株式会社AI Orchestraのみやっち🧑💻です。普段、法人向けにCodexの伴走支援コンサルをしていて、クライアントにまずお伝えするのがChatGPT Businessの契約です。
社員に個人でPlusプランを契約してもらい、あとで経費精算する。最初はそれでもいいのですが、会社として本格的に入れるならChatGPT Businessに切り替えます。ただ、日本語でChatGPT Businessを解説した記事や動画がほとんどなく、何も知らずに始めると落とし穴がたくさんあります。
この記事は、実際に設定する管理者の方が上から順にチェックを入れていけば導入が終わるように、YouTubeで話した内容をチェックリストに起こしたものです。
管理コンソールの実画面つきで見たい方は動画をどうぞ: 会社でCodex使うならChatGPT Business一択|契約・移行準備・ワークスペース設定まで全公開(YouTube・9分25秒)
メンバー管理(SSOの手順)は 03:15、社員側の移行準備は 04:31、管理コンソールは 05:13 からです。
動画の画面は、株式会社AI Orchestra自身が契約しているChatGPT Businessのワークスペースです。料金や画面の名前は2026年10月の撮影時点のもので、変わることがあります。契約の前に最新の表示を確かめてください。
全体の流れ
| 段階 | やること | 担当 |
|---|---|---|
| 0 | 契約の前に決める(支払い・シート・ロール) | 経営陣・情シス |
| 1 | 契約からSSO招待までの5手順 | 所有者 |
| 2 | 招待の前に、個人Plusの社員へ3つを伝える | 情シス |
| 3 | 招待のあとに、管理コンソールで確かめる | 所有者・管理者 |
| 4 | 退職のときの2つの操作 | 管理者・所有者 |
0. 契約の前に決めること
支払いとシート
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月払いにするか、年払いにするかを決めた
- 撮影時点では、月払いは税抜でスタンダードシート3,850円、プレミアムシート19,250円。年払いは月払いより20%安い
- 私は月払いをおすすめしています。AI業界は流れが早く、最適なツールが変わるからです。少し割高でも、ツールを柔軟に変えられるほうを取ります
- 最低2アカウントから申し込めることを確かめた
- 最初は全員スタンダードシートで始め、使用量の上限まで使う社員が出たらプレミアムを検討する、と決めた
ロール
ロールは、所有者・管理者・アナリティクス閲覧者・メンバーの4種類です。所有者と管理者の違いは、請求書の閲覧・シートタイプの変更・SSOなどのID設定といった、お金とアカウント基盤の権限があるかどうかです。
- 所有者を決めた(お金周りを社員に触らせたくないなら、経営陣だけにする)
- 管理者を決めた(メンバーの追加・削除と使用状況の確認は管理者でもできるので、情シスの責任者を任命する)
このあとの手順の多くは、所有者の権限で行う内容です。
1. 契約からSSO招待までの5手順
社内で Google Workspace か Microsoft Entra ID を使っているなら、SSO(シングルサインオン)を設定したほうが統制が利きやすくなります。
- 手順1 ChatGPT Businessを契約した
- 手順2 自社ドメインを追加した
- 手順3 Microsoft Entra ID または Google Workspace をIdP(アイデンティティプロバイダー)として、ChatGPTとSSO連携した
- 手順4 ユーザープロビジョニングで「アカウントの自動作成」をオフにした
- 手順5 対象の社員を、会社のメールアドレスで招待した
ハマりどころは手順4と手順5の順番です。招待を送る前に、自動作成をオフにしておきます。 会社が招待した人だけがメンバーになる形にしてから、招待を始めます。
ドメイン認証やSSOは、管理コンソールの左上で切り替える「グローバル設定」のほう(テナント全体の設定)にあります。メンバーの招待は「ワークスペース」のほうです。画面を探すときは、左上の切り替えを先に確かめてください。
社員の手元で起きること
ここまで会社側でやれば、社員は次の順に進みます。
- 会社のメールアドレスに届いた、ChatGPTからの招待メールのリンクをクリックする
- 会社のメールアドレスでChatGPTにログインする
- 設定したIdP(Microsoft Entra ID / Google Workspace)でSSO認証される
- ChatGPT Businessに参加する
招待の穴を運用でふさぐ
- 保留中の招待を、管理者が確認してキャンセルできるようにした
招待は一般のメンバーからもでき、今の仕様では禁止できません。自動作成をオフにしても、社員が招待を送ることはできます。保留中の招待を管理者が見て、会社として招待していないものはキャンセルします。
2. 招待の前に、個人Plusの社員へ伝える3つのこと
