こんにちは。現場で泥臭くロボットを回し続けてきた「RPA兵隊クラス」のみなさん、生き残っていますか?
一時期のRPAブームから数年が経ち、現場の空気感がガラッと変わってきたのを感じている方も多いのではないでしょうか。「RPAはオワコンだ」なんて声も聞こえますが、本当にそうでしょうか?
我々兵隊クラスは、いままでどういう状況だったか
RPA導入ブーム 2018年くらい~
当時はとにかく「画面操作ができる人」が圧倒的に不足しており、ツールさえ動かせれば仕事がある状態でした。
- 「事務職・IT未経験の私が、一躍RPAエンジニアに!」というシンデレラストーリーの流行
- 「弊社はロボットを〇〇個作りました!」という、数だけを誇る成果アピール
- 製造(開発)~納品~運用保守の現場を回すため、大量に促成栽培され送り込まれた兵隊(我々の大多数がこの界隈)
まさに「作れば作るほど評価された」時代であり、いま現場にいる多くの人がこの時期にデビューしたはずです。
案件も「業務のどこを自動化できるかのネタ探し」で引っ張ってくるスタイルでした。
現場はどう変わるのか
たとえばこれまでは、以下のような「GUI完結」の処理でした。
Excel読む
↓
画面入力
↓
例外だけ人へ
それがこれからは、大きなエコシステムの中の役割のひとつになります。
メール受信
↓
AIが内容を分類
↓
APIで登録
↓
APIでつながらないところをRPAで入力(👈ここだけがRPAの役割)
↓
承認を人へ
みたいな感じになります。
これからは、RPAは主役ではなく「大きなエコシステム(業務基盤)の中の、パーツのひとつ」になります。
そのため、「プロセスが作成できます」「UiPathやBlue Prismの画面操作ができます」というスキルだけでは、貰える仕事は目に見えて減っていくことになります。
じゃあRPA兵隊クラスはもうオワコンか
RPA製品の操作スキル「だけ」に依存していれば早晩オワコンです。
しかし、我々には武器があります。
現場でレガシーシステムと格闘し、自動化してきた経験から、「業務全体を俯瞰して分析・分解する素地」がすでに身についているはずなんです。
Blue PrismでいうところのROMの考え方。
この思想を理解していること自体が、次のステップへの大きなアドバンテージになります。
兵隊クラスが今後職にありつくためのロードマップ
今後数年を見据えて、学習の優先度高いと私が思っているもの順で挙げていきます。
BPM
最優先です。
AIもRPAもAPIも、最終的には業務プロセスの中でどう使うかを考える必要があります。
その土台になるのがBPMです。
これが今後めっちゃ需要でてくるはず。
つまり「業務フロー全体を設計できる人」。
Blue PrismでいうとChorus。
Microsoftでいうと、Dynamics365のビジネス プロセス モデラー (BPM)。
会社に研修コースがあればそれを、なくてもUdemyやらCourseraやら教材はどこかしらにあります。
AIを業務へ組み込める
BPMで業務を設計できるようになったら、次はAIを「どこで使うと一番効果があるか」を考えられるようになりたい。
AIといえば、ちょっと前まではプロンプト職人が流行りましたが、これからは「フローのどこにAIを組み込み、どう業務に役立てるか」を構造的に考えられる人が重宝されます。
AIを便利な「部品」として扱えるようになりましょう。
API連携
AIや業務設計を実際のシステムに落とし込むには、APIの知識が欠かせません。GUI操作よりもAPIを第一選択にできると、自動化の幅が大きく広がります。
今やだいたいのシステムやサービスはAPIを公開しています。
「不安定なGUI操作は最小限にし、基本はAPIで高速・確実に繋ぐ。どうしても無理なところだけRPAに任せる」という切り分けや設計ができる知識が必要になります。
業務分析
ここでいう業務分析は、RPA案件のヒアリングではなく、BPRまで踏み込んだ提案型の業務分析です。
いままでだと「この業務をRPAで自動化して!」と言われたら、言われた業務についてのヒアリングをして、RPAの設計書を書いて……という流れでした。
これからは「APIが使えるか」「RPAは使わなくてもこの方法で」「そもそもこの業務要る?」みたいなことを上流から分析して提案していく「BPR・提案型ヒアリング」のスキルが求められます。
AIガバナンス
まずBPM、AI、APIを押さえて、企業でAIを本格運用する段階になったらガバナンスを学びたい。
これからAIを本格導入していく企業は、以下の要素を非常に気にします。
- ログ管理
- 権限管理
- モデル・データ管理
これをクリアできる、AIを安心して使える「ガバナンスの仕組み」を考えられる人は超重宝されます。
クラウド基盤
どのツールやサービスでも、これからはオンプレじゃなくクラウドが主流になっていきます。
AWSやAzureの基本的なところくらいは前提知識として押さえておきたいところ。
お給料的な面では
現実的な話をするなら、「RPA製品の操作だけをやる下っ端の兵隊」よりは「BPMやAPI、AIがわかってるちょっといい兵隊」のほうが、圧倒的に貰いが良くなるはず。
企業が評価するのは「ロボットを何本作れるか」より、「業務全体を改善できるか」に変わってきています。
終わりです
APIを持たないレガシーシステムや、複雑な画面操作が必要な環境において、RPAは今後も重要な実装手段であり続けます。
もうRPAはオワコンだ!というわけではないので、今まで積み上げてきた実装力は引き続き武器になります。
だから、既得のスキルは錆びないように常にメンテを怠らず、「RPAを作る人」から「AIを含めた業務自動化全体を設計・実装できる人」へクラスチェンジ。
これまでに得たものを無駄にせず、新しいこともガンガン勉強して、これからも現場でご飯を食べていきましょう~。