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【Salesforce】開発者コンソールはどこへ? Winter '27での復元方法とWeb Consoleでのログ確認

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fig_00_hero.png

はじめに

いつものようにデバッグログを見ようとして、Salesforceの歯車メニューを開きました。
ところが、いつもの「開発者コンソール」が見当たりません。代わりに 「Web コンソール」 という見慣れない項目があります。

「ログをちょっと確認したかっただけなのに、どこから操作すればいいの…?」

同じ状況で手が止まった方も多いと思います。調べてみると、これは Winter '27 で Web コンソール が新たな開発ツールとして一般提供され、表示される開発ツールの既定設定が変わった ことによるもので、従来の開発者コンソールが削除されたわけではありませんでした。

この記事では、次の3点を操作手順中心に整理します。

  1. 開発者コンソールが見つからなくなった理由
  2. 従来の開発者コンソールを歯車メニューに戻す方法
  3. 新しい Web コンソール でデバッグログを取得・確認する方法

Web コンソールの機能をすべて紹介する記事ではありません。「デバッグログを見たい」という目的に絞っています。

確認時点:2026年10月17日
Salesforce の公式ドキュメント(Web Console Developer Guide、Salesforce Developers Blog、Salesforce Help)を中心に確認しています。リリースの展開状況や画面の文言は組織によって異なる場合があるため、実際の画面とあわせてご確認ください。
※本記事は個人の整理メモです。記事内の図は公開情報をもとに筆者が独自に作成したものであり、Salesforce 公式の資料ではありません。

表記について: 本記事では日本語画面に合わせて「Web コンソール」と表記します。公式資料のタイトル、英語UIの操作名、コマンド、コード、URLは原文のまま記載します。

第1章:開発者コンソールはどこへ行った?

image.png

fig0_menu_change.png

開発者コンソールと Web コンソールの関係

開発者コンソール(Developer Console) Web コンソール
位置づけ 従来からある組み込み開発ツール Winter '27 から推奨される新しい開発ツール
中身 Salesforce独自のUI VS Code for Web をベースにしたブラウザIDE
インストール 不要 不要(組織に組み込み)
Winter '27 での扱い 引き続き利用可能(設定で表示を切り替え) 一般提供(GA)。管理者権限を持つユーザーは既定で有効

Web コンソール は、Salesforce が「開発者コンソールに代わるモダンな選択肢」として提供している、ブラウザ上で動く IDE です。2026年4月にベータとして公開され、2026年9月に一般提供(GA)が発表されました。

👉 Winter '27 での Web コンソール は Beta ではなく GA です。ベータ期間中の記事やスクリーンショットと画面が違うことがあるので注意してください。

何が変わったのか

Winter '27 の設定画面では、開発ツールの表示を次の2つのスイッチで切り替えられます([設定]→[開発]→[Web コンソール])。

  • Web コンソールを有効化(英語:Enable Web Console)
  • 開発者コンソールを有効化(英語:Enable Developer Console)

Web コンソール が有効(Active)な組織では、開発者コンソールが歯車メニューに既定では表示されません。これが「開発者コンソールが消えた」ように見える理由です。

fig1_two_toggles.png

整理すると次のとおりです。

Web コンソールを有効化 開発者コンソールを有効化 歯車メニューに出るもの
Active Inactive Web コンソールのみ
Active Active Web コンソールと 開発者コンソール の両方
Inactive Active(既定) 開発者コンソール(従来どおり)

廃止されたわけではない

ここが一番伝えたいポイントです。

  • 開発者コンソールは 非表示になっただけ で、設定で再表示できます
  • 確認時点で、開発者コンソールの 提供終了日(リタイア日)は公式に案内されていません
  • 両方のスイッチを Active にすれば、Web コンソールと開発者コンソールを 併用 できます

👉 「Web コンソール への移行が必須になった」わけではありません。慣れるまでは両方使える状態にしておく、という選択も可能です。

環境・権限による違い

同じ Winter '27 でも、見え方が組織によって異なることがあります。

  • 組織の状態による違い:GA の案内では、Web コンソール が有効な組織では開発者コンソールは既定で表示されず、必要に応じて Enable Developer Console を有効にする形とされています。ただし、アップグレード後も歯車メニューに開発者コンソールが残っていた、という報告もあります。リリースの展開タイミングや組織の設定によって差があるため、まずは自分の組織の[Web コンソール]設定ページを確認するのが確実です
  • スイッチを変更できるのは管理者:一般ユーザーが自分だけ Web コンソール を無効にしたり、既定のツールを切り替えたりすることはできません
  • Web コンソールの利用に必要な権限:Web Console User と View All Data(すべてのデータの参照)。組織で API アクセス制御を有効にしている場合は Use Any API Client も必要です
  • 本番組織では Apex は読み取り専用:Web コンソール で本番組織の Apex を開いても、直接編集はできません

