この記事のポイント
- Claude Codeは「ターミナルで動くAI開発パートナー」。ファイル操作、コード生成、Git、テスト、デプロイまで自然言語で指示できる
-
~/.claude/ディレクトリに設定・スキル・プラグイン・チームが全部入っている - 基本操作(コマンド、モード、ショートカット)を押さえれば今日から使える
- Skills、MCP、Sub-agents、Hooks、Pluginsを組み合わせると「ただのAIチャット」が「自分専用の専門家チーム」に変わる
「Claude Codeって結局何ができるの?」
インストールしたはいいけど、コマンドを打つだけで終わっている。Skills?MCP?Hooks?用語が多すぎて全体像が掴めない。
そんな方に向けて、基本操作から拡張機能までClaude Codeでできることの全体像をまとめました。自分の環境(スキル59個、プラグイン5個、エージェントチーム3つ)の実例も交えて解説します。
Claude Codeとは
Anthropicが提供するエンジニア向けのAI開発ツールです。ターミナルで claude と打つだけで起動します。
ChatGPTとの最大の違いはローカルのファイルシステムに直接アクセスできること。コードを読み、書き、実行し、Gitで管理する。チャットの延長ではなく、隣で一緒にコードを書くペアプログラマーに近い存在です。
┌──────────────────────────────────────────────────────┐
│ Anthropic の Claude 製品群 │
│ │
│ Claude アプリ Cowork Claude Code │
│ ┌──────────┐ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐ │
│ │ チャット │ │ コード生成 │ │ コーディング │ │
│ │ 質問応答 │ │ ツール連携 │ │ Git操作 │ │
│ │ 文章作成 │ │ AIエージェント │ │ ビルド・テスト │ │
│ └──────────┘ └──────────────┘ └──────────────┘ │
│ 初心者向け アプリ内蔵 ターミナル専用 │
│ $20〜/月 $20〜/月 $20〜/月 │
└──────────────────────────────────────────────────────┘
- Claude アプリ: ChatGPT的な「聞いて答える」チャットツール。一番始めやすい
- Cowork: Claudeアプリに内蔵されたエージェント機能。アプリ上からコードを書いたり、Claude Codeの一部のツールを使ったり、AIエージェントとして自律的にタスクを進めてくれる。アプリだけでもかなりのことができる
- Claude Code: 完全にターミナルで動くことを前提にした開発パートナー。本記事の主役
おすすめのステップアップ: まずはClaudeアプリで試してみる → VS Codeのターミナルで使ってみる → 慣れてきたらターミナル単体で動かす、という流れが自然です。
始め方
前提条件
- Node.js 20以上が必要です
インストール
# macOS / Linux
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
# Homebrew
brew install --cask claude-code
起動
claude # そのまま起動
cd /path/to/project && claude # プロジェクトで起動
claude "このプロジェクトを説明して" # 初期プロンプト付き
利用方法
| 方法 | 説明 | 料金 |
|---|---|---|
| サブスクリプション | Claude Pro / Max プランに契約 | $20〜$200/月 |
| APIキー | Anthropic Console から発行 | 従量課金 |
一般的にはサブスクリプションで使うケースが多いです。
起動環境
| 方法 | メリット | おすすめ |
|---|---|---|
| Claudeアプリ(Cowork) | インストール不要、すぐ始められる | 初心者向け |
| VS Code拡張 | IDE統合でシームレス | 初心者〜中級者 |
| IDE内ターミナル | コードと並べて見られる | 中級者〜 |
| ターミナル直接 | シンプル、軽量、最も自由度が高い | 中級者〜上級者 |
Claudeアプリから試してみて、もっと本格的に使いたくなったらVS Code拡張やターミナルに移行するのがスムーズです。
基本操作
スラッシュコマンド
/ を打つと一覧が出る。よく使うのはこのあたり。
| コマンド | 説明 |
|---|---|
/help |
ヘルプを表示 |
/clear |
会話履歴をクリア |
/compact |
コンテキストを要約して圧縮 |
/context |
コンテキスト使用量をカラーグリッドで確認 |
/cost |
トークン使用量・コストを表示 |
