はじめに
Google Cloudの認定資格には一部英語のみの試験があり、これまで受験を見送っていた資格がありました。
その後、Professional Security Operations Engineer と Professional Cloud Database Engineer が日本語で受験できるようになったため、先日ついにGoogle Cloud認定資格を全冠することができました。
全資格を受けてみて感じたのは、「難しい資格」と「最初に受けるべき資格」は必ずしも一致しないということです。
また、普段どのような業務をしているかによっても、体感難易度はかなり変わります。
この記事では、実際に全資格を受験した経験をもとに、
- 各資格の難易度
- 個人的におすすめしたい資格
- 難しかった資格
- これからGoogle Cloudを学ぶ人におすすめしたい取得順
をまとめます。
※難易度・おすすめ度は、私自身の業務経験や得意分野を踏まえた主観です。
※2026年9月時点。Professional Agentic Architect(ベータ版)は対象外としています。
全資格の難易度とおすすめ度
| レベル | 資格 | 難易度 | おすすめ度 | 所感 |
|---|---|---|---|---|
| Foundational | Cloud Digital Leader | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | Google Cloudを学び始める際の取っかかりとして最適。 |
| Foundational | Generative AI Leader | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | 機械学習特有の用語について前提知識がない場合は、少し苦労する可能性あり。 |
| Associate | Associate Cloud Engineer | ★★★☆☆ | ★★★★★ | Google Cloudの主要なサービスを網羅的に学ぶのに最適。上位資格のPCAよりも出題範囲がやや広く、細かい内容も問われるため、体感として難易度の差はそれほど大きくない。 |
| Associate | Associate Google Workspace Administrator | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | Google Workspaceに特化した資格。現時点では対象者が限られるものの、今後は重要度が増していくかもしれない。 |
| Associate | Associate Data Practitioner | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | データの取り込み・変換・分析など、データ活用の基礎を学べる。業務領域によっては必要性が限定されそう。 |
| Professional | Professional Cloud Architect | ★★★☆☆ | ★★★★★ | Google Cloudの主要サービスを中心に、アーキテクチャ設計を幅広く学べる。業務で活かせる範囲も広い。 |
| Professional | Professional Cloud Database Engineer | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | Google Cloudの特徴の1つである、各種データベース・データストアについて体系的に学べる。 |
| Professional | Professional Cloud Developer | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | コンテナアプリケーションやビルド、デプロイなど、現代のアプリケーション開発で重要となる知識を体系的に学べるため、実用性は高い。 |
| Professional | Professional Data Engineer | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | データの取り込み・変換・分析基盤など、データエンジニアリング領域が中心。業務領域によっては必要性が限定されそう。 |
| Professional | Professional Cloud DevOps Engineer | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | SREやIaCなど、現代のシステム開発・運用で重要となる知識を体系的に学べるため、実用性は高い。 |
| Professional | Professional Cloud Security Engineer | ★★★★☆ | ★★★★☆ | Google Cloudを利用するうえで重要となるセキュリティ関連サービスや、その設計・利用方法を幅広く学べる。多くのGoogle Cloud利用者にとって有用な内容。 |
| Professional | Professional Cloud Network Engineer | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | VPCをはじめとしたGoogle Cloudのネットワークについて深く学べる。インフラやネットワークを担当する場合には特に役立つ。 |
| Professional | Professional Machine Learning Engineer | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | 機械学習に関する前提知識の有無が体感難易度を大きく左右する。生成AIだけでなく、従来型の機械学習に関する内容も多い。 |
| Professional | Professional Security Operations Engineer | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | 全資格の中でもかなり異色。Google Cloudそのものを学ぶ資格というより、Googleのセキュリティ製品を題材にSecurity Operationsの考え方や実践を学ぶ資格という印象。 |
個人的に難しかった資格ランキング
ここからは、実際に受験して「難しかった」と感じた資格をランキング形式で紹介します。
もちろん、普段の業務領域によって体感難易度は大きく変わると思います。
1位:Professional Security Operations Engineer
個人的には、全資格の中で最も苦戦しました。
試験問題そのものが極端に難しいというよりも、Security Operationsの業務経験がない場合、聞き慣れない概念や用語を一から覚える必要があることが大きな理由です。
Google Cloudそのものを学ぶというより、Googleのセキュリティ製品を題材に、
- Threat Hunting
- Detection Engineering
- Incident Response
