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Salesforceでよく見る2系統のMCPを整理する:Hosted MCP ServerとSalesforce DX MCP Serverの違い

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はじめに

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以前、Salesforce Hosted MCP ServerをClaude Desktopから使い始める流れを整理しました。

その後、Agentforce Vibesまわりを追っていると、今度は Salesforce DX MCP Server という名前も出てきます。

どちらも「Salesforce」と「MCP Server」が入っているので、最初は同じものに見えます。ですが、ざっくり分けると、役割はかなり違います。

  • Hosted MCP Server: 外部AIクライアントからSalesforceの業務データやSalesforce上の機能を呼び出すための仕組み
  • Salesforce DX MCP Server: AI開発支援ツールからSalesforce CLI、組織、メタデータなどの開発文脈にアクセスするための仕組み

この記事では、2つのMCP Serverを「業務接続」と「開発接続」という観点で整理します。

本記事は2026年6月時点の公開情報と個人の整理メモです。特にSalesforce DX MCP ServerまわりはBeta表記のある情報もあるため、実際に利用する場合は公式ドキュメントを確認してください。

MCP Serverは「AIから呼べる道具箱」

まずMCPそのものをかなり雑に言うと、AIクライアントと外部システムをつなぐための共通インターフェースです。

AIクライアントが直接Salesforce APIやCLIの細かい仕様を全部知っている必要はありません。MCP Serverが「このツールを呼べます」「この入力で実行できます」という形で機能を公開し、AIクライアントはそれを呼び出します。

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この構図で見ると、Hosted MCP ServerとSalesforce DX MCP Serverは、どちらもMCP Serverではあります。ただし、公開する道具の種類と、主な利用者が違います。

なお、「業務側」と「開発側」は主な用途を理解するための整理であり、完全に排他的な分類ではありません。

より技術的には、Hosted MCP ServerはSalesforce側でホストされるリモート接続口です。一方、Salesforce DX MCP Serverは開発環境で起動し、Salesforce CLIやローカルのDXプロジェクトを利用する接続口です。

Hosted MCP Serverとは

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Salesforce Hosted MCP Serverは、Salesforce自身がホストするMCP Serverです。

公式GitHubでは、Claude、ChatGPTなどのAIアシスタントから、MCPを使ってSalesforceのロジックや資産へ安全に接続できるものとして説明されています。また、Hosted MCP ServerはGAとして案内されています。

公式Developer DocsのStandard MCP Servers Referenceでは、標準MCP Serverとして次のようなサーバーが挙げられています。

  • SObject All: Salesforceオブジェクトに対するCRUD、クエリ、検索
  • SObject Reads: 読み取りとクエリのみ
  • SObject Mutations: 作成、更新
  • SObject Deletes: 削除
  • Data 360: Data 360の統合顧客データをクエリ
  • Tableau Next: セマンティックモデルやKPI、分析の実行

標準サーバーはデフォルトでは無効で、管理者が有効化します。ツールセットはSalesforce側で事前構成されており、標準サーバーのツールセット自体は変更できません。

ここで注意したいのは、上の一覧はあくまで 標準MCP Server の話だという点です。

FlowやApex、APIなどを外部AIクライアントから呼び出す場合は、カスタムMCP ServerからMCPツールとして公開します。一方、Prompt Builderの公開済みFlexテンプレートは、MCPツールではなく MCPプロンプト として公開できます。

MCPプロンプトへの対応状況はクライアントごとに異なるため、利用するAIクライアントがMCP Promptsをサポートしているか確認が必要です。

重要なのは、Hosted MCP Serverが Salesforceの標準セキュリティモデルを尊重する ことです。公式Docsでは、フィールドレベルセキュリティ、オブジェクト権限、共有ルールが各ツール呼び出しに適用されると説明されています。

つまり、Hosted MCP Serverは「AIにSalesforceを何でも触らせる」ものではありません。接続したユーザーの権限の範囲で、Salesforceのデータや機能をAIクライアントから呼び出せるようにする仕組みです。

Salesforce DX MCP Serverとは

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一方、Salesforce DX MCP Serverは、Salesforce開発の文脈で出てくるMCP Serverです。

こちらはHosted MCP Serverのように「業務データや業務機能を外部AIクライアントへ公開する」よりも、AIコーディング環境がSalesforce開発ツールや組織情報へアクセスする ための接続口として捉えると分かりやすいです。

たとえば、Agentforce VibesはVS Code拡張機能として提供され、Apexコード生成、LWCの補完、Apexユニットテスト生成、プロジェクト解析、ドキュメント改善、複雑な開発ワークフローの実行を支援します。

ローカルのVS CodeでAgentforce Vibesを利用する場合は、Salesforce CLI、開いた状態のSalesforce DXプロジェクト、認証済みのSalesforce組織などが前提になります。

また、Agentforce Vibesのチェックポイント機能でワークスペースの状態を保存し、変更の追跡やロールバックを行う場合はGitが必要です。

一方、Agentforce Vibes IDEでは、Salesforce Extensions、Salesforce CLI、GitHub連携が用意され、Agentforce Vibes拡張機能もプリインストールされています。ブラウザ上の開発環境として起動した時点で、組織と接続された状態から始められる点がローカルVS Codeとの違いです。

DX MCP Serverのコード本体は salesforcecli/mcp リポジトリで公開され、利用時は @salesforce/mcp npmパッケージを npx で起動する形が案内されています。公式READMEでは、DX MCP ServerはBetaとして扱われ、orgsmetadatadatauserstestinglwc-expertsdevopscode-analysis などのtoolsetを選択して有効化できると説明されています。

