結論
i-have-adhd は、Claude Code の回答の「形」を変えるスキルです(MIT ライセンス、作者は ayghri)。先頭に次の一手、複数の作業は番号付き、最後に2分以内でできる行動を1つ、という形にそろえます。導入後に /i-have-adhd と打つまで何も起きません。止めるときは「stop adhd mode」と送ります。
2026年10月15日時点で、skills.sh のインストール数は 26.3K、GitHub API で見たリポジトリのスター数は 57,186 です。以下の引用はすべて ayghri/i-have-adhd の skills/i-have-adhd/SKILL.md(コミット 1ecea19、2026年10月11日)から取っています。
手順1: Claude Code にインストールする
リポジトリの INSTALL.md に書かれている Claude Code 向けのコマンドは次の2行です。
claude plugin marketplace add ayghri/i-have-adhd
claude plugin install i-have-adhd@i-have-adhd
入ったかどうかは claude plugin list で確認できます。リポジトリには日本語の README と INSTALL(.github/readme/README.ja.md、.github/install/INSTALL.ja.md)もあるので、英語の手順が読みにくければそちらを見てください。
手順2: セッションで有効にする
インストールしただけでは回答は変わりません。SKILL.md のフロントマターに次の1行があるためです。
disable-model-invocation: true
この設定のスキルは、Claude が自分の判断で読み込むことはありません。セッションの中で /i-have-adhd と打つと、その後の回答すべてにルールがかかります。SKILL.md には「These rules apply to every response for the rest of the session」とあり、話題が変わっても切れません。戻すときは「stop adhd mode」か「normal mode」です。
毎回打つのが面倒なら、プラグイン同梱の SessionStart フックを使います。フラグファイルがあるときだけ動く仕組みです。
touch ~/.claude/.i-have-adhd-always
ファイルを消せば、また /i-have-adhd で呼ぶ運用に戻ります。
10個のルールを1行ずつ読む
SKILL.md はまず、ADHD の読み手について5つの前提を置いています。最初の1つは「Working memory is small. Anything not on screen is forgotten.」です。画面にないことは覚えていられない、という前提から10ルールが組まれています。
- 次の行動を先頭に置く。コマンド、パス、コード片があれば最初に書く
- 複数の手順は番号付きで、1ステップに1つの作業
- 最後は2分以内にできる具体的な行動で終える
- 脇道の話は広げない。2つ目の問題は別の質問として最後に出す
- 毎ターン、今どこまで進んだかを書き直す(例は「Step 3 of 5 done」)
- 時間の見積もりは「少し」ではなく具体的な単位で書く
- 終わった作業は、何が動くようになったかを具体的に見せる
- エラーは淡々と、場所、原因、直し方を書く
- 見せるリストは1グループ5項目までを目安にする。ただし分析や検索の対象は減らさない
- 前置き、まとめ直し、締めのあいさつを書かない
9番は9月に書き直されていて、今は「This rule shapes presentation only」と明記されています。古い紹介記事で「5件より後は捨てる」と読める説明があれば、それは現行の文面と合いません。
ルールを破ってよい場面も6つ書かれています。「説明して」と頼まれたとき、rm -rf やスキーマ移行のような破壊的な操作の前、3ターン続けて直らないとき、などです。選択肢を聞かれたら 2個から4個の候補を順位付きで出す、という例もあります。
送信前チェックの5項目
ファイルの最後に、送る前に消すものが5つ並んでいます。
- 何をするかを予告するだけの最初の1文
- 「anything else?」と聞く、またはまとめ直す最後の1文
- 「by the way」で始まる脇道
- 情報を足さないぼかし語(perhaps、might など)。ただし本当に不確かな部分のぼかしは残す
- 慣用句や比喩。文字どおりの行動に置き換える
4番の但し書きが大事です。原文は「deleting it manufactures confidence」で、確信のないところまで断定させない作りになっています。最後に「最初の1行と最後の1行だけ読んで、次に何をするかと何が起きたかが分かるか」を確かめます。
日本語で使うときにどう効くか
ここからは SKILL.md の文面から読める範囲の話です。日本語で測った結果ではありません。
SKILL.md の例文はすべて英語です。10番で禁止している書き出しは「Great question」「Let me...」「Sure!」など、締めは「Hope this helps」などで、日本語の言い回しは載っていません。日本語の回答で「いい質問ですね」や「お役に立てば幸いです」が消えるかどうかは、モデルがルールの意図をどこまで日本語に当てはめるか次第です。気になる場合は、自分のフォークで10番に日本語の例を足すのが手堅いです。INSTALL.md にも、フォークでルールを書き換えたら .claude-plugin/plugin.json の version を上げる、と更新手順が書かれています。フロントマターの書き方から自作する場合は、Claude Code のカスタムスキル作成ガイド(英語) が参考になります。
