この記事は 株式会社TRAILBLAZER Advent Calendar 2024 の15日目の記事です。
はじめに
こんにちは。8月にUXデザイナーとしてジョインした金です。現在は観光ナビ「tabiwa by WESTER」に関わり、より良い体験を生み出すための業務を行っています。
サービスの企画の種を見つける・施策の妥当性を検証するなど、ユーザインタビューを行う場面は多数あります。この記事では、ユーザインタビューの基本について実践例も交えながらお話しします。
目次
ユーザインタビューとは?
ユーザインタビューとは、ユーザに直接話を聞いて、その課題やニーズを深く理解するための調査手法です。
この方法を使うことで、ユーザ自身が意識している「顕在ニーズ」だけでなく、普段は意識していない「潜在ニーズ」や行動の裏に隠れた「インサイト」を発見することができます。
ユーザインタビューには、以下のような2つの主な目的があります:
- 機会探索型: 新しいアイデアや価値を見つけるための調査。
- 仮説検証型: 既存の課題や改善点が妥当かを確かめるための調査。
例えば、tabiwaのような旅行サービスを開発する場合、単に「機能」を考えるだけでは不十分です。「旅行計画中にどんなストレスを感じたのか」「旅行中は何を優先したいのか」を具体的に掘り下げることで、ユーザの心に刺さるアイデアのヒントが見つかります。
ユーザインタビューで押さえるべき4つのポイント
1. 背景・目的をクリアにする
成功の第一歩は、「何のためにこのインタビューを行うのか」を明確にすることです。
ただ「聞きたいこと」を聞くのではなく、聞いた結果「どのような意思決定に役立つのか」を考えることが大切です。
2. 対象者を選ぶのもデザインの一部
どんな人から話を聞くかが結果を左右します。旅行サービスなら、旅行好きだけでなく「旅行が面倒だと感じている人」も選ぶことで、新たなニーズを掘り起こせます。
3. リラックスさせる雰囲気作り
最初に自己紹介と目的の共有をし、「ここで話すことには普遍的な正解があるものではなく、あなた自身の考えや経験を聞きたい」と伝えることで、参加者の素直な発話を引き出します。答えやすい質問から始め、自然な会話に繋げることが大切です。
4. 質問はオープンに、掘り下げは深く
質問の設計が成功の鍵です。「どんな旅行アプリが欲しいですか?」ではなく、「最近の旅行計画で最も困ったことは何ですか?」と聞くことで、具体的な体験や課題を引き出せます。
プロジェクトでの実践例
先日、tabiwaの今後の方向性を検討する上でのプレリサーチとして、社内でユーザインタビューを行いました。
インタビュー目的
- 国内旅行者の旅行カスタマージャーニー・ペイン・ゲインを明らかにし、ユーザセグメントおよびtabiwaの方向性のヒントを得る
- 国内旅行者の旅行サービス利用状況を調査し、他の旅行サービスとの差別化要素を探索する
実施プロセス
【準備】以下の構成でインタビューガイドを作成。
- イントロダクション
- 旅行基本情報の確認
- 旅行の価値観理解
- 具体的な旅行体験の深堀り
- 旅行サービスの利用状況
- クロージング
【実査】各セッション90分、オンラインで実施。
質問例:
「過去の印象に残っている旅行を教えてください」
「この旅行に点数をつけるとすると100点満点中何点ですか?」
「あなたにとって "旅行" とはなんですか?」
【分析】発話のグルーピング・関係整理を行いインサイトを抽出。インサイト毎にユーザセグメントを整理。
まとめ
ユーザインタビューは、プロダクトやサービスを「本当にユーザが必要としているもの」に近づけるための最強のツールです。ただの調査ではなく、ユーザの声を直接聞き、その中から課題や期待を掘り下げることで他では得られない貴重なインサイトを手に入れることができます。
ユーザインタビューは難しく聞こえるかもしれませんが、最初の一歩はシンプルです。同僚や友人に話を聞いてみることから始めてみてください。1〜2人でも話を聞くことで、新しい発見が得られるはずです。そして、その発見をプロダクト設計に生かしてみましょう。
ユーザの声に耳を傾けることは、UXデザイナーにとって大きな武器となります。聞く力を磨き、プロダクトの未来を切り開いていきましょう!