はじめに
本記事は以下の記事等で「Agent Skills (SKILL.md)」について知っている前提で書いています。まだ読んでいない方は先にこちらをどうぞ!
SKILL.mdを使っている開発者の皆さん、gh skillというコマンドを知っていますか?
ぱっと見、GitHubのリポジトリやPRの操作を最適化させるためのAgent Skillsのように見えますが、実際は SKILL.mdを管理するためのコマンドです。
2026年4月16日、GitHub CLI v2.90.0 のリリースと同時に、新たにgh skillサブコマンドが追加されました。このコマンドを使えば、これまで手作業でやっていた「リポジトリからSKILL.mdを探してきてコピーする」という作業が、1コマンドで完結するようになります。
しかも Claude Code、GitHub Copilot、Cursor、Codex、Gemini CLI など 30以上のAIエージェントに対応しており、1つのSkillを異なるエージェント向けに配り直せます。
本記事では、このgh skillコマンドの概要と、実際の使い方を紹介します。
gh skillってなに?
一言で言えば、SKILL.mdのためのnpm installです。
これまでは外部のSkillを取り込む際、対象リポジトリをgit cloneして目的のSKILL.mdを手動でコピーしてくる、という作業が必要でした。
gh skillを使えば、以下のようにコマンド1つで完結します。
gh skill install anthropics/skills frontend-design
Node.jsでnpm installするのと同じ感覚で、GitHubに公開されたSkillをインストールできます。
今回題材にするSkill: frontend-design
実際の操作に入る前に、本記事で題材にするSkillを軽く紹介します。
anthropics/skillsは、Anthropic公式が公開しているSkill集のリポジトリです。その中でもひときわ人気なのが frontend-designです。
以下、SKILL.mdのdescriptionから抜粋・意訳したものです。
このSkillは、「AIっぽい、よくあるダサいUI」を生成させないためのフロントエンドデザイン指示書である。Webコンポーネント、ランディングページ、ダッシュボードなど、何かしらUIを作る際にAIエージェントへ読み込ませる。
ありがちなInterフォント+紫グラデーションみたいないわゆる「AIっぽい」見た目を回避し、意図のあるデザインを生成させるための指示書です。
Claude Code向けのSkillとして公開されていますが、gh skillを使えばGitHub CopilotやCursorでも同じ指示を流し込めます。これが素晴らしい。
まずバージョンを確認しよう
gh skillはGitHub CLI v2.90.0以上が必要です。まず自分の環境を確認してください。
gh --version
2.90.0より古い場合は更新してください。
# macOS (Homebrew)
brew upgrade gh
サブコマンド一覧
gh skillには5つのサブコマンドがあります。
(gh skillsというエイリアスでも実行できます。末尾のsの有無どちらでも動きます。地味に嬉しい)
| サブコマンド | 用途 |
|---|---|
gh skill search |
キーワードでSkillを検索する |
gh skill preview |
インストール前に中身を確認する |
gh skill install |
Skillをローカルに展開する |
gh skill update |
インストール済みSkillを更新する |
gh skill publish |
自分のSkillを検証・公開する |
2026年4月29日時点では、gh skill自体がまだプレビュー機能です。 各サブコマンドにも(preview)と表記されており、gh skill --helpにも以下の注意書きが添えられています。
Working with agent skills in the GitHub CLI is in preview and subject to change without notice.
現時点では削除用のremoveやuninstallサブコマンドは提供されていません。削除したい場合は、該当のSkillディレクトリを手動で削除してください。
実際に使ってみよう
ここからfrontend-designを実際にインストールするまでの流れを順番に見ていきます。
1. Skillを検索する
まずどんなSkillが公開されているか、キーワードで探してみましょう。
gh skill search frontend
実行すると対話式のセレクトボックスが立ち上がり、その場で「どのSkillを」「どのエージェントに」「どのスコープで」インストールするか選べます。つまりgh skill searchはそのままインストールまでできる仕様になっています。選択肢にあがるSkillにどれくらいGitHubのスターが付いているのか確認できるのは便利ですね。
しかし、AnthropicやVercelのSkillがヒットしないなど、検索精度に難があります。また、gh skill previewで内容も確認しておきたいため、自分的にはそのままインストールするのは非推奨です。
Preview版の今は、skills.shで探すのがいいかもしれません。
2. インストール前に中身を確認する(必須!)