5番の「Step 3 of 5 done」も英語の例です。日本語なら「5ステップ中3まで完了」のような形になりそうですが、ファイルはそこまで指定していません。
回答の例(説明用に手で書いたもので、実測の出力ではありません)
「JWT ライブラリを上げたら npm test が auth.spec.ts で落ちるようになった」という相談で、日本語の定型句がどう残りうるかを並べます。まずルールを当てる前の、よくある形です。
いい質問ですね!状況を確認してみます。
JWT ライブラリのメジャーアップデートでは、トークン検証の挙動が変わることがあります。
ちなみに、lockfile にも古いパッケージがいくつかあるので、あとで見直してもいいかもしれません。
原因としては、verify() に algorithms の明示が必要になった可能性が高いです。
src/auth.ts の呼び出しに algorithms: ['HS256'] を追加してみてください。
お役に立てば幸いです!ほかにも何かあれば聞いてください。
ルールどおりなら、こうなります。
src/auth.ts の verifyToken に algorithms: ['HS256'] を追加してください。
原因: ライブラリの新しいメジャー版で、algorithms の明示が必要になった可能性があります。CHANGELOG で確認してください。
別件: lockfile に古いパッケージがあります。次に一覧を出しますか?
次の一手: npm test -- auth.spec.ts を実行して、最初に落ちた行を貼ってください。
消えたのは、冒頭の「いい質問ですね!」と予告の1文、「ちなみに」の脇道(別件の質問に分離)、締めのあいさつです。「可能性があります」は本当に分からない部分なので残しています。ただし SKILL.md の禁止例は英語なので、前半の定型句が実際に消えるかはモデル次第です。
ほかのスキルとの使い分け
数字は 2026年10月15日の skills.sh(インストール数)と GitHub API(スター数)です。
- uditakhourii の adhd(7.1K インストール)は名前が似ていますが、アイデア出しを並列で広げるスキルで、回答の形は変えません。uditakhourii/adhd の掲載ページ、GitHub
- curiositech の adhd-daily-planner(366 インストール)は、ADHD 向けに1日の予定と時間の見積もりを立てるスキルです。扱うのは回答の形ではなく人の予定です。curiositech のスキル集の掲載ページ、GitHub
- juliusbrussee の caveman(574.2K インストール)も、セッション中ずっと続く出力スタイルのスキルです。2つ同時に使うと書式の指示がぶつかるので、どちらか1つにしてください。caveman スキルの詳細、GitHub
- 5番の「進捗を毎回書く」をファイルに残したいなら、OthmanAdi の planning-with-files(45.8K インストール)が合います。planning-with-files の掲載ページ、GitHub
- 2番の番号付き手順を、仕様から作業を切り出す段階で作りたいなら、addyosmani の planning-and-task-breakdown(55.8K インストール)があります。planning-and-task-breakdown の掲載ページ、GitHub
- README やコミットメッセージの文章まで整えたいなら、softaworks の writing-clearly-and-concisely(4.3K インストール)です。出力スタイルのスキルはそこまで触りません。writing-clearly-and-concisely の掲載ページ、GitHub
i-have-adhd 本体の情報は Skillselion の i-have-adhd 掲載ページ に、英語の詳しい解説は i-have-adhd 解説ガイド(英語) にあります。同じ分野のスキルは ドキュメント・計画系スキルの上位一覧 で比べられ、残りは ドキュメント・計画カテゴリ にまとまっています。日本語で探すなら Skillselion 日本語版トップ、ほかの解説記事は ガイド一覧(英語) からどうぞ。
よくある質問
入れたのに回答が変わりません
disable-model-invocation: true なので、/i-have-adhd と打つまで動きません。毎回使うなら ~/.claude/.i-have-adhd-always を作ります。
ADHD の診断がないと使えませんか
使えます。エージェントの長い回答から次の作業を探すのがつらい人なら、誰でも対象になります。
日本語の定型句も消えますか
SKILL.md の禁止例は英語だけです。「いい質問ですね」などが残る場合は、フォークで10番に日本語の例を足してください。
Skillselion は Ellelion LLC が運営する独立したサイトで、Anthropic とは関係ありません。skills.sh、GitHub、MCP レジストリから毎日更新し、実際のインストール数で並べているカタログです。