Government Cloud をお使いの場合
Web コンソール は確認時点で Government Cloud 環境では提供されていません(Web コンソールの FAQ より)。また、Winter '27 の GovCloud Preview Sandbox では、開発者コンソールと Web コンソールのどちらも表示されない既知の問題(W-24041529)が公開されています。この環境では[Web コンソール]設定自体が存在しないため、次章の手順は使えません。既知の問題ページでは、回避策として「Salesforce Classic に切り替えてユーザーメニューから開発者コンソールを開く」「My Domain の URL に /_ui/common/apex/debug/ApexCSIPage を付けて直接開く」が案内されています。

View All Data は、共有設定に関係なく組織内のすべてのレコードを参照できる強い権限です。Web コンソール を一般の開発者に開放する際は、付与範囲を慎重に検討してください。

第2章:従来の開発者コンソールを復元する方法

fig2_restore_steps.png

前提:この操作は システム管理者 が行います。

手順

  1. 歯車アイコン →[設定]を開きます
  2. 左上の[クイック検索]に Web と入力します
  3. [開発]→[Web コンソール]を開きます
  4. [Web コンソール設定]で次のスイッチを確認します
    • Web コンソールを有効化(英語:Enable Web Console)
    • 開発者コンソールを有効化(英語:Enable Developer Console)
  5. 開発者コンソールを有効化 を 有効(オン) に切り替えます
    • Web コンソール も使い続けたい場合は、Web コンソールを有効化 もオンのままにしておきます
  6. 設定画面を閉じて、ブラウザでページを再読み込み します
  7. 歯車メニューを開き、[開発者コンソール] が表示されていることを確認します

image.png

image.png

メニューにすぐ出てこないとき
歯車メニューの項目は、設定変更後に反映されるまで数秒かかることがあります。いったん設定を閉じて再読み込みしてみてください。

うまくいかないとき

症状 確認すること
[Web コンソール]ページがクイック検索に出てこない 自分がシステム管理者か。GovCloud Preview Sandbox などの対象外環境ではないか
スイッチを Active にしたのに表示されない ページを再読み込みしたか。ブラウザのキャッシュをクリアしても同じか
管理者以外のユーザーで表示されない 開発者コンソールの利用に必要な権限(API Enabled と View All Data。匿名 Apex 実行には Author Apex も必要)が付与されているか

開発者コンソールが表示されれば、デバッグログの確認もこれまでどおり[Logs]タブや[Debug]→[Change Log Levels]から行えます。

第3章:Web コンソール でデバッグログを取得・確認する

ここからは、新しい Web コンソール でデバッグログを確認する方法です。
開発者コンソールに慣れている人ほど「ログタブはどこ?」と戸惑うポイントなので、流れを先に押さえておきます。

fig3_webconsole_log_flow.png

👉 一番のポイントは、Web コンソール でデバッグログを記録するには、対象ユーザーのトレースフラグを設定する ことです。ログが取得できない場合は、まずトレース状態を確認してください。開発者コンソールでは画面を開いているだけでログが取れていた感覚があるかもしれませんが、Web コンソール ではまずトレースを開始します。

3-1. Web コンソール を開く

  1. 歯車アイコン →[Web コンソール]をクリックします
  2. Web コンソール(VS Code に似た画面)が開きます

画面の各部の役割はざっくり次のとおりです。

領域 役割
エクスプローラー(左) DX プロジェクト構成でファイルを一覧表示
エディタ(中央) Apex やスクリプトを編集
パネル(下) 出力・Debug Console など
ステータスバー(最下部) プロジェクト情報と トレース状態 を表示

なお、Web コンソール にはターミナル(コマンドライン)はありません。操作はコマンドパレットやメニューから行います。

3-2. トレースフラグを作成する

  1. 画面最下部のステータスバーにある No Tracing にマウスを重ねます
  2. 表示されたメニューから Create trace flag for current user を選択します(2026年10月17日に日本語組織の画面で確認した表示)
  3. traceLogs.json が開き、自分のユーザーのトレースフラグが追加されます。ステータスバーに Tracing until ... と表示されればトレースが有効です

image.png

同じメニューには Add trace for another user(Users 欄に表示される別ユーザーのトレース追加)と Full trace flag details(詳細表示)もあります。今回のように自分の処理を追う場合は、最初の Create trace flag for current user を使います。

※公式ガイドでは Create trace flags for the current user という複数形の表記が使われています。画面上の文言に差がある場合は「current user のトレースフラグを作成する」項目を選んでください。

トレースフラグとログレベルの設定は traceLogs.json というファイルに保存されます。ログの詳細度(デバッグレベル)を変えたい場合は、このファイルを開き、debugLevelName の前に表示される [Change] をクリックして変更します。