つまずきやすいのはここです。会社のメールアドレスで、すでに個人のPlusプランを契約している社員には、招待を送る前に次の3つを伝えます。
- 1. 招待されても、個人のアカウントは自動で統合されず、個人の課金も止まらない
- 2. 個人のチャット履歴を会社のアカウントに統合(マージ)するのは本人の操作で、一度統合したら戻せない
- 3. 統合した時点で個人の課金は自動で解約され、未利用分は返金される。ただし、iPhone・Androidのアプリ内課金で契約している人は自動で解約されない
3つ目は見落とされがちです。自分の契約がWebからなのか、スマホのアプリ内課金なのかを、社員に確かめてもらいます。
社員に渡す案内文の例
件名: ChatGPT Businessへの招待について
◯月◯日ごろ、会社のメールアドレス宛にChatGPTから招待メールが届きます。
リンクから会社のメールアドレスでログインすると、会社のワークスペースに参加できます。
会社のメールアドレスで、すでに個人のPlusプランを契約している方へ
1. 招待を受けても、個人のアカウントは自動で会社のアカウントに統合されません。
個人の課金も止まりません。
2. 個人のチャット履歴を会社のアカウントに統合するのは、ご自身の操作です。
一度統合すると元に戻せないので、よく確かめてから行ってください。
3. 統合した時点で個人の契約は自動で解約され、未利用分が返金されます。
ただし、iPhone・Androidのアプリ内課金で契約している方は自動で解約されません。
ご自身で解約の手続きをしてください。
移ると変わること: 学習の設定
入力データをモデルの学習に使わせない設定は、個人プランだと社員が各自でオフにする必要があります。ChatGPT Businessはデフォルトで「学習に使用しない」になっています。社員ごとの設定漏れを心配しなくてよくなるのも、移る理由の1つです。
3. 招待のあとに、管理コンソールで確かめること
- ワークスペース>プラグインで、SlackやGoogle Driveなどのプラグインごとに利用可否を決めた。メンバーに接続させたくないものは、利用可否から「プラグインを無効にする」を実行した
- ワークスペース>スキルで、全社で使うSkillsを右上のプラスボタンからアップロードし、全メンバーに配布した
- アナリティクスで、ランキングのユーザー別トークン使用数を見た。あまり使えていないメンバーにフォローに入った
利用枠を超えたときの決め方
全員スタンダードシートで始めると、利用枠を使い切って作業が止まる社員が必ず出てきます。会社としてやれることは3つです。
- シートタイプをプレミアムにアップグレードする
- クレジットを購入する
- 制限がリセットされるまで待ってもらう
予算との兼ね合いなので会社ごとに判断が分かれますが、私のおすすめは、クレジットを都度買うより、エンジニアやAI推進部のメンバーなど、よく使うメンバーだけをプレミアムに上げることです。サブスクの範囲に収まるので、予算が読みやすくなります。
- 利用枠を超えたときに、3つのどれを取るかを決めた
- クレジットを購入する場合は、シートタイプごとの利用上限とユーザーごとの利用上限を設定した
Codexを日常使いできるようになると、楽しくてどこまでも使えてしまいます。払った分だけ会社の成果につながっているかは、経営側が見ていく必要があります。
4. 退職のときの2つの操作
ワークスペースからメンバーを削除すると、その瞬間から、その社員は会社のデータにアクセスできなくなります。ただし、シートの課金は自動では止まりません。
- ワークスペースから、退職者を削除した
- 「シートを管理」から、シートの数を減らした
会社の退職手続きのチェックリストに、次の2行を足しておくと漏れません(例)。
□ ChatGPT Business: ワークスペースからメンバーを削除
□ ChatGPT Business: 「シートを管理」からシートを1つ減らす
まとめ
- 契約の前に、月払い・全員スタンダードから・所有者は経営陣・管理者は情シスの責任者、を決める
- 会社側は5手順: 契約 → 自社ドメインの追加 → IdPとSSO連携 → アカウントの自動作成をオフ → 招待。自動作成のオフは招待より前
- 招待は一般メンバーからもでき、禁止できない。保留中の招待は管理者が確認してキャンセルする
- 個人Plusの社員には招待の前に3つを伝える: 自動では統合されず課金も止まらない/統合は本人の操作で戻せない/アプリ内課金は自動で解約されない
- 退職時は、メンバーの削除と「シートを管理」でのシートの削減を両方やる
個人のプランのままだと、社員が作り込んだSkillsや設定はその社員のアカウントに閉じます。ChatGPT Businessにすれば、1人が作ったSkillsが全員に配られ、社員が辞めてもノウハウが会社に残ります。個人の道具だったCodexが、会社の業務基盤に変わります。
管理コンソールの画面、プラグインとSkillsの設定場所、利用上限の設定は、動画で実画面を見せながら話しています: 会社でCodex使うならChatGPT Business一択|契約・移行準備・ワークスペース設定まで全公開(YouTube)