/model |
使用モデルを変更 |
/fast |
高速モード切替(同じOpusで2.5倍速) |
/init |
CLAUDE.mdを生成してプロジェクト初期化 |
/diff |
変更差分をインタラクティブに確認 |
/resume |
前のセッションを再開 |
/plan |
プランモードに移行(読み取り専用で調査・計画) |
/simplify |
3並列エージェントでコードレビュー・最適化 |
キーボードショートカット
| キー | 動作 |
|---|---|
Enter |
メッセージ送信 |
Shift+Enter |
改行 |
Shift+Tab |
モード切替(Default → Auto-Accept → Plan) |
Escape |
実行中の処理を中断 |
Ctrl+C × 2 |
終了 |
Esc × 2 |
直前の状態に巻き戻し |
@ |
ファイルパスのオートコンプリート |
! (行頭) |
Claudeを介さずシェルコマンド直接実行 |
権限モード
Claude Codeはツール実行時に「やっていい?」と聞いてきます。
-
y→ 許可 -
n→ 拒否 -
a→ 今後同じ操作を常に許可
Shift+Tab でモードを切り替えられる。
| モード | 動作 |
|---|---|
| Default | 操作ごとに確認(最初はこれ) |
| Auto-Accept | ファイル編集を自動許可 |
| Plan | 読み取り専用。実装前の調査・計画用 |
慣れてきたらAuto-Acceptで回すと速いです。大きな変更の前はPlanモードで計画を立ててからDefaultに戻して実装、という流れがおすすめです。
コンテキストウィンドウを理解する
ここがClaude Codeを使いこなす上で最も重要な概念です。
コンテキストウィンドウとは「Claudeの作業台のスペース」のこと。広い作業台なら多くの情報を同時に扱えるが、狭くなると品質が下がる。
┌─────────────────────────────────────────────┐
│ コンテキストウィンドウ(200K〜最大1Mトークン) │
│ │
│ ┌───────────────┐ ← CLAUDE.md(常に読み込み) │
│ │ プロジェクトルール│ │
│ └───────────────┘ │
│ ┌───────────────┐ ← MCPツール情報(常に消費) │
│ │ 使えるツール一覧 │ │
│ └───────────────┘ │
│ ┌───────────────┐ ← 会話履歴(積み上がる) │
│ │ ユーザー指示 │ │
│ │ AI応答 │ │
│ │ ... │ │
│ └───────────────┘ │
│ ┌ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─┐ ← スキル(必要時のみ) │
│ │ 呼び出し時だけ │ │
│ └ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─┘ │
│ ← 残り容量 │
│ /context で確認 │
└─────────────────────────────────────────────┘
ポイント:
- CLAUDE.mdとMCPツール情報は常にコンテキストを占有する
- スキルは呼び出した時だけ読み込まれる → 節約になる
- 会話が長くなったら
/compactで圧縮、新しいタスクなら/clearでリセット - 95%消費時に自動コンパクションが発動する
CLAUDE.md──プロジェクトの記憶
プロジェクトルートに CLAUDE.md を置くと、セッション開始時に毎回自動で読み込まれる。
キッチンで例えると: 壁に貼ってある「当店のルール」。新しいシェフ(セッション)が来ても壁を見ればルールが分かる。
# 起動後に /init を実行して自動生成
# プロジェクト概要
Next.js + TypeScript のWebアプリ
# コーディング規約
- インデントは2スペース
- テストは vitest を使用
- 日本語でコメントする
# よく使うコマンド
- npm run dev: 開発サーバー起動
- npm run test: テスト実行
| スコープ | 場所 | 共有範囲 |
|---|---|---|
| プロジェクト | ./CLAUDE.md |
Git経由でチーム全体 |
| ユーザー | ~/.claude/CLAUDE.md |
自分の全プロジェクト |
| ローカル | ./CLAUDE.local.md |
自分のみ(.gitignore推奨) |
200行以内を目標にしてください。長すぎるとClaudeの遵守率が下がります。
ここからが本番──Claude Codeの拡張機能
基本操作だけでも十分強力ですが、ここからが他のAIツールにないClaude Codeの本領です。
全体像を「レストランのキッチン」で理解する
┌─────────────────────────────────────────────────────┐