デバッグレベルを細かく(FINEST など)するほど情報は増えますが、ログが大きくなります。1件のデバッグログの上限は 20MB で、超えると古いログ行(以前の System.debug の出力など)が削られてサイズが縮小されます。削られる行はログの先頭に限りません。見たい出力が欠けていたら、デバッグレベルを下げて取り直してください。

3-3. 処理を実行する(匿名 Apex の例)

ログを出すには、トレース中に Apex を動かします。ここでは匿名 Apex で System.debug を出力してみます。

  1. コマンドパレットを開きます(Windows/Linux:Ctrl+Shift+P、macOS:Shift+Cmd+P)。ブラウザのショートカットと競合する場合は F1 でも開けます
  2. SFDX: Create Anonymous Apex Script を実行し、ファイル名と保存先を指定します(既定では scripts フォルダ)

image.png

  1. 作成されたファイルに次のコードを書きます
System.debug('Hello Web Console');
Integer accountCount = [SELECT COUNT() FROM Account];
System.debug('Account count: ' + accountCount);
  1. エディタ上で右クリックし、SFDX: Execute Anonymous Apex with Currently Open Editor(スクリプト全体を実行)を選択します
    • 一部だけ実行したい場合は、範囲を選択して SFDX: Execute Anonymous Apex with Editor's Selected Text を使います
    • コマンド名はバージョンにより異なることがあります(古い資料では ... with Editor Contents / ... with Currently Selected Text)

画面操作(レコード保存でトリガが動く、など)で発生したログも、トレース中であれば取得できます。その場合は匿名 Apex の代わりに、別タブで Salesforce の画面を操作してください。

3-4. ログを確認する

匿名 Apex を実行した場合:

  1. 下部パネルの Debug Console に実行結果が表示されます
  2. 表示されたメッセージの [Open Log] をクリックすると、Debug Log Viewer(Log Viewer) でログが開きます
    image.png

あとから見返す場合:

  1. エクスプローラーで DX プロジェクト内の .sfdx/tools/debug/logs フォルダを開きます(環境や資料の表記によって見え方が異なる場合があります)

    • ※ドットで始まるフォルダのため、エクスプローラーの設定によっては表示されないことがあります。
  2. ログファイルをクリックすると Log Viewer で開きます

image.png

画面操作などで発生したログは、Web コンソール が 既定で30秒ごと に取得します。取得間隔は Web コンソールの Settings で変更できます。

30秒待たずにすぐ取得したいときは、コマンドパレットから SFDX: Get Apex Debug Logs を実行します。

ログを開いたら、USER_DEBUG を検索すると System.debug の出力を見つけやすいです。

開発者コンソールとの対応表

やりたいこと 開発者コンソール Web コンソール
ログ取得の開始 コンソールを開くと自動で開始(レベル変更は[Debug]→[Change Log Levels]) ステータスバー「No Tracing」→ Create trace flag for current user
匿名 Apex 実行 [Debug]→[Open Execute Anonymous Window] コマンドパレット → Create Anonymous Apex Script → 右クリックで実行
ログ一覧 [Logs]タブ .sfdx/tools/debug/logs フォルダ
ログを読む Log Inspector Log Viewer

どちらのコンソールも使えないときは

Web コンソール も開発者コンソールも使えない状況でも、デバッグログ自体は 設定 →[デバッグログ] から確認できます。

  1. 設定のクイック検索で 「デバッグログ」(Debug Logs)を開きます
    image.png

  2. [ユーザートレースフラグ]の[新規]から、対象ユーザー、開始日・有効期限、デバッグレベルを指定して保存します(有効期限は開始から24時間未満で指定します)

  3. 対象ユーザーで処理を実行した後、同じ画面の[デバッグログ]一覧から[参照]または[ダウンロード]します

デバッグログの参照・保持・削除には View All Data 権限が必要です。なお、デバッグログの保持期間は、システムのデバッグログが24時間、監視用のデバッグログが7日間です。

まとめ

  • Winter '27 では Web コンソール が推奨の開発ツールになり、Web コンソール が有効な組織では 開発者コンソールが既定で非表示 になった
  • 開発者コンソールは 廃止されていない。設定 →[Web コンソール]→ [開発者コンソールを有効化]をオン にすれば歯車メニューに戻る(変更は管理者)
  • Web コンソールと開発者コンソールは 併用できる
  • Web コンソール でログを取るときは、まず 対象ユーザーのトレースフラグを設定する(ステータスバーの「No Tracing」→「Create trace flag for current user」から作成できる)。ログは Debug Console の[Open Log]や .sfdx/tools/debug/logs から Log Viewer で開く
  • どちらも使えないときは 設定 →[デバッグログ] という従来からの手段がある

一言でまとめると、「消えたのではなく、隠れただけ。戻すこともできるし、新しい画面でもログは見られる」 と捉えると落ち着いて対処できそうです。

参考(公式情報)

確認日:2026年10月17日

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