Synology(シノロジー)とは何か?
最近よく聞く「Synology(シノロジー)」ですが、名前だけではピンとこない人も多いと思います。
一言でいうと――
Synology は、自宅やオフィスに“自分専用クラウド”をつくれる機械(NAS)を作っている会社です。
「NAS(ナス)」という言葉が難しそうですが、実はすごくシンプルです。
■ NAS(ナス)=自分だけのクラウドストレージ
普段、スマホやパソコンのデータを「Google ドライブ」「iCloud」などに保存しますよね?
あれはクラウドですが、Synology の NAS を使えば…
✔ 自分の家にクラウドを作れる
✔ データを外に預けずに安全に保存
✔ 家の中でも外出先でもアクセスできる
✔ みんなで共有も可能
✔ ずっと使えるので容量課金もなし
という “プライベートクラウド” を作れるのが特徴です。
■ Synology が人気の理由
① とにかく使いやすい
電源を入れてブラウザからアクセスするだけで設定できます。
初心者でも迷わない UI が魅力。
② データを安全に守れる
Synology の NAS は「RAID」という仕組みで、
HDD が1台壊れてもデータを失わないようにできます。
クラウドよりも 自分で管理できる安心感 が大きい。
③ アプリが豊富
写真整理、動画保存、ファイル共有、バックアップ、AI解析など
「アプリを追加してできることを増やす」感覚で使えます。
スマホのアプリ感覚なので初心者にも扱いやすい。
④ 世界シェアトップレベル
Synology は NAS の代表的メーカーで、全世界にユーザーがいます。
情報も多く、困ったときに調べやすいのもポイント。
■ Synology で何ができるの?
難しいことを抜きにして言うと、このへん全部できます👇
写真や動画をまとめて保存
パソコン・スマホの自動バックアップ
家族・会社でのファイル共有
外出先からもアクセス
音楽・映画を NAS にためてストリーミング
防犯カメラの録画サーバー
Webサイトの公開
AI(ChatGPTなどのAPI)と連携した自動化
特に最近は、
“データはローカルでしっかり守りつつ、AIだけ外部APIで使う”
という使い方が人気です。
■ Synology を使うメリット
大事なデータをクラウドに置かなくて済む
自分の家がデータセンターになる
容量追加は HDD を買えば OK(サブスクなし)
仕事にもプライベートにも使える
一度セットアップすれば数年ほぼノーメンテで動く
■ Synology は「自分専用のクラウドを作れる便利な箱」
Synology は難しそうに見えて、実はとても実用的で簡単です。
クラウドの便利さ + ローカル保存の安心感
この両方を手に入れられるのが Synology の最大の魅力。
データを守りたい人、家族の写真を整理したい人、
研究データや仕事の資料を安全に保存したい人にも向いています。
特に DS223j のようなエントリーモデルは、
「初めてNASを買う人」にぴったりの1台です。
Synology NAS「DS223j」を買ってみた
― ローカルでデータを守りながら、生成AIや SQL も活用できる環境づくり
研究用データを扱う機会が増え、
「大事なデータはクラウドには置きたくない。でも便利さも欲しい…。」
という課題が出てきました。
そこで今回、**Synology のエントリー NAS「DS223j」**を購入してみました。
実際に触って分かったことや、今後の利用方針、さらに NAS で使えるおすすめの SQL データベース についても紹介します。
■ DS223j を買った理由
● 1. 自宅に“自分専用クラウド”を作れる安心感
Synology NAS は、
自分の家にクラウドを作れる
データはローカルに保存
ネット越しでもアクセスOK
RAID1 で1台壊れても復旧可能
という「便利さ+安全性」を両立できるのが魅力。
研究案件のデータは外部クラウドに置きたくないことが多いため、
ローカル保存が前提の Synology はピッタリでした。
件のデータは外部クラウドに置きたくないことが多いため、
ローカル保存が前提の Synology はピッタリでした。
● 2. DS223j はライトユーザー向けで扱いやすい
クアッドコア CPU
1GB メモリ
静かで省電力
2 ベイで RAID1 可能
「まずは NAS を始めてみたい」という人にも最適で、
研究用ストレージにも丁度いいスペックです。
● 3. 最新の生成AIと組み合わせやすい
Synology には Python や Node.js をインストールできるため、
ChatGPT
Gemini
Claude
Llama API
HuggingFace API
などを NAS から直接叩くことができます。
✔ ローカルにある研究データはそのまま
✔ AI には必要な部分だけ API で送る
✔ ハイブリッド型の安全運用ができる
これが今回の最大の購入目的でした。
■ 実際に DS223j でできること
● ローカルに研究データを安全に保管
写真、PDF、ログデータ、アノテーションデータなどを
まとめて NAS に保管できます。
● 自動バックアップ
PC・スマホを NAS が毎日バックアップしてくれます。
● 外出先から安全アクセス
VPN や QuickConnect を使えば、
自宅の NAS にあるデータへいつでもアクセス。
● AI × NAS の自動化
データの自動要約
研究ノートの整理
OCR でテキスト抽出
AI による定期レポート生成
などが可能になります。
■ そもそも「データベース」とは何か?
