社員にClaude Codeを使ってもらうとき、個人でProプランを契約してもらい、あとで経費精算する。最初はそれで回りますが、会社として本格的に入れるなら、Claude Teamプランに切り替えます。私(株式会社AI Orchestraのみやっち🧑💻)は法人向けにClaude Codeの伴走支援をしていて、クライアントに最初にお伝えするのがTeamプランの契約です。
この記事は、導入を担当する方(情シス・管理部門)が手を動かす順に、次の2つをまとめたものです。
- 会社側の作業: Teamプランを契約してから、社員をSSO(シングルサインオン)で招待するまでの5ステップ
- 社員側の作業: すでに会社のメールアドレスで個人のProプランを契約している社員が、招待を受ける前に確かめること
動画では、料金・役割・組織設定・アナリティクス・利用枠まで、Teamプランの全体を順に話しています。この記事は、そのうち「メンバー管理」と「社員側の移行準備」の2章を手順にしました。
画面の操作も含めて動画で見たい方はこちら: 会社でClaude Code使うならTeamプラン一択|契約・移行準備・組織設定・アナリティクスまで全公開(YouTube・9分56秒)
SSOの手順は 02:53、社員側の移行準備は 04:00 からです。
前提
- 社内で Google Workspace か Microsoft Entra ID を使っていること(SSOのIdP=アイデンティティプロバイダーにする)
- 作業する人が、Teamプランの組織で オーナー以上 の役割を持っていること
- 会社のメールアドレスのドメインのDNSを触れること(手順2で使います)
SSOを設定せずにメンバーを招待することもできます。ただ、Google Workspace や Microsoft Entra ID をすでに使っているなら、SSOを使ったほうが統制が利きやすくなります。
着手前に決めておくこと
手順に入る前に、契約と役割の決め方だけ押さえておきます。
契約(動画の撮影時点の内容です)
- 最低2アカウントから申し込めます
- シートは2種類です。月払いの場合、税込でスタンダードが27.5ドル、プレミアムが137.5ドル
- 年払いは月払いより20%安くなりますが、私は月払いをおすすめしています。AI業界は流れが早く、最適なツールが変わるからです。少し割高でも、ツールを柔軟に変えられるほうを取ります
- 全員スタンダードから始めて、使用量の上限まで使う社員が出てきたら、その人にプレミアムを割り当てるかを検討します
役割
役割は、プライマリオーナー・オーナー・管理者・ユーザーの4種類です。決めておくのは上の2つです。
- プライマリオーナー: 組織で1人しか任命できません。基本は会社の代表がなるのがよいと思います
- オーナー: 担当部署の役員や、情シスの責任者を任命します
請求書の確認、支払い方法の追加、各種機能の有効化、メンバーの追加・削除、使用状況の確認は、ざっくりオーナー以上でできます。この記事の作業もオーナー以上が前提です。
会社側の作業: SSOで招待するまでの5ステップ
手順1 Teamプランを契約する
上の「契約」で決めた内容で申し込みます。
手順2 自社ドメインを設定する
会社のメールアドレスのドメイン(@example.co.jp の部分)を、自社のものとして登録します。
公式ヘルプによると、ドメインの確認はDNSのTXTレコードで行います。表示された値(anthropic-domain-verification- で始まる文字列)をドメインのDNSに追加し、反映を待ってから確認します。DNSの反映には時間がかかることがあるので、手順3の準備と並行して進めると待ち時間を使えます。
ドメインを確認しただけでは、既存のユーザーの使い方は変わりません(公式ヘルプに明記されています)。影響が出るのは、SSOを設定して強制してからです。
手順3 IdPとClaudeをSSO連携する
Microsoft Entra ID か Google Workspace をIdPとして、ClaudeとSSOで連携します。IdP側の設定を触れる人(多くは情シス)が担当します。
手順4 プロビジョニングを「招待制」にする
メンバーをどう組織に入れるかの設定です。ここは「招待制」にして、会社が招待した人だけが入る形にします。公式ヘルプでは、招待制はデフォルトの選択肢として載っています。
手順5 対象の社員を招待する
招待するのは、社員の会社のメールアドレスです。
社員の側で起きること
ここまで会社側でやれば、社員の手元では次の順に進みます。
| 順番 | 社員がすること | 裏で起きていること |
|---|---|---|
| 1 | 会社のメールアドレスに届いた、Claudeからの招待メールのリンクをクリックする | |
| 2 | 会社のメールアドレスでClaudeにログインする | |