Skillをインストールする前に、必ずpreviewで中身を確認してください。
Skillは任意の命令をAIエージェントに読ませる仕組みなので、悪意のある内容が含まれている可能性もゼロではありません。セキュリティの観点からも、中身は確認しておきましょう。
gh skill preview anthropics/skills frontend-design
今回は公式のanthropics/skills配下なので比較的安心ですが、それでも一度中身を読んでから入れる癖をつけておくのがおすすめです。
3. Skillをインストールする
中身を確認して問題なければ、インストールします。
gh skill install anthropics/skills frontend-design
installコマンドはフラグを明示しない場合、対話式で動きます。実行すると、まずインストール先のエージェントを選ぶセレクトボックスが立ち上がります。
ここがgh skill installの面白いところで、1コマンドで複数エージェントに同時インストールできます。スペースキーでチェックを切り替え、エンターで決定。続けてインストール先スコープも対話で聞かれます。
UI上は Project / Global という表記ですが、フラグでは --scope project / --scope user に対応します(Global = user)。
Projectを選んで決定すると、以下のように複数のパスへ一度に展開されます。
- GitHub Copilot(および同じ
.agents/skillsを共有するCursor、Codex、Gemini CLI など)→.agents/skills/frontend-design/ - Claude Code →
.claude/skills/frontend-design/
これをそのままcommitすれば、チームメンバーがどのエージェントを使っていても、同じ指示書を共有できますね。
余談ですが、いつのまにか.agentsという共有ディレクトリができていたんですね。GitHub Copilotはずっと.github/skills/か.copilot/skills/配下を読んでくれていたので少し驚きました。手元で試した限り、GitHub Copilotは.github/skills/と.copilot/skills/と.agents/skills/のどれに置いても動作するのを確認できました。
ちなみに、OWNER/REPO SKILL名という指定の形式は、gh skill previewとgh skill installで共通です。検索結果に出てこないSkillでも、この2つさえわかれば「previewで中身を確認 → installで取り込み」の流れをそのまま使えます。
例えばVercelが公開しているvercel-labs/skillsのfind-skills(AIエージェントに「〇〇できるSkillある?」と聞くと、関連するSkillを探して提案してくれるSkill)を試すなら、こんな感じです。
# 中身を確認
gh skill preview vercel-labs/skills find-skills
# インストール
gh skill install vercel-labs/skills find-skills
フラグで非対話に実行する
dev-setup.shなどに組み込みたい場合は、フラグを明示すれば対話プロンプトを出さずに実行できます。
gh skill install anthropics/skills frontend-design --scope project --agent claude-code
主なフラグは以下の通りです。
| フラグ | 役割 |
|---|---|
--agent |
インストール先のAIエージェントを指定する(未指定なら対話で選択) |
--scope |
インストール先のスコープを指定する(project or user) |
--pin |
Gitタグまたは特定のコミットにバージョンを固定する |
--force / -f
|
既存のSkillを確認なしで上書きする |
--pinでバージョン固定するのもおすすめです。
Skillは中身が更新されると挙動が変わるため、再現性を担保したい場合は--pinで特定のコミットに固定しておけます。
# 例:本記事執筆時点のmainブランチHEADに固定
gh skill install anthropics/skills frontend-design --pin 5128e18
anthropics/skillsはタグを切らずにmainブランチで運用されているため、--pinにはコミットハッシュを指定します。最新のコミットは リポジトリのコミット履歴 から確認できます。
4. インストール済みSkillを更新する
インストール済みのSkillを更新したい場合は以下のコマンドを使います。
(--allで一括更新もできます)
gh skill update frontend-design
--pinで固定したSkillは安全にスキップされます。
5. 自分のSkillを公開する
自分のリポジトリにあるSkillをバリデーションして公開する場合はpublishを使います。SKILL.mdがAgent Skillsの仕様に則っているかをチェックし、Gitタグ付きリリースとしてGitHub上に公開してくれるコマンドです。
これ少しめんどくさくて、あらかじめskillsディレクトリがある階層に移動しておかないとエラー吐かれます。
# まずdry-runで検証(skillsディレクトリの親で実行)
gh skill publish --dry-run
# 問題なければタグを切って公開
git tag v0.1.0 && git push origin v0.1.0
gh skill publish
--dry-runはSkillのYAML frontmatterの検証を行います。自分で書いたSkillがAgent Skillsのフォーマットに則っているか確認してくれます。
--scopeの使い分け
gh skill installの--scopeフラグによって、Skillの展開先が変わります。
--scope |
展開先の例(GitHub Copilotの場合) | 用途 |
|---|---|---|
project(デフォルト) |
.agents/skills/<name>/ |
チームで共有するSkill(Gitで管理する) |
user |
~/.copilot/skills/<name>/ |
個人マシン全体で有効なSkill(リポジトリに影響しない) |
projectとuserで、展開先のロジックが少し違います。
-
--scope projectでは、GitHub Copilot, Cursor, Codex などは.agents/skills/を共有して展開されます。 -
--scope user(UI上のGlobal)では、各エージェントごとに専用ディレクトリへ展開されます。GitHub Copilotなら~/.copilot/skills/、Codexなら~/.codex/skills/、Claude Codeなら~/.claude/skills/、といった具合です。ややこしい。
セキュリティに注意しよう
gh skillを使う上で、セキュリティには特に注意が必要です。
Skillは任意のMarkdownをAIエージェントに読み込ませる仕組みです。 プロンプトインジェクション、隠し指示、悪意のあるスクリプトを含んでいる可能性があり、GitHub公式も「インストールは自己責任であり、GitHubによる検証はない」と明記しています。
以下の点を必ず守るようにしましょう。
-
gh skill previewで中身を必ず読む — PRレビューと同じ目線で確認する -
--pinでバージョンを固定する — 後から内容がすり替えられるのを防ぐ -
Skill内で
bash/shellツールが事前承認されていないか確認する — 事前承認済みのツールは確認なしに実行される -
公式リポジトリ以外のSkillは慎重に — 今回の
anthropics/skillsのような公式配下のリポジトリ以外は、社内コードレビューと同じ厳しさで確認する
今回使ったコマンドまとめ
# バージョン確認
gh --version
# Skillを検索
gh skill search frontend
# インストール前に中身を確認
gh skill preview anthropics/skills frontend-design
# インストールする(対話式でAgentやスコープを選択)
gh skill install anthropics/skills frontend-design
# プロジェクトにインストールしてGitで管理する(ClaudeCode指定)
gh skill install anthropics/skills frontend-design --scope project --agent claude-code
# 自分のSkillをdry-runで検証
gh skill publish --dry-run
おわりに
自分で育てていくプロジェクトに沿ったSkillもとても良いですが、他人が作成した実用的なSkillもとても良いものが多いです。
gh skillによって手軽に試せるようになったので、皆さんもぜひ、GitHub CLIをアップデートして、gh skillを使ってみてください!
まだPreview版ということもあり、充実していない部分も多いですが、そこは今後に期待ですね。