NAS を使い始めると、ファイルを保存するだけでなく
「もっと効率よく情報を整理したい」
という場面が出てきます。
そこで役に立つのが データベース です。
● データベース=情報を表で整理してくれる“データの棚”
データベースは、一言でいうと
大量の情報を、探しやすく・管理しやすくするための仕組み
です。
例えば
実験ログ
研究データの属性
ファイルのタグや説明
アノテーション情報
AI 処理の履歴
こういった「小さなデータ」や「数値・文字の情報」を
きれいに表(テーブル)の形で整理できます。
Excel のように行と列で整理できるイメージですが…
✔ 何万件あっても高速に検索できる
✔ 自動で分類・保存ができる
✔ 他のアプリ(AI や Python)からも読み書きできる
✔ 情報が増えても崩れにくい
という点が データベースの強み です。
■ 研究 × AI × NAS と相性が抜群
Synology NAS にデータベースを入れておくと、
NAS に保存したデータに関する説明を SQL に登録
AI が SQL を読み取って処理内容を判断
Python スクリプトで SQL → AI → 解析結果を保存
毎日の自動レポート生成
という 研究自動化の大きな基盤 になります。
NAS は常時稼働するので、
24時間ずっとデータ管理や AI 処理のハブとして機能します。
● DS223j でも SQL は扱える
DS223j はエントリー機ですが、
小〜中規模の研究データ管理
AIワークフローのログ保存
個人・小規模チームのデータ管理
なら十分対応できます。
そこで次に、
**Synology NAS で扱いやすい「おすすめ SQL データベース」**を紹介していきます。
■ DS223j で使える「おすすめ SQL データベース」
NAS を使い始めると、ファイル保存だけでなく
**「データベースを一緒に動かしたい」**という場面も出てきます。
研究データの管理、ログの記録、AI 自動処理との連携など、
SQL データベースがあると一気にできることが広がります。
Synology NAS では「パッケージセンター」から
簡単に SQL データベースを追加できるため、
実験データの整理
メタ情報(タグ・属性・日時など)の保存
AI が読みやすいデータ形式での管理
Web アプリやツールの裏側として利用
バッチ処理のデータ置き場
といった用途に非常に便利です。
特に DS223j は軽量な処理と相性が良く、
小〜中規模の研究データ管理には十分な性能を持っています。
ここでは Synology で扱いやすく、DS223j と相性の良い SQL データベース を、
初心者でも選びやすいように分かりやすくまとめて紹介します。
■ DS223j で使える「おすすめ SQL データベース」
Synology では パッケージセンターから SQL データベースを導入できます。
研究用途でも使いやすいデータベースを簡単にまとめました。
★ 1. MariaDB(おすすめ)
Synology で最も使われている SQL です。
✔ 軽くて高速
✔ MySQL とほぼ互換
✔ WordPress などとも相性が良い
✔ DS223j のようなエントリーモデルでも動きやすい
研究データのメタデータ管理にも十分使えます。
★ 2. PostgreSQL(精度が重要な研究用途に)
より高度なデータ処理をしたい場合はこちら。
✔ 高精度の数値演算
✔ 複雑なデータ型に強い
✔ 大規模データも安定して扱える
✔ 科学技術系の研究と相性が良い
機械学習の前処理や、実験ログ管理などにも向いています。
※ Synology パッケージはモデルによって対応状況が異なるため、必要なら Docker 対応モデル(DS223 以上)も選択肢になります。
★ 3. SQLite(軽量でスクリプトと相性◎)
Python で小規模データを扱うならこれ。
✔ セットアップ不要
✔ 1ファイルで完結
✔ 軽くて扱いやすい
✔ AI × NAS 自動化スクリプトに最適
AI との自動処理でログ管理する時に便利です。
■ DS223j × SQL × AI の組み合わせ例
● 研究データ管理
NAS に保存したデータのメタ情報を MariaDB に記録。
● 夜間自動処理
NAS のタスクスケジューラで毎晩スクリプトを実行 →
SQL からデータ読み込み → AI に解析させる。
● 結果レポート生成
朝、NAS がメールでレポートを自動送信。
● AI によるデータ分類
NAS にアップした瞬間に
「AI が自動分類→SQLに登録」というフローも作れます。
■ DS223j を買ってみたまとめ
◎ 良かった点
ローカル保存で研究データが安全
SSD/HDD を増やせば容量の心配がない
AI API と組み合わせて“研究自動化”ができる
アプリが豊富で拡張性が高い
SQL データベースも導入できる
△ 気になる点
メモリ1GBなので重い DB や Docker は厳しい
本格的に SQL + AI を組み合わせるなら DS223 以上もアリ
とはいえ ローカル保管+AI活用のスタートラインとしては最適 です。
■ 結論
「DS223j」は、
データをローカルに安全に置きつつ、AI を柔軟に使いたい人に非常に向いている NAS でした。
研究データの保護
AI による自動処理
SQL を使ったデータ整理
これらを自宅でまとめて構築できる点が本当に便利です。
NAS の入門として買ってよかったと感じています。
