はじめに
このノートはエンジニアとしてではなく、一人の人間として汎用的に様々な面で強い人間になること、を目的に書く、実践的な考察・分析の記事である。
エッセー的に書いているため、文章構成がまとまっていない個所は容赦していただきたい。
何かの物事において強くなるために以下のことが必要である。
1.自分の頭を使うこと(中の仕組み・ロジックをブラックボックスにしないこと)
「狂気とは即ち、同じ事を繰り返し行い、違う結果を期待することである」
これは、それまでの物理学の認識を根本から変え、「20世紀最高の物理学者」とも評される、アインシュタインの言葉である。
この言葉は、まさに正しいことを言っていると思うが、自分の頭を使わないときに、この”狂気”の状態に陥りやすい。
自分の頭を使わないと、すなわち、脳死で何かに取組んでいると、楽な行動・思考に流れていき、行動・思考がこれまでと同じそれに収束しやすい。
AIで、エラーのコピペを貼り続けるが、同じようなエラーが順々と繰り返されてそこから前に進まなくなったり、人と喋る際、クライアントに報告する際、何かを変えたいと思っているのに、何も変わらないような状態がそれに当たる。
冷静に振り返ってみれば、何かの物事に関して、ただ同じことを繰り返すことがそのまま上達にダイレクトにつながらないことは分かるはずである。
これまで人とどれくらいの言葉を交わしてきたかは、コミュニケーションの上手さにダイレクトにつながらないし、スポーツで同じ練習を繰り返していても、人によって上達の幅に差が出てくる。
そこで必要なのは、毎回全く同じことをするのではなくて、自分の頭でどこを修正したらいいかを考えて微調整する、その試行を繰り返すことである。
そしてそのために必要なのは、「集中」である。毎回の試行でちゃんと考えて微調整するのはエネルギーを使う。エネルギーと集中を伴って、「こと」に向かい合っていないとできることではない。
何をするにしても、自分がその分野で上達したい、自分の望む成果を得たいと思うのなら、脳死・巡航速度でそれに取組むのは辞めよう。そうではなくて、頭をフルに使おう。その物事はどういう仕組みになっていて、どこの部分を微調整すればいいのかしっかり把握しよう。
2.客観的に自分を見つめること・反省すること
1と関係する部分であるが、客観的に自分を見つめること・反省することが重要である。自分の課題をしっかりと現状分析できないことには物事の改善は見込めない。
思い込みや驕りを排して、自分をできるだけ謙虚に見つめよう。自分が得意と思っている箇所・人より優れていると思っている箇所も、客観的に見たら、どこかおかしなところがあるかもしれない。
そうした落とし穴にはまらないために、客観的に自分を見つめることが必要である。
そして、客観的に自分を見つめることにも、レベルが存在する。
結局どの物事にも高いレベルでそれを行うにはエネルギーが必要であり、客観的に自分を見つめることも、どれくらいの解像度で自分の課題を把握できるか、そこに対する施策を行うところまで実行できるか、それをスピーディーに行えるかどうか、というのは大きなエネルギーを必要とする。
3.師匠と関わる時間を持つこと
1,2はたしかに大事なのだが、それだけでは抜本的な変化や、論理ではたどり着けないポイントを獲得するのは難しい。
「成功はアート、失敗はサイエンス」という言葉はそのことを言っている。自分のずれていること、間違っていることはその反省をもとにそうしないように振り返りと修正を行えるのが、何か成功するパターンというのは、それのみでは不十分で、ある種の発想性が必要である。
失敗を分析することで得られるのは、マイナーチェンジであり、抜本的な改善や、今見えない成功個所に向かってジャンプするのは難しい。
そうした落とし穴を避けるために必要なのが、その道で卓越した実力を持つ師匠である。
師匠の卓越した行動やその行動様式を見ることは、そうした芸術的方法の筋道を自分の中にコピーすることを可能にする。
それでしか得られない、実力・行動様式・思考様式が存在する。あるいは、それを得るための時間を大きく短縮してくれる。