│ Claude Code = レストランのキッチン │
│ │
│ オーナーシェフ(親エージェント) │
│ └─ 担当シェフたち(サブエージェント) │
│ 自分専用の調理台で作業、完成品だけ渡す │
│ │
│ 📖 レシピ集(スキル) │
│ 「/カレー」で秘伝のレシピが脳に流れ込む │
│ │
│ 🚚 フランチャイズキット(プラグイン) │
│ レシピ+調理器具+仕入れ先が全部パッケージ化 │
│ │
│ 🏪 仕入れ業者(MCP) │
│ 標準化された発注書で食材が届く │
│ │
│ 🔒 安全チェック(Hooks) │
│ 火を使う前のガス漏れチェックが自動で走る │
│ │
│ 📋 壁のルール(CLAUDE.md) │
│ 「当店はすべてオーガニック」が壁に貼ってある │
└─────────────────────────────────────────────────────┘
MCP──外部ツール連携
MCP(Model Context Protocol)はAIのためのUSB-Cポート。標準化されたプロトコルで外部ツールとつなぐ。
# 追加コマンド
claude mcp add context7 -- npx -y @upstash/context7-mcp@latest
claude mcp add github -- npx -y @modelcontextprotocol/server-github
ClaudeCodeに「〇〇のMCP追加して」といえばたいていやってくれます。
おすすめMCPサーバー:
| MCP | できること |
|---|---|
| Context7 | ライブラリの最新ドキュメントをリアルタイム取得 |
| GitHub | PR・Issue管理、Actions監視 |
| Playwright | ブラウザ自動操作、E2Eテスト |
| Slack | チャンネル履歴取得・メッセージ送信 |
| PostgreSQL | 自然言語でSQLクエリ実行 |
注意: MCPは接続中の全ツール情報が常にコンテキストを消費する。入れすぎると起動が遅くなり、コンテキストも圧迫する。まず2〜3個から始めるのがおすすめ。
Skills──専門知識パック
Skillsは必要な時に呼び出せる専門知識です。MCPと違って使わない時はコンテキストを消費しません。
~/.claude/skills/deploy/SKILL.md # 個人(全プロジェクト共通)
.claude/skills/deploy/SKILL.md # プロジェクト固有
---
name: deploy
description: 本番環境へのデプロイ手順。「デプロイして」で自動発火。
---
# デプロイ手順
1. テスト実行: `npm run test`
2. ビルド: `npm run build`
3. デプロイ: `npm run deploy`
/deploy で手動呼び出しできます。description を適切に書けばClaudeが自動で判断して呼び出してくれます。
自分の環境では59個のスキルが動いています。 ブログ執筆、提案書生成、コードレビュー、勤務表処理、デモ動画録画──よく繰り返す作業をスキル化しておくと、次から同じ品質のアウトプットが一瞬で出ます。
公開スキルのインストールも簡単です:
npx skills find react performance
npx skills add vercel-labs/agent-skills@vercel-react-best-practices -g -y
Sub-agents──並列作業
Sub-agentは独立したコンテキストで動く専門エージェントです。親から分離して作業し、結果だけ返します。
| 名前 | モデル | 用途 |
|---|---|---|
| Explore | Haiku(高速) | コードベース探索(読み取り専用) |
| Plan | 親と同じ | 実装計画の調査 |
| General-purpose | 親と同じ | 複雑なマルチステップタスク |
親エージェント
│
├── Explore: モジュールAを調査
├── Explore: モジュールBを調査 ← 並列実行
└── Explore: モジュールCを調査
│
結果をまとめてレビュー
カスタムエージェントも作れます。.claude/agents/code-reviewer.md を置くだけです:
---
name: code-reviewer
description: コード品質のレビュー
tools: Read, Glob, Grep
model: sonnet
---
以下の観点でコードをレビュー:
1. バグやロジックエラー
2. セキュリティ脆弱性
3. パフォーマンス問題
/simplify を実行すると、3つの並列エージェントがコードレビュー・リファクタリング・最適化を同時に走らせてくれます。これだけでもSub-agentの威力が体感できます。
Hooks──自動チェック体制
HooksはClaude Codeのライフサイクルに差し込む自動処理です。ファイルを編集したら自動フォーマット、危険なコマンドは自動ブロック、といったことができます。