今後は AI と SQL をもっと組み合わせて、
研究の自動化環境を整えていく予定です。
■ DS223j と n8n を連携するなら「外部サーバーで動かす」のが最適解
最後に、NAS と AI の自動化をより強力にするためのツールとして
ワークフロー自動化ツール「n8n」 について触れておきます。
n8n は ChatGPT などの生成AI、各種 API、データベース、スクリプトを
ノーコードでつなげられる強力なオートメーションツールです。
ただし DS223j はエントリーモデルのため、
n8n を直接 NAS 本体で動かすにはスペックがやや心もとない部分があります。
そんなときにおすすめなのが、
🔵 外部サーバー(VPS や PC、クラウド版 n8n)で動かして、NAS と連携する方法
実際、多くのユーザーがこの構成を採用しています。
外部サーバーで n8n を動かし、
NAS とは WebDAV / API / SQL / SSH などでつなぐというスタイルです。
この方法には大きなメリットがあります。
■ この方法のメリット
● ① DS223j に負荷をかけない
NAS はストレージとして安定稼働し、
n8n は外部のサーバーが担当するので、役割分担が明確です。
● ② 常にサクサク動く
外部サーバーの CPU・メモリを使えるので、
重めのワークフローや AI 連携も高速に処理できます。
● ③ セットアップが簡単
・VPS(ConoHa、さくら、Lightsail など)
・自宅PCや古いノートPC
・n8n Cloud(公式)
いずれも数分でセットアップが可能です。
● ④ NAS のデータを安全に扱える
NAS 側はローカルにデータを置いたまま、
n8n から必要なデータだけ安全に読み書きできます。
“データは手元に”“AIは外部APIで活用”
という安全な構成にマッチしています。
■ どんな連携ができる?
● AI × NAS × n8n の強力な自動化
たとえばこんなワークフローが作れます。
NAS に入った研究データを検知
必要部分だけ ChatGPT API に送って解析
結果を MariaDB に保存
毎朝メールで結果レポート通知
ファイルを内容ごとに自動分類
これらがボタン一つ(または自動)で動きます。
● NAS 内の SQL と連携
n8n → NAS の MariaDB / PostgreSQL に接続し、
データ管理
タグ管理
AI の解析結果保管
自動集計
なども可能です。
■ DS223j を中心にした「研究自動化環境」はこう完成する
今回の DS223j の購入目的である
ローカルでデータを守る
AI は必要な部分だけ安全に API で活用する
SQL で情報を整理しながら自動化を進める
という構成は、
DS223j(データの保管)+ n8n(自動化)+ AI API(解析)
という三位一体の仕組みでさらに強化されます。
特に外部サーバーで n8n を動かす方法は、
DS223j のスペックを無理に使わず、
安定性と柔軟性を両立できるベストな選択肢になります。
■ 最後に:DS223j は“ローカルデータ×AI活用”の理想的な土台になる
DS223j はエントリーモデルでありながら、
研究データの保護・AI の活用・SQL による情報整理を
一つの環境でまとめて扱える非常にバランスの良い NAS です。
そして、自動化をさらに一歩進めたい場合は、
今回紹介した 外部サーバー+n8n との組み合わせが非常に効果的です。
これにより、
データはローカルでしっかり守り
AI は最新モデルを柔軟に使い
自動化は n8n が担い
NAS は安定したストレージとして稼働する
という、理想的な研究・業務環境が完成します。
DS223j をきっかけに、
AI・SQL・自動化を積極的に取り込みながら、
より効率的な研究環境へ進化させていければと思います。
■ おまけ:n8n を VPS で動かしてみたい方へ(外部記事の紹介)
ここまで紹介したように、
DS223j と n8n を組み合わせることで、
“ローカルデータ × AI × 自動化” の強力な環境が完成します。
そして、n8n の運用で特に安定しているのが VPS(サーバー)上での稼働です。
DS223j 本体の負荷を抑えたい
外部サーバーの安定した CPU / メモリ を使いたい
24時間自動化ワークフローを動かしたい
Docker 版 n8n をしっかり動かしたい
という方は、VPS で n8n を動かす構成が最適です。
もし「具体的な手順を知りたい」「低コストで VPS を始めてみたい」という方は、
以下の Qiita 記事がとても参考になります。
👉 Xserver VPS(Ubuntu 22.04)で n8n を動かす手順まとめ(Qiita)
https://qiita.com/TaichiEndoh/items/e948fd427964262a7f5d
この記事では、
VPS の申し込み
リモート開発環境の構築
Docker を使った n8n のセットアップ
実際に稼働させるまでの流れ
がていねいにまとめられており、
初めて VPS を触る方でも一歩ずつ試せる構成になっています。
n8n を外部サーバーで動かすと、
DS223j のストレージ環境と相性抜群で、
AI とデータベースと自動化を柔軟に扱えるようになります。
興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
あなたの DS223j 環境が、さらにパワーアップするはずです。