はじめに
2025年度に、約半年くらいでGoogle Cloudの認定資格を14個取得し、全冠を達成しました。
きっかけは些細なことで、会社の後輩の学習・資格取得の意欲を見て、自分もちゃんと勉強しなきゃ・・・と急に始めた活動でした。が、Google Cloudのサービスを横断的に新たに短期集中で学ぶ・学び直すきっかけとなり、思ったより有意義な活動となったので、せっかくだからナレッジを共有しようと思い記事化しました。
他のクラウドベンダ資格にも言えることですが、Google Cloudの資格はインフラ寄りのものだけではなく、
ネットワーク、セキュリティ、データ分析、データ分析、AI、DevOpsなど・・・かなり幅広い分野があります。
ちなみに、資格更新のスパンはprofessional資格は2年更新のため、全冠には実質的には「2年以内」ですべてを取り切る覚悟が無いと厳しいです。そのため効率的な取得のためのロードマップを描く必要があります。
この記事では、
- Google Cloud認定資格の一覧
- 個人的に感じた難易度
- 全冠を目指す場合のおすすめ受験順
- NotebookLMを使った勉強方法
- Udemyを使った勉強方法
- 実際に全冠して感じたこと
をまとめます。
注意
Google Cloudの認定資格体系や試験範囲は随時変更されています。
本記事では2026年9月時点の資格体系もあわせて掲載していますが、受験前には必ず最新の公式試験ガイドを確認してください。
簡単な自己紹介
SIerとして8年ほど勤務し、Webサービスを中心に扱う業務に従事。ここ数年は手を動かすというよりは殆どマネジメント業務。
GoogleCloudの実務経験は合計すると3年弱ほどで、正直AWSのほうが良く触っている。
元々はフロントエンド寄りなのでインフラは詳しくない。
GoogleCloudの資格はProfessional Cloud ArchitectとDeveloperを2年ほど前に取っているが、失効しかけているので新たに取り直している。
Google Cloudの認定資格
Google Cloudの認定資格は、大きく
- Foundational
- Associate
- Professional
の3段階に分かれています。
2026年9月時点では、公式サイト上で以下の資格が案内されています。
Foundational
- Cloud Digital Leader
- Generative AI Leader
Associate
- Associate Cloud Engineer
- Associate Google Workspace Administrator
- Associate Data Practitioner
Professional
- Professional Cloud Architect
- Professional Cloud Developer
- Professional Data Engineer
- Professional Cloud Database Engineer
- Professional Cloud DevOps Engineer
- Professional Cloud Security Engineer
- Professional Cloud Network Engineer
- Professional Machine Learning Engineer
- Professional Security Operations Engineer
- Agentic Architect(Beta)
資格体系自体が少しずつ拡張されているため、「全冠」の対象は時期によって変わる点には注意が必要です。
特に2026年はGoogle Cloud Next '26で発表されたGemini Enterprise Agent Platformやデータ分析関連のアップデートを受け、各試験も順次更新されています。 Agentic Architectも正式なラインナップに入りそうですしね。
難易度と個人的な所感
ここからは完全に個人の主観です。
経験している技術領域によって難易度はかなり変わります。
あくまで一つの参考として見てください。
| 資格 | 難易度 | 個人的な所感 |
|---|---|---|
| Cloud Digital Leader(CDL) | ★☆☆☆☆ | Google Cloud全体を知る入門。技術より「なぜCloudを使うか」というビジネス観点が多く、非エンジニアでも振れやすい。とりあえず最初はこれ |
| Generative AI Leader(GAL) | ★☆☆☆☆ | 生成AIの概念とGoogle Cloud/Geminiの位置付けを理解する資格。Google CloudのAIサービスを俯瞰的に見つつ、内容は結構簡単なのでこれも非エンジニア向けにも◎ |
| Associate Cloud Engineer(ACE) | ★★☆☆☆ | Google Cloud技術資格の入口。このあたりから少しgcloudやIAM、Compute、Networkなど実務的な基礎を広く問われる。 |
