのは、ライティングやポストプロセスといった見た目まわりの調整です。この領域はゲームの雰囲気や体験を大きく左右する一方、自分のイメージ通りに仕上げるのが難しいと感じていました。そこでAIの手を借りることができるのは表現の幅を広げる可能性を感じます。さらにマテリアルやシェーダーまでうまく扱えるようになれば、よりリッチな表現を手軽に実装できるようになりそうです。
まとめ
本記事では、Claude Code × Unity MCP Server を使って、Unity入門の定番チュートリアル「ボール転がし(Roll a Ball)」をAIに作らせ、さらにホラーゲーム風のアレンジまで試しました。
- Unity公式のMCP Serverはエンジン本体に統合されているため、サードパーティ製と比べてセットアップが手軽
- チュートリアルレベルのゲームであれば、簡単なプロンプトだけでエラーなく動くものが完成した
- 「ホラーゲームっぽくして」といった曖昧な指示でも、ライティングやポストプロセス、敵の追加・ゲームオーバー処理まで一気に実装してくれた
- 特に、調整が難しいライティングや見た目まわりをAIにいい感じに任せられる点は実用的
まだオープンベータ版のため今後仕様が変わる可能性はありますが、自然言語でUnityエディタを直接操作できる体験は非常に魅力的でした。気になる方はぜひ試してみてください。