ユーザーがプロンプト送信
├── [PreToolUse] → rm -rf をブロック
├── ツール実行
├── [PostToolUse] → Prettierで自動フォーマット
└── [Stop] → テスト通過を確認
設定例(ファイル編集後に自動フォーマット):
{
"hooks": {
"PostToolUse": [{
"matcher": "Edit|Write",
"hooks": [{
"type": "command",
"command": "npx prettier --write \"$CLAUDE_FILE_PATH\""
}]
}]
}
}
/hooks コマンドでインタラクティブに追加・管理できます。
Plugins──フランチャイズキット
PluginsはSkills + Agents + Hooks + MCPをまとめてパッケージ化する仕組みです。
| 項目 | スキル | プラグイン |
|---|---|---|
| 含められる要素 | スキルのみ | スキル + エージェント + Hooks + MCP |
| コマンド名 | /hello |
/plugin-name:hello |
| 配布 | 手動コピー | マーケットプレイス or Git |
公式プラグインの例:
- document-skills: PPTX、DOCX、PDF、XLSXの生成・編集
- frontend-design: プロダクショングレードのUI生成
- feature-dev: コードベース理解→設計→実装のガイド付き開発
Agent Teams──チーム機能(実験的)
複数のClaude Codeインスタンスがチームとして協調動作する実験的機能です。
Sub-agentとの違いは、チームメイト同士が直接メッセージをやり取りできること。リーダーが仕事を振り、チームメイトが並列で作業し、結果を共有します。
自分の環境では3つのチームを運用しています:
- voiceforge-system-audit: 6人のエージェントが認証・DB・フロントエンド・音声処理を並列監査
- backlog-bugfix-team: Backlogチケットの自動バグ修正
- skill-fire-test: スキルの発火テスト
.claude/ディレクトリの全体像
ここまで紹介した機能は全て ~/.claude/ に格納されています。
~/.claude/
├── settings.json # 全体設定(権限、Hooks、言語等)
├── CLAUDE.md # 個人の全プロジェクト設定
├── skills/ # スキル(自分は59個)
│ ├── tech-blog-writer/
│ ├── deploy/
│ └── ...
├── plugins/ # プラグイン
│ └── cache/
├── projects/ # プロジェクトごとのセッション履歴
├── teams/ # Agent Teams設定
├── hooks/ # カスタムHookスクリプト
├── agents/ # カスタムサブエージェント
├── todos/ # TODOリスト
├── tasks/ # タスク管理
└── plans/ # プラン(実行計画)
段階別ロードマップ
Claude Codeは一度に全部覚える必要はありません。段階的に使いこなしていけば大丈夫です。
Phase 1: 今日から(基本操作)
-
インストールして
claudeで起動 -
スラッシュコマンドを覚える(
/clear,/compact,/context) -
Shift+Tabでモード切替 -
/initでCLAUDE.mdを作成
Phase 2: 1週間後(外部連携)
- MCP を2〜3個追加(Context7, GitHub等)
- CLAUDE.mdにプロジェクトルールを書き足す
-
/resumeでセッションを引き継ぐ
Phase 3: 1ヶ月後(カスタマイズ)
- 自分のスキルを1つ作ってみる
- Hooksで自動フォーマットを設定
- カスタムサブエージェントを定義
Phase 4: それ以降(フル活用)
- 業務知識をスキルに落とし込む
- プラグインをインストール・活用
- Agent Teamsで並列作業
まとめ
Claude Codeは claude と打って起動するだけのシンプルなツールですが、その裏側には Skills、MCP、Sub-agents、Hooks、Plugins、Agent Teams という拡張レイヤーがあります。
まずは基本操作とCLAUDE.mdだけで十分です。 そこから少しずつスキルやMCPを足していくと、「ただのAIチャット」が「自分専用の専門家チーム」に化けていきます。
もし「何から始めればいいか分からない」という方は、上の段階別ロードマップのPhase 1から試してみてください。実際に触ってみると、思った以上にスムーズに使えるはずです。
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