| Associate Data Practitioner(ADP) | ★★☆☆☆ | Data系資格への入口。BigQueryを中心にデータ処理の基本を理解するのに◎。自分は英語で受けたので少ししんどかった。 |
| Google Workspace Administrator(GWA) | ★★★☆☆ | Google Cloudとは少し毛色が違く、実務で使っていのもあり、経験がないと覚える内容が多い。また内容もちゃんと理解していないと解けないものもあり、それなりの難易度。 |
| Professional Cloud Architect(PCA) | ★★★☆☆ | 範囲が非常に広い。ただし他のProfessional資格の土台になるので、Professional資格はこれから取るのがおススメ。 |
| Professional Cloud Developer(PCD) | ★★★☆☆ | Application開発・Cloud Run・GKE・CI/CDなど開発寄りの知識が必要だが、これもCloud Architectの延長で比較的万人に取りやすい |
| Professional Data Engineer(PDE) | ★★★★☆ | BigQueryだけではなくDataflow、Pub/Sub、Dataproc、MLなど範囲が広い。あと日本語が結構おかしいので、英語できる人は英語で受けた方がいいかも、、、 |
| Professional Cloud Database Engineer(PCDE) | ★★★☆☆ | Cloud SQL、AlloyDB、SpannerなどDBの使い分けについて問われる。2年くらい英語版しかなかったが日本語化された(自分は渋々英語で受験)。Google Cloud触っていなくても、サーバエンジニアならかなりとっかかりやすい内容。 |
| Professional Cloud DevOps Engineer(PCDOE) | ★★★★☆ | SRE、SLI/SLO、Monitoring、CI/CDなどの知識・・・ではなく、「考え方」を問われる問題が多く実務寄り。未経験だとややきつい。SRE業務経験があったのでとっかかりはしやすかった。 |
| Professional Cloud Security Engineer(PCSE) | ★★★★☆ | IAM、暗号化、VPC Service Controls、組織ポリシーなど横断的な理解が必要。内容はそれなりだが、セキュリティエンジニアであればGoogle Cloud触ってなくても、AWSとか触っていればイメージは付きやすそう。 |
| Professional Cloud Network Engineer(PCNE) | ★★★★★ | VPC、Hybrid Connectivity、Load Balancing、DNSなどをかなり深く理解する必要がある。ネットワーク設計周りは周りに強い人がいて逃げていたのもあり、個人的には最難関の1つ |
| Professional Machine Learning Engineer(PMLE) | ★★★★☆ | ML自体の知識とVertex AIの両方が必要。Cloudだけ勉強していると毛色が違過ぎて難しい。ユースケースに基づいた読解問題なので、全資格の中でも特に練習問題を解いて慣れた方がいいやつ。日本語化されてよかった、、、 |
| Professional Security Operations Engineer(PSOE) | ★★★★★ | Security Engineerとは異なり、SecOpsやDetection/Response寄りの知識が必要で、一番理解に時間がかかった。全冠目指してたら急に正式リリースされた資格。やむなく英語で受け、普通に難しくて1回落ちた。実務でやってないと一番とっつきにくい内容だと思う。個人的に最難関。 |
| Agentic Architect(Beta) | 不明 | 新しい領域かつBeta版なのでまだ受けていない。。。 |
後述でおすすめの学習順番を述べますが、
前提として、Fundation資格→Associate資格→PCA→PCD→他のprofessional資格という順番が王道かと思いますが、私は(2年前に受けて更新が必要というのもありましたが)、実務でAWSとかGoogleCloudを多少なり触っていたので、PCA、PCDから受けたほうがとっかかりやすかあったです。特にPCAは、「あ~AWSでいうあれね」とか紐づけができるので、おすすめです。
PCAを勉強することで、
Compute
Network
Storage
Database
Security
IAM
Data
Operations
等のサービスを横断的に学ぶことになるため、その後のProfessional資格の勉強が楽になるメリットがああります。
全冠を目指すなら、どの順番で受けるべきか
全冠する場合、個人的には 難易度順ではなく「知識を使い回せる順番」 で受けることをおすすめします。
私は若干バラバラですが、例えば以下のフローが効率が良いかと思います。
経験者ならとりあえずAssociate Cloud Engineer(ACE)とProfessional Cloud Architect(PCA)
