図解即戦力 Web技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書 を読んで
はじめに
Web開発において実務をこなしていく中でコードを書く能力は上がってきたと感じています。また、昨今ではAIを用いた開発が中心となっており、コードを書く能力については大幅な底上げが可能となってきました。
これにより、コードを書く能力以外の部分の重要性が増してきたと感じたため、体系的にWeb技術を学ぶ必要があると考え、Web技術の全体像を俯瞰的に理解できる本書を読みました。
内容のまとめ
本書は全9章構成で、Web技術を基礎から応用まで体系的に学べる内容になっています。
第1章ではWeb技術の全体像を俯瞰し、Webページが表示されるまでのプロセスを学びます。第2章ではTCP/IPやDNSなどのネットワーク基礎を、第3章ではHTTPの基本的な仕組み(リクエスト・レスポンス、ステータスコードなど)を学びます。
第4章ではHTTPSによる暗号化通信とHTTP/2の高速化技術、第5章ではURLの構造とSEO対策について解説されています。第6章ではプロキシ、ロードバランサー、CDN、クラウドなどのインフラ技術を扱います。
第7〜8章ではHTML、CSS、JSON、HTML5の新機能(WebSocket、WebRTCなど)について、第9章ではWebアプリケーションの全体像(データベース、MVCアーキテクチャ、フレームワークなど)を学びます。
感想
最大の魅力は、Web技術の全体像を体系的に学べる点です。これまでに得た知識も多くありましたが、それらに足りない部分の補完として本書を利用したこともあり、今までおろそかにしていたネットワークに関する知識や、HTTPSなどの暗号通信に関する知識を補うことができました。
おもしろかった話
- SSL/TLSについて: SSL/TLSとは通信を暗号化する技術ですが、SSLは古い規格であり現在はほとんど使用されていないとのことでした。SSLという単語をよく見ていたのですが、SSL証明書という単語が残っているだけで、実際にはTLSが使われていることを知り驚きました。
- ロードバランサーについて: ロードバランサーは複数のサーバーに負荷を分散する装置ですが、サーバーに接続する優先順位の一番低いサーバーに「現在、アクセスが集中しているため、接続に時間がかかる場合があります。しばらくお待ちください。」と表示することでサーバーの負荷が高い場合に、自動でユーザーに待機してもらう仕組みがあることを知り興味深かったです。
まとめ
本書は、Web技術の全体像を体系的に理解したい初心者にとって最適な一冊でした。これ一冊で実務レベルになるわけではないですが、足りない知識の補完TCP/IPからHTTP、セキュリティ、インフラ技術まで幅広いトピックが丁寧に解説されていました。図解とは言いつつも図は要点のみで、文章中心の解説で内容も充実していました。
断片的だった知識がつながり、Web開発に対する理解が大きく深まりました。今後はこの基礎知識を土台に、より実践的なスキルを磨いていきたいと考えています。