| 3 | (IdPのログイン画面が出たら、いつもの会社アカウントで認証する) | 設定したIdP(Microsoft Entra ID / Google Workspace)でSSO認証される |
| 4 | Claudeの組織(Teamプラン)に参加する |
退職するとき
メンバーの招待だけでなく、退職者のアカウントの削除も会社側で一元管理できます。会社側でアカウントを削除すれば、その社員はそのアカウントでClaudeにログインできなくなります。個人プランのままだと、会社側からアカウントを削除できません。入社と退職の手続きの中に、Claudeのメンバーの追加・削除を1行入れておくと漏れません。
社員側の作業: 個人Proからの移行チェックリスト
つまずきやすいのはこちらです。会社のメールアドレスで、すでに個人のProプランを契約している社員がいる場合、招待を受けたときに社員が選ぶことがあります。招待メールを送る前に、次のチェックリストを社員に渡しておきます。
まず、どちらにするかを選ぶ
- 個人のアカウントと会社のアカウントの 両方を残す か、会社のアカウントだけにする かを決めた(社員が選べばよい)
両方を残す場合
- 個人のアカウントの課金は止まらない ことを理解した
会社のアカウントだけにする場合
- 個人アカウントのデータを、会社のアカウントに 持ち込むか、持ち込まないか を決めた
- 持ち込めるもの: チャット、プロジェクト、メモリ
-
持ち込めないもの を、必要なら移行前にダウンロードした
- コネクタの設定
- Claude Codeのクラウドセッション
- ブラウザのClaudeに直接アップロードしたSkills
- 個人アカウントは自動で解約され、日割りで返金されることを理解した
- iPhoneアプリ(App Store)でClaudeを契約している場合は、自動で解約されない ことを理解した。自分の契約がどこからのものかを確かめた
社員に渡す案内文の例
チェックリストをそのまま渡すより、短い案内を添えると伝わりやすくなります。下は例です。
件名: Claude(Teamプラン)への招待について
◯月◯日ごろ、会社のメールアドレス宛にClaudeから招待メールが届きます。
リンクから会社のメールアドレスでログインすると、会社の組織に参加できます。
すでに会社のメールアドレスで個人のProプランを契約している方へ
・個人と会社の両方を残すか、会社だけにするかを選べます
・両方を残す場合、個人の課金は止まりません
・会社だけにする場合、チャット・プロジェクト・メモリは移せますが、
コネクタの設定、Claude Codeのクラウドセッション、
ブラウザのClaudeに直接アップロードしたSkillsは移りません。
必要なものは招待を受ける前にダウンロードしてください
・個人の契約は自動で解約され、日割りで返金されます。
ただし、iPhoneアプリ(App Store)で契約した方は自動で解約されません
移行すると変わること: 学習の設定
入力したデータをモデルの学習に使わせない設定は、個人プランだと社員が各自でオフにする必要があります。Teamプランは、デフォルトで「学習に使用しない」になっています。社員ごとの設定漏れを心配しなくてよくなるのも、移行の理由の1つです。
招待が終わったら: 使えているかを確かめる
招待して終わりにせず、アナリティクスの画面で使われ方を見ます。一番よく見るのは、概要にある「Claudeを使っているのは誰ですか?」で、「メンバーのすべてを表示」を開くと、メンバーごとに、チャット・Cowork・Claude Codeのそれぞれをどのくらい使っているかが分かります。
招待したのにほとんど使えていないメンバーがいたら、そこにフォローに入ります。ログインでつまずいているのか、使いどころが分かっていないのかで、声のかけ方が変わります。
まとめ
- 会社側は5ステップ: 契約 → 自社ドメインの設定 → IdPとSSO連携 → プロビジョニングを招待制に → 社員を招待
- 社員側は、招待メールのリンク → 会社のメールアドレスでログイン → SSO認証 → 参加
- 会社のメールアドレスで個人Proを契約している社員には、招待の前にチェックリストを渡す。とくに「両方残すと個人の課金は止まらない」「移らないデータがある」「App Storeで契約した人は自動で解約されない」の3つ
- 退職時は会社側でアカウントを削除する。招待後はアナリティクスで、使えていないメンバーにフォローする
このあとの「組織設定」(全員に効く組織の指示、Claude Codeの管理された設定、Skillsの配布)と、利用枠を超えたときの考え方は、動画で管理画面を見せながら話しています。
画面の操作も含めて動画で見たい方はこちら: 会社でClaude Code使うならTeamプラン一択|契約・移行準備・組織設定・アナリティクスまで全公開(YouTube)
参考(公式ヘルプ): Setting up single sign-on (SSO)