エンジニアであればCloud Digital Leaderを飛ばして、
Associate Cloud Engineer(ACE)
Professional Cloud Architect(PCA)
から始めていいし、なんなら前述の通りPCAからでもいい。この2つは入れ子のような関係性なので結構似ているし、他の資格でもこの資格で出た内容に近いものはちょくちょく登場します。地盤固めできるのでお勧めです。
その後は自分の得意分野から
professional資格については多岐にわたるので、残りは比較的自由ですが、塊で考えた方が良くて、
例えばインフラ寄りなら
PCA
↓
Network
↓
Security
↓
DevOps
という流れ。
データ分析寄りなら、
Data Practitioner
↓
Data Engineer
↓
Database Engineer
↓
Machine Learning Engineer
という流れで受けると学習のコスパがいいです。特になければ関心がある分野に絞ってやるのがいいかと思います。私はデータ分析系を学びたかったのでこれ系は先行して取得しました。
全冠で一番大変なのは脳の切り替え
全冠してみて思うのは、一番大変なのは特定の難関資格じゃなくて勉強範囲の切り替えでした。というのも、Professional資格になるほど、
「このサービスは何ですか?」
的な知識を問う問題が減って、
「この要件なら、なぜAではなくBを選択するのか?」
というようなユースケースに基づいた問題が頻発します。
そのためただの丸暗記だけでは厳しく、サービスの使い分けを理解することを意識付けして勉強しないダメでそれを広い範囲で資格ごとにカバーしないと駄目なのは中々にしんどいです。次節から少しでも楽にこなすための勉強方法について紹介します。
Gemini Notebookを資格勉強に使う
ここからは勉強方法についてです。私が資格勉強で使った1つ目方法が、Gemini Notebookです。
NotebookLMは2026年7月にGemini Notebookへ名称変更されています。まだ慣れない・・・
簡単に言うと、資料データやWebサイト、Google Docs、Slides、YouTube、音声などをSourceとして取り込み、Sourceに基づいて質問できるものなのですが、これが資格勉強と非常に相性が良いです。
資格ごとに管理できますしね。
NotebookLMに最初にやらせたこと
まず試験ガイドを入れて、
この試験ガイドをセクションごとに整理してください。
各セクションについて、
・重要なGoogle Cloudサービス
・理解すべきConcept
・比較して覚えるべきサービス
・設計問題で問われそうな観点
を一覧にしてください。
と聞きます。すると、
Exam Guide
↓
Learning Topics
↓
Service
↓
比較ポイント
という形に分解できるので、
いきなり説明なりを最初から最後まで読むより、試験で何を理解する必要があるのかを先に把握することができます。
「サービスの違い」をひたすら聞く
Google Cloud資格で頻出するのがユースケースに基づいたサービス選択問題です。例えばデータ分析であれば、
BigQuery
Cloud SQL
Spanner
Bigtable
Firestore
がありますが、単にそれぞれの機能を覚えるだけではなく、
「この要件ならどれを使う?」
を判断できる必要があります。そこでNotebookLMに、
Cloud SQL、Spanner、Bigtable、Firestore、BigQueryについて、
・主な用途
・データモデル
・スケール方式
・可用性
・向いているケース
・向いていないケース
を比較表にしてください。
のように聞くと、サービスを俯瞰して見れるので学習のとっかかりや振り返りを行いやすいです。
Networkであれば以下のようなものです。
Cloud VPN
Cloud Interconnect
Private Service Connect
VPC Peering
Network Connectivity Center
どういったサービスが該当するか自体をGeminiに聞いてしまってもいいと思います。とにかくサービス間の境界を覚えることが大事なので、ガンガンAI使ってこの辺の情報の可視化は効率化していきました。
自分専用の問題集を作る
Gemini NotebookはFlashcardやQuizをSourceから生成できるようになっています。
問題数や難易度なども調整できます。
例えば
Professional Cloud Network Engineer相当の難易度で、
このSourceだけを使って10問作ってください。
単純な知識問題ではなく、
要件から最適なサービスを選択するシナリオ問題にしてください。
私が回答するまで正解を表示しないでください。
のように指示するといい感じに問題を作ってくれます。問題を解いた後、
間違えた問題について、
・なぜ正解が正しいのか
・なぜ他の選択肢ではダメなのか
・どの知識が不足していたのか
を説明してください。
と続ければ、正誤に関する復習もできるので、これを繰り返してやるのがおススメです。
