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どこでも貼れるヒートシンク開発 #04

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フィンを増やしてみた

前回の投稿で、ファンの風速や風向を変えて熱時定数、熱抵抗がどうなるかをみましたが、今回はヒートシンクのフィン数を振った実験をしてみます。下の写真が左から順番にフィン数1320本、1500本、1800本のどこでも貼れるヒートシンクです。1800本のフィンのはんだ付けはすごく大変でした💦
これらを円筒型熱源(銅ソケット)に巻いて実験してみます。

以下は冷却曲線とデータをまとめた表です。

フィン数 1320本 1500本 1800本
τ 86 秒 83 秒 87 秒
Rth 6.24 K/W 5.81 K/W 5.58 K/W
Cth 13.8 J/K 14.3 J/K 15.6 J/K
初期温度 83.6 ℃ 79.5 ℃ 79.8 ℃
終端温度 43.4 ℃ 41.8 ℃ 40.9 ℃
室温 27 ℃ 26.4 ℃ 26 ℃
電力 2.63 W 2.65 W 2.67 W

これは!!!
終端温度がフィン数を増やすにしたがって低くなり、熱抵抗も減少していきます。しかしながら、τは1320本から1500本まで増やした時は減少したのに、1800本まで増やすと逆に増加しています。はんだ付けを頑張ってフィンを増やしたのですが、1800本まで増やすと熱容量Cthが増えすぎてしまい、CthとRthの積であるτは遅くなってしまいました。数値を見ると熱抵抗が約0.2減って、熱容量が約1増えています。この場合、熱容量の増加率が支配的になりτが下げ止まってしまうんですね。なんか悔しい...😕
この実験では、τは83秒が最速で、それ以上速くならないということがわかりました。そしてτ最速ポイントでの熱抵抗Rthは5.8 W/Kです。うーん、ちょっと大きいな... 以前、「SoCの熱を手作りヒートシンクで迎え撃つ」シリーズでご紹介した、一番よく冷えた手作りのCPU用ヒートシンクの熱抵抗が4.9 W/Kだったのでその辺りまで下がって欲しかったのですが... しかし、τが下げ止まるということが分かったのは収穫です。

CPU用ヒートシンクの熱時定数τ

ところで、「SoCの熱を手作りヒートシンクで迎え撃つ」シリーズでは熱抵抗しか見ていなかったので、改めて熱時定数τを求めてみます。実は、ストレステスト中のCPU温度の上昇グラフから熱時定数τを出すことが可能です。以下のグラフのように、温度の立ち上がり時間における接線と最終到達温度との交点の時間を読み取り、立ち上がり時間から交点までの時間が熱時定数τになります。

上記の方法で、以前取ったデータから、フィン数を振ったCPU用ブラシ型ヒートシンクと市販のヒートシンク3種(銅、ノーマルアルミ、黒アルマイト )のτを求めて、以下に熱抵抗と一緒にまとめました。

ヒートシンク τ Rth
Bare(ヒートシンクなし) 23.52 秒 6.28 K/W
Brush_120(フィン数120本) 24.65 秒 5.75 K/W
Brush_240(フィン数240本) 22.02 秒 5.45 K/W
Brush_360(フィン数360本) 22.52 秒 5.28 K/W
Brush_480(フィン数480本) 22.35 秒 4.90 K/W
銅 34.15 秒 5.24 K/W
ノーマルアルミ 27.20 秒 5.19 K/W
黒アルマイト 25.04 秒 4.76 K/W

おおお... CPU用ヒートシンクは銅ソケット用と比べてτが速い!小さいから当たり前か。放熱面積は大体1/4ぐらいなんですが、τも1/4ぐらいですね、なんか面白い。
そして、ここでもτの下げ止まりが見えているのかも!
Rthはフィンを増やすに従って減少しますが、τは240本までは減少し、360本、480本でまた少し増加しています。一番τが速いのはフィン数が240本のときで、その時の熱抵抗は5.45 K/Wでした。ここでもちょっと大きめになっています。
市販のヒートシンクのτは、3種とも手作り品よりは遅いです。市販品は手作り品より重量が重く熱容量が大きいためと考えられます。

まとめ

フィン数を増やすに従って熱抵抗は下がりますが、τはどこかで下げ止まってしまうことがわかりました。そしてτが下げ止まるフィン数では熱抵抗が大きめなので、冷却スピードは速いがあまり冷えなくなります。
τと熱抵抗の低下が両立できれば、速くてよく冷えるヒートシンクができます。両立する方法があればいいのですが... 新しい課題が見えてきました🧐

つづく

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