どうもこんにちは、Tadash です。前回の続きで、今日は Bob の話を、ざっくりと。
Bob は、IBM が2026年4月に正式発表した AI 開発エージェントです。この Bob、使い方に IDE 版と Shell 版(Bob Shell)の2つがあって、僕は迷わず Bob Shell のほうを選びました。今日はその理由の話です。
Bob って、ざっくり何?
公式サイト(日本)は こちら。どんなものかは、日本アイ・ビー・エムのプレスリリースがこう説明しています。
IBM Bobは、単に開発者のコーディング速度を高めるものではありません。企画、設計、コーディング、テスト、デプロイ、モダナイゼーションに至るまで、ソフトウェア開発ライフサイクル全体を横断して機能し、エンタープライズに求められるガバナンスとセキュリティー管理を備えています。
かいつまむと、こういうことです。
- ただ速くコードを書く道具ではなく、企画からデプロイ、モダナイズまで開発の流れ全体を相手にする
- 企業で使う前提なので、ガバナンスとセキュリティの管理が最初から入っている
そして、これは IBM がめちゃくちゃ推しているエージェントです。発表時点で 8万人超の IBM 社員が使い、平均45%の生産性が上がったという数字も出ています(体感でいうと、まあ桁は合っていそうです)。
頭脳はひとつじゃない
Bob の面白いところのひとつが、裏側で複数の AI モデルを使い分ける作りです。公表されているのは、ざっとこの3系統。
| モデル | ベンダー | ざっくり概要 |
|---|---|---|
| Claude | Anthropic | 汎用で高性能。文章もコードも強い |
| Mistral | Mistral AI | 軽量で効率のよいモデル |
| Granite | IBM | IBM 製のエンタープライズ向けモデル |
これらをタスクに応じて自動で振り分けます。公式のプレスリリースはこう説明しています。
IBM Bobは、精度、性能、コストに基づき、各タスクを最適なモデルへ動的に振り分けます。Anthropic社のClaude、Mistral社のオープンソース・モデル、IBM Graniteなどの先進モデルに加え、コード推論、セキュリティー、次に行われる編集内容を予測する用途向けに微調整された専用モデルを組み合わせて活用します。
なぜ1つに統一しないのか。その理由も、公式が明快に書いています。
単純な処理は軽量なモデルに、複雑なタスクは高性能なモデルに割り当てることで、成果の向上とコスト削減を両立します。
要するに、適材適所でコストと品質のバランスを取るという話です。特定の1社のモデルに縛られない保険にもなります。
Bob には2つの入り口がある
同じ Bob でも、IDE 版と Bob Shell では入り口がまったく違います。
IDE 版は VS Code(Visual Studio Code)ベースです。ふだん VS Code で開発している人なら、見慣れた画面の延長でそのまま使えます。つまり、VS Code 使いには、まず IDE 版が素直だと思います。もう一方の Bob Shell は、名前のとおりターミナルで動く CLI です。
| IDE 版 | Bob Shell | |
|---|---|---|
| ベース | VS Code | ターミナル |
| 見た目 | GUI。差分が目で見える | 文字だけ |
| とっつきやすさ | VS Code 使いなら初日から | 黒い画面に抵抗がなければ、すぐ慣れる |
| 自動化・CI | 手作業が中心 | スクリプトに組み込める。CI からも呼べる |
| あとに残るもの | 画面の操作は流れて消えていく | やり取りがそのまま記録に残る |
どちらが偉い、という話ではありません。
それでも僕が Bob Shell を選ぶわけ
理由はみっつです。
ひとつ、やり取りが記録に残る。 ターミナルでのやり取りは、そのまま履歴として残ります。あとから「何をどうしたか」を追えるし、コピペでそのまま人にも渡せます。
ふたつ、手元の道具と地続き。 git も grep もパイプも、いつもの道具がそのまま使えます。AI エージェントが、道具箱の外から指図してくる存在ではなく、道具箱の中に入ってくる感じ。この感覚が、僕にはしっくりきました。
みっつ、軽い。 ターミナルで動くぶん軽くて、複数を同時に立ち上げてもマシンのリソースをあまり食いません。エディタを何枚も開いてマシンがうなり出す、みたいなことにもなりにくい。
補足というか、正直に言い添えると、僕がそもそも VS Code をあまり使いこなせていない、というのもあります。もともと基盤(インフラ)畑で、リッチな開発環境をバリバリ使うタイプではありませんでした。だったら住み慣れたターミナルでいい、という半分は消去法です。
というわけで
Bob には入り口がふたつあって、僕は Bob Shell を選んだ、という話でした。次はいよいよ、その Bob Shell を実際に触っていきます。
※2026-07-11 時点の公開情報にもとづきます。製品の更新が速いので、最新は公式ドキュメントを見てください。
出典
- AIコーディング・エージェント Bob(IBM 日本語公式ページ)
- 「IBM Bob」提供開始のお知らせ(日本アイ・ビー・エム, 2026-04-30/引用元)
- Welcome to Bob Shell(IBM Bob Docs)
※投稿内容は個人の見解であり、必ずしも私の所属団体・企業における立場、戦略、意見を代表するものではありません。