資格勉強をした中で、問題集に基づいた反復学習をする時間が大半を占めてましたので、とにかく総量が大事なので、これを実現するにはうってつけでした。
Udemyの使い方
もう一つめちゃくちゃ使ったのがUdemyです。短期で取り切るには正直必須だと思います。。。
先んじた通り、特に資格試験では、模擬問題を大量に解くというのがめちゃくちゃ大事で、どうしても公式Exam(例題)だけだと全然足りなので・・・公式で書籍等出してほしい・・・
あ、Udemyの講座評価はしっかり見たうえで選びましょう。酷い内容のもあるので
公式Exam Guide
↓
公式Docs
↓
NotebookLMで整理
↓
Udemy模擬試験
という順番が基本ルーティーンで、例えば、いきなりUdemyの模擬問題だけを解き始めると、「この問題の答えはB!」という暗記になってしまうので意味がないです。少し条件が変わると解けなくなっちゃうので、自分が理解できているかを確認するOutputとして使いましょう。
正解した問題も解説を見る
正解した=理解している とは限らなくて、当てずっぽうでも選択式だから正解しちゃうときもあるので、
- なぜAではダメなのか
- どんな条件ならDになるのか
などをGemini NotebookやUdemyの開設で確認しましょう。これを知っておくとユースケース問題に強くなるので、Professional試験ではめっちゃ重要です。
古い問題には注意する
Cloudあるあるですが、サービスがどんどん変わるので数年前は正しかった選択肢が、現在はベスプラではなくなっていることもしばしばあります。
周期は不明ですが、これは資格問題にも影響していて認定試験を順次更新しています。
そのため、問題解いてて「あれ?」と思ったら公式ドキュメントは随時確認しましょう。
という確認は必須だと思います。一次情報の確認大事。
最終的な学習ループ
最終的には、ほぼすべての資格で以下の流れに落ち着きました。
この方法だと、InputとOutputの循環ループが良く手おススメです。
Gemini Notebookを使うことで、Documentationを読む → 分からないところを別途検索する
という作業がかなり効率化します。
資格を取ること自体をゴールにしない
ここまでいろいろ書きましたが、資格をたくさん持つこと自体には、それほど大きな意味はないと思っています。私は「資格オタク」になりたいわけではなく、自身のアイデンティティの1つとして「Google Cloudに詳しくなる」というざっくりした目標に、たまたま資格が付いてきただけだと思っています。
全関する中で一番良かったのは、
普段自分が触らない領域を、半強制的に勉強する理由ができたこと
ところで、全冠するとサービス同士のつながりが見えきて、点と点が繋がる感覚が結構ありました。
個人的には、これが一番大きな収穫で、各サービスがArchitectureの中でどうつながるのかを可視化することが出来るようになり、資格を複数取る価値は、個々の試験知識よりも、この横断的な理解にあると思っています。
これからGoogle Cloud資格を取る人へ
普通にしんどいですし、根気も居るので、初めから全冠を目指す必要はないと思います。
Google Cloudでいえば、まずは
Associate Cloud Engineer
↓
Professional Cloud Architect
まで進んでみるのがおすすめです。そこから自分の興味に合わせて、
インフラ
→ Network / Security
アプリ
→ Developer / DevOps
データ分析
→ Data Engineer / Database
AI
→ Machine Learning
と広げていくと、かなり自然に学習できます。そして資格勉強では、
問題の答えを覚えるのではなく、「なぜそのサービスを選択するのか」を説明できるようにする
ことが重要だと思いますし、特にProfessional資格は、この考え方を身につける良い教材でもあります。
まとめ
Google Cloud認定資格を全冠して感じたことをまとめました。
勉強方法として特に効果があったのは、
- Associate Cloud Engineer/Professional Cloud Architectを土台にする
- 関連する資格をまとめて取得する
- Exam Guideを起点にする
- Google Cloud公式Documentationを情報源の中心にする
- Gemini Notebookで情報を整理・比較する
- UdemyをOutputとして利用する
- 間違えた理由を必ず調べる
という流れとサイクル化でした。
実は、資格の勉強するまでGemini Notebookってあんま触ったことなかったのですが、今回のことでその有用性を知れたのも良かったです。
全冠はそれなりに大変な道のりですが、「Google Cloudを広く理解する」 という意味では非常に良い学習目標だったと思います。資格そのものよりも、その過程で身についた、
要件を見て、複数のGoogle Cloudサービスから適切なものを選択する力
の方が、実務では役立っています。これからGoogle Cloudの資格取得を目指す方の参考になれば幸いです。