- Security Operations
などの考え方を学んでいく資格という印象でした。
普段の業務領域から離れていたこともあり、かなりとっつきにくかったです。
2位:Professional Data Engineer
試験そのものの難易度が高めだと感じた資格です。
データの取り込み、加工、分析、データパイプラインなど、データエンジニアリング特有の概念や用語が多く登場します。
普段からこの領域の業務をしている人であればそれほど苦労しないのかもしれませんが、馴染みがない場合は少しとっつきにくい資格だと思います。
3位:Professional Cloud Network Engineer
やはりネットワークは難しいです。
一般的なネットワークの知識に加えて、Google Cloud特有のネットワークサービスや設計についてもかなり細かく問われます。
VPCやロードバランサ、Cloud VPN、Cloud Interconnectなど、Google Cloudのネットワークを体系的に理解するという意味では非常に勉強になりました。
4位:Professional Machine Learning Engineer
他のGoogle Cloud資格とは少し毛色が違います。
Google Cloudのサービスを覚えるだけではなく、機械学習そのものの考え方を理解していることが前提となる問題が多い印象でした。
生成AIだけではなく、従来型の機械学習についても幅広く問われるため、機械学習に馴染みがない場合は難易度が高く感じると思います。
5位:Professional Cloud Security Engineer
セキュリティも、やはり難しい分野です。
IAMをはじめ、暗号化、ネットワークセキュリティ、ログ、組織ポリシーなど、Google Cloudのセキュリティサービスについて比較的細かい部分まで問われます。
一方で、Google Cloudを業務で利用していくのであれば避けて通れない内容も多く、難易度は高めですが学習する価値も高い資格だと思います。
おすすめする資格取得順
では、これからGoogle Cloudを使い始める人が資格を通して学習していく場合、どの順番で取得するのがよいでしょうか。
個人的には、以下の順番がおすすめです。
Cloud Digital Leader
↓
Associate Cloud Engineer
↓
Professional Cloud Architect
↓
Professional Cloud Developer
↓
Professional Cloud DevOps Engineer
↓
Professional Cloud Security Engineer
1. Cloud Digital Leader
まずはGoogle Cloud全体のサービスや考え方を広く浅く理解します。
技術的に深い内容までは問われないため、Google Cloudをこれから学び始める人にはちょうどよい資格です。
2. Associate Cloud Engineer
次におすすめしたいのがAssociate Cloud Engineerです。
Compute Engine、Cloud Storage、VPC、IAMなど、Google Cloudを利用するうえで中心となるサービスについて幅広く学習できます。
個人的には、Google Cloudを技術者として学ぶのであれば最もおすすめしたい資格です。
3. Professional Cloud Architect
Associate Cloud Engineerで身につけた各サービスの知識をもとに、今度はそれらをどのように組み合わせてシステムを設計するのかを学びます。
Google Cloudを使ったシステム設計に関わるのであれば、取得しておいて損はない資格だと思います。
4. Professional Cloud Developer
ここからは少し専門領域に入ります。
コンテナやアプリケーション開発、ビルド、デプロイなど、現在のクラウドネイティブなシステム開発では避けて通れない内容を体系的に学ぶことができます。
5. Professional Cloud DevOps Engineer
SRE、CI/CD、IaC、モニタリングなど、システムを継続的に開発・運用していくための考え方を学べます。
Cloud Developerとあわせて学習することで、アプリケーションの開発から運用までの理解がかなり広がります。
6. Professional Cloud Security Engineer
最後にSecurityです。
Google Cloudを業務で利用する以上、IAMやセキュリティ設計についての理解はほぼ必須になります。
ここまで取得すれば、Google Cloudを使ってシステムを設計・構築・運用していくために必要となる主要な知識は、かなり幅広く身につくと思います。
逆に言えば、全冠を目指しているわけでなければ、ひとまずここまで取得すれば十分だと思います。
Generative AI LeaderやDatabase、Network、Data、Machine Learningなどについては、自分の業務や興味のある分野に応じて追加で取得していくのがよいでしょう。
まとめ
Google Cloudの認定資格は、Google Cloudのサービスや考え方を体系立てて学ぶ手段として非常に有効だと感じています。
特に、
Cloud Digital Leader
↓
Associate Cloud Engineer
↓
Professional Cloud Architect
↓
各専門資格
という順番で学習していくことで、それまでに身につけた知識をベースにしながら次の資格に進むことができます。
もちろん、資格を取得したからといって、すぐに実務で何でもできるようになるわけではありません。
それでも、試験勉強を通してサービスの存在や使いどころを知っていることは、実際に設計や構築をする際にも大きな助けになると思います。
蛇足:資格取得について思うこと
Google Cloudに限らず、資格取得に対して、
- 「資格を取っても意味がない」
- 「所詮はバッジでしかない」
といった否定的な意見を聞くことがあります。
特に、ある程度経験を積んだエンジニアほど、そう考える人も多いかもしれません。
ただ、個人的には資格取得には、
- 知識を体系立てて学ぶことができる
- 普段の業務では触れない分野を学ぶきっかけになる
- 「知っている」「聞いたことがある」という知識の引き出しを増やせる
という大きなメリットがあると感じています。
そしてこれは、若手や新人だけではなく、ある程度経験を積んだエンジニアにとっても大きなメリットがあると思っています。
これまでの業務で得た前提知識や経験がある分、新しく学んだ内容を既存の知識と結びつけることができます。
「あのシステムで使っていた仕組みは、Google Cloudならこれで実現できそうだな」
「昔苦労したあの設計は、今ならこのサービスを使えばもっと簡単にできそうだな」
といった具合に、単純に新しい知識を1つ覚えるだけではなく、これまでの経験とつながることで知識が大きく広がっていきます。
私自身、資格取得を通してそのメリットをかなり感じました。
エンジニアである以上、これからも新しいことを学び続けていきたいものです。