また、DX MCP Serverには60以上のMCPツールが含まれるため、すべてを有効化するより、必要なtoolsetや個別ツールに絞ることが推奨されています。たとえば、run_apex_test、メタデータの取得・デプロイ、SOQL実行、LWC支援、コード解析などの文脈で使うものと考えるとイメージしやすいです。

Salesforce DX MCP Server自体はBetaとして提供されています。一方、サーバーに含まれる個々のツールにはGAとNON-GAの区分があります。デフォルトではGAのツールだけが利用され、NON-GAのツールを有効にする場合は --allow-non-ga-tools の指定が必要です。

このような開発文脈をAIツールから扱うための接続レイヤーとして、Salesforce DX MCP Serverを位置づけると理解しやすいと思います。

ざっくり比較

2つを並べると、違いはかなりはっきりします。

観点 Hosted MCP Server Salesforce DX MCP Server
主な目的 Salesforceの業務データや業務機能をAIから利用する Salesforceの開発・テスト・解析・デプロイをAIに支援させる
主な利用者 管理者、業務ユーザー、AIクライアント利用者 Salesforce開発者
主な接続対象 Salesforce上のデータ、業務ロジック、分析機能 ローカルのDXプロジェクト、Salesforce CLI、認証済み組織
利用するクライアント例 Claude、ChatGPT、Cursor、Agentforce Vibesなど VS Code、Agentforce Vibes、Claude Code、Cursor、Clineなど
扱うもの 標準サーバーではレコード、Data 360、Tableau Nextなど。カスタムではFlow、Apexなど Salesforce CLI、DXプロジェクト、組織、メタデータ、コードなど
主な管理ポイント OAuth、ユーザー権限、FLS、共有ルール アクセス可能な組織、toolset、CLI実行、コードやメタデータの差分
典型例 AIに「取引先を検索して」と依頼する AIに「LWCを作り、テストして、デプロイして」と依頼する

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かなり単純化すると、Hosted MCP Serverは 主に業務側のMCP、Salesforce DX MCP Serverは 主に開発側のMCP です。

使い分けの考え方

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どちらを使うべきかは、「AIに何をさせたいか」で決めると整理しやすいです。

AIから業務データや業務機能を呼びたい

この場合はHosted MCP Serverの文脈です。

たとえば、次のような使い方です。

Salesforceの取引先を検索して
この条件に合う商談を一覧化して
承認依頼用のFlowを実行して

この場合、中心になるのはSalesforce上の業務データや業務機能です。標準MCP ServerではSObject系、Data 360、Tableau Nextなどが中心で、FlowやApexはカスタムMCP ServerのMCPツール、Prompt Builderの公開済みFlexテンプレートはMCPプロンプトとして公開する文脈で考えると整理しやすいです。設定の主役は、外部クライアントアプリケーション、OAuth、MCP Serverの有効化、ユーザー権限になります。

AIにSalesforce開発を手伝わせたい

この場合はSalesforce DX MCP Serverの文脈です。

Agentforce Vibes IDEにはAgentforce Vibes拡張機能がプリインストールされており、MCPを利用したSalesforce開発支援を始められます。ローカルVS Codeや、Cursor、ClineなどのMCP対応AIコーディング環境で同じ開発文脈を扱う場合は、Salesforce DX MCP Serverを設定して利用します。

たとえば、次のような使い方です。

取引先責任者検索用のLWCを作成してください。
Apexが必要なら作成し、テストも追加してください。
既存のApexクラスを読んで、責務を整理してください。
テストを実行して、失敗している原因を調べてください。

この場合、中心になるのはSalesforce DXプロジェクト、Apex、LWC、メタデータ、Salesforce CLI、接続済み組織です。変更追跡やロールバックまで含める場合は、Git差分やチェックポイントの扱いも重要になります。

注意点

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どちらのMCP Serverも便利ですが、AIからSalesforceへアクセスできる範囲が広がるため、運用時の注意点はあります。

Hosted MCP Serverでは、少なくとも次を確認したいです。

  • MCP Serverを有効化する対象
  • 外部クライアントアプリケーションのOAuthスコープ
  • 接続ユーザーの権限
  • FLS、共有ルール、オブジェクト権限
  • 本番組織ではなくDeveloper EditionやSandboxで先に試すこと

Salesforce DX MCP ServerやAgentforce Vibes側では、次を確認したいです。

  • デフォルト組織が本番になっていないか
  • AIが実行できるコマンドの範囲
  • チェックポイントやロールバックに必要なGit状態が整っているか
  • 生成されたApexやLWCをレビューしたか
  • CRUD/FLSやテストを確認したか
  • 意図しないメタデータ変更がないか

どちらも「AIだから特別に許す」のではなく、Salesforceの権限設計や開発運用の中に入れて考えるのが大事そうです。

まとめ

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Salesforceには、MCP Serverという名前で語られる仕組みが複数あります。

Hosted MCP Serverは、ClaudeやChatGPTなどのAIクライアントから、Salesforceのデータ、Flow、Apex、Data 360などを呼び出すための仕組みです。業務側の接続口として見ると分かりやすいです。

Salesforce DX MCP Serverは、AI開発支援ツールがSalesforce CLI、DXプロジェクト、組織、メタデータなどの開発文脈を扱うための仕組みです。Agentforce VibesのようなAIコーディング環境と同じ「開発側」の文脈にある接続口として見ると理解しやすいです。

同じMCPでも、「業務データや業務機能をAIから呼ぶ」のか、「Salesforce開発作業をAIに手伝わせる」のかで、見ている世界が変わります。

前者がHosted MCP Server、後者がSalesforce DX MCP Server。まずはこの分け方で捉えると、SalesforceのAI開発まわりの用語が少し整理しやすくなると思います。

参考・関連情報

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