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突然ですが、皆さん「葛飾 北斎」を知っていますか?

おそらく、歴史の授業で出たりして知っている方も多いと思いますが、ここで簡単なプロフィールを紹介します。

葛飾 北斎(かつしか ほくさい)

  • 江戸時代後期の日本の浮世絵師
  • 生没年:1760年~1849年(この時代に90歳まで生きたご長寿!)
  • 出身地:江戸(現在の墨田区生まれ)
  • 代表作:「富嶽三十六景」「北斎漫画」など

圧倒的な画力と奇想天外なアイディアで数々の名作を生み出してきた天才絵師「葛飾 北斎」は、1999年にアメリカの『LIFE』誌が発表した「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に、日本人として唯一選ばれ、近年もなお注目を集めている人物です。

そんな彼から、今回は学びを得ていこうと思います。

VUCA時代

葛飾 北斎がいた頃から約200年後の現代、テクノロジーの進化によって、あらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増し、将来の予測が困難な状況にあることから 「VUCA(ブーカ)時代」 と呼ばれています。

ご存知の方も多いとは思いますが、「VUCA」とは一言でいうと「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味します。以下の4つの単語の頭文字をとった造語です。

V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)

ここから、いくつかピックアップして話をしていきます。

Volatility(変動性)

最初の 「Volatility(変動性)」 とは、変化のスピードが速くその幅も大きいことを指します。

現代のビジネス環境では、従来では考えられないほど急激な変化が日常的に起こっています。
例えば、株価の急激な変動は典型的な例です。コロナショック時には世界の株式市場が短期間で大幅に下落しましたが、その後わずか数ヶ月で急回復を見せました。このような激しい上下動は、投資家だけでなく企業の資金調達や事業計画にも大きな影響を与えます。

さらに、消費者ニーズにおいても近年急変がありました。
パンデミックにより在宅勤務が一気に普及し、オンライン会議ツールやデリバリーサービスの需要が爆発的に増加しました。一方で、従来のオフィス需要や出張関連サービスは急速に縮小するなど、短期間での劇的な市場変化が起こりました。

Uncertainty(不確実性)

2つ目の 「Uncertainty(不確実性)」 は、将来何が起こるかが予測できない状態を指します。

現代では、これまでの経験や統計データでは予測困難な出来事が頻繁に発生しています。
例えば、ウクライナ情勢の悪化により、エネルギー価格が急騰し、世界的なインフレを引き起こしました。
さらに、新型コロナウイルスの流行や、地球温暖化に伴う気候変動や異常気象、台風や地震といった災害など、予測が困難な事象が次々と起こっています。

また、生成AIの急速な普及も不確実性の大きな要因となっています。
ChatGPTをはじめとする生成AIの登場により、多くの職種で業務の自動化が現実的になりましたが、雇用への影響がどの程度になるのか、社会全体にどのような変化をもたらすのかは、まだ誰にも分からない状況です。

そして、まもなく人間の平均寿命が100歳位になっていく「人生100年時代」が到来します。
定年は引き上げられ「70代後半~80歳」になるとされています。
何が起こるか予測できないこの世の中で、待ち受ける長い長ーい「キャリア」。

皆さんはどう生き抜いていきますか?

未来を切り拓くために

ここで一つ、私が考える、「未来を切り拓くため」のポイントお伝えさせて頂きます。
それは 「フレームワークにとらわれない意思決定をし、イノベーションを起こすこと」です。

「意思決定」で必要なことは「自分の頭で考えること」です。
そして、「イノベーション」とは「既存のものに新しい技術を取り入れ、新しい価値や考え方を創造すること」です。

つまりは、自分の頭で考え、新しい技術を取り入れて「新しいやり方」で行動を起こすこと」が、これからの未来に必要な「キーワード」になってくるのではないかと思っています。

葛飾 北斎から私たちが学ぶもの

この「イノベーション」を葛飾 北斎は実現しています。(ようやく話が戻って来ました)

彼は幼いころから絵を描くことに熱中し、十代の終わりに、ある師匠のもとに入門し、絵師となりました。
しかし、その好奇心に富む性格から、師の模倣に飽き足らず、内緒で狩野派や洋画を学び、ついには破門されてしまいました。

この時代、一人の師匠をもったら、その後、他の師匠から学ぶことや他の流派に属することは禁じられていました

しかし、その後も彼の絵に対する情熱はかえって高まっていく一方で、他の流派に属した後は40歳で独立した絵師となり、ゆくゆくは彼がてがけた作品は大流行し、数々の名作を残すこととなりました。

一つの流派しか持てないルールがある世の中で、自分の絵を磨きつづけるために、ルールを破ってでも他の流派や画風を学び、ひいては200年後の今も世界中の人から称賛される作品を作った。
まさに彼は「イノベーション」を起こしたと言えるのではないでしょうか。

ちなみに、有名な「冨嶽三十六景」シリーズは、葛飾北斎が60代後半から70代前半で制作したものです。そして、70代の時にこのような言葉を残しています。

私は6歳より物の形状を写し取る癖があり、50歳から数々の画図を描いてきた。
とは言っても、70歳までに描いた物は本当に取るに足らない物だ。
73歳になって、少し動植物の骨格や生まれと造りを知ることができた。
ゆえに、86歳になればますます腕が上達し、90歳には奥義を究め、100歳には本当に神妙の域に達するであろうか。
100歳を超えれば、私が描く一点はひとつの命を得たかのように生きた物になるだろう。
このような私の言葉が世迷い言などではないことを、長寿の神には、ご覧いただきたく願いたいものだ。

70歳になっても、もっともっとすごい画家になろうとしていたのは驚きです。
この年齢関係のない上昇志向・貪欲さは、エンジニアとして学ぶべきものがありますね。

まとめ

今回は主に歴史の領域から、ビジネスにつなげていく話をさせていただきました。

複雑な現代社会を生き抜くために、こういった歴史や哲学、自然科学などの幅広い領域から教養を得ることは、「リベラルアーツ」教育と呼ばれています。ビジネスパーソンの必要なスキルとして、昨今、各社教育や研修に取り入れはじめているようです。

そして、「リベラルアーツ」は範囲が広いので、無限に学べます(笑)

学生の時に「これが何の役にたつんだろう」と思って、めんどくさがって学んでいた、歴史や地理、芸術の授業は、もしかしたらビジネスやエンジニアの仕事につながる話になるのかもしれないと、私は今、これを書きながら思ったりしています。

以上、ここまでご覧いただきありがとうございました。

参考文献

・「グロービス経営大学院「将来の漠然とした不安の正体と、取り除くための3つの方法」https://mba.globis.ac.jp/careernote/1022.html
・「アダチ版画研究所「違いがわかると浮世絵はもっと面白い!特別展「北斎」で肉筆画と版画を見比べてみよう」https://www.adachi-hanga.com/hokusai/page/know_37
・「和樂web「葛飾北斎の魅力と代表作を徹底解剖!」https://intojapanwaraku.com/rock/art-rock/1100/
・「刀剣ワールド浮世絵「浮世絵師葛飾北斎の生涯」」https://www.touken-world-ukiyoe.jp/ukiyoe-artist/katsushika-hokusai/
・「ドコモgacco「リベラルアーツ思考ビジネスプログラム」」https://gacco.co.jp/service/liberalarts/

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