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Claude Code v2.1.310 リリース:企業ゲートウェイの互換性問題が直った話

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この記事で分かること:

  • 企業の社内プロキシ・ゲートウェイが特定ヘッダーを拒否することで起きていたリクエスト失敗が修正された内容
  • バックグラウンドクリーンアップで最近貼り付けた画像が消えるバグの詳細
  • Monitorツールが Bedrock・Vertex・Foundry 環境でも使えるようになった変更の実務への影響

2026 年 10 月 24 日(UTC)、Claude Code v2.1.310 がリリースされた。公式のリリースノートは GitHub に公開されている。

変更点は多岐にわたるが、今回は大企業の社内環境で claude -p を使った自動化パイプラインを運用している立場から、「確認しておく必要がある」と感じた変更を中心に整理する。網羅的なまとめではなく、実務への影響がありそうなものに絞った。

出典:Anthropic(2026-10-24公開) https://github.com/anthropics/claude-code/releases/tag/v2.1.310

企業の社内プロキシ・ゲートウェイで通らなかった問題が修正された

リリースノートには次の記述がある。

Fixed requests failing behind some gateways and compatible servers that reject the effort-2025-11-24 beta value or mid-conversation system messages; Claude Code now retries without them

簡単に言うと:社内のセキュリティゲートウェイや企業プロキシが、Claude Code のリクエストに含まれる特定のヘッダー値(effort-2025-11-24 という beta 値)や、会話の途中で追加されるシステムメッセージを「不正なヘッダー」として拒否していたケースがある。そのときリクエストが失敗していた。

v2.1.310 からは、そのような環境を検出してリトライする際にそれらを除いた形で再送信するように変わった。

大企業ならではの問題

一般的なクラウド環境では問題にならないが、大企業ではよくある構成だ。社内からの外部 API への通信を一度セキュリティゲートウェイを経由させる設計になっていると、そのゲートウェイが「知らない HTTP ヘッダーはすべて弾く」という設定になっていることがある。Claude Code のような新しいツールが新しい beta ヘッダーを追加したとき、その値が許可リストに入っていないと拒否される。

Claude Code を社内導入しようとしたときに「なぜか繋がらない」「たまに失敗する」という経験があった場合、このバージョン以降で改善されている可能性がある。

自分の環境(claude -p を使った無人実行パイプライン)でこの問題が再現していたか、ログを確認した範囲では明確に特定できなかった。ただし企業内プロキシを通している環境で不安定だった場合は、このバージョンにアップデートした後の挙動を観察することを勧める。

mid-conversation system messages について

もう一方の修正対象である「mid-conversation system messages(会話の途中で送られるシステムメッセージ)」というのは、会話が進む中でコンテキスト管理のために Claude Code が動的に追加する内部のシステムメッセージのことだ。一部のゲートウェイがこれを「最初のメッセージと形式が違う」として拒否するケースがあった。企業向けの API ゲートウェイ製品(Azure API Management など)で独自のリクエスト検査を入れている環境で出やすい問題だと推測している(未確認)。

バックグラウンドクリーンアップで最近の画像が消えるバグが修正された

Fixed background cleanup deleting some recent files, such as pasted images, when cleanupPeriodDays is set to a very large value

cleanupPeriodDays を長い値(大きな数字)に設定している場合、最近貼り付けた画像がバックグラウンドのクリーンアップ処理で誤って削除されるバグがあった。

なぜこんなことが起きたのか

cleanupPeriodDays は、古いファイルを自動で削除するまでの日数を指定するオプションだ。本来は「N 日以上古いファイル」を削除するはずが、値が大きすぎると計算がおかしくなり(おそらく整数オーバーフローや日時計算のバグ)、「最近」のファイルが誤って「古い」と判定されていた。

このバグは「長く保持したいから大きい値を設定した」という意図が逆に働く、見つかりにくい問題だった。

影響を受けやすかった環境

  • スクリーンショットや図を貼り付けながら作業するケースで cleanupPeriodDays を長めに設定していた環境
  • CI や自動化パイプラインで画像ファイルを処理してその後に確認するような設計

このプロジェクトでは画像の貼り付けは少ないため直接の影響は確認できていないが、設定している場合は v2.1.310 へのアップデートで改善される。

Monitorツールが Bedrock・Vertex・Foundry でも動くようになった

Added the Monitor tool and plugin monitors on Bedrock, Vertex, and Foundry, and when telemetry or nonessential traffic is disabled; long foreground sleeps are now blocked there too

Monitor ツールは、コマンドの出力をリアルタイムに読んでループの終了条件を判定するための仕組みだ。これが Bedrock・Vertex・Foundry 経由で Claude Code を動かしている環境でも使えるようになった。

また、テレメトリや非必須トラフィックが無効になっている環境(ネットワーク制限が厳しい環境)でも動作するようになった点も合わせて確認しておく価値がある。

long foreground sleeps のブロック

合わせて、長い前景スリープ(long foreground sleeps)もこれらの環境でブロックされるようになった。これは claude -p を使った無人実行パイプラインで、意図せず長時間待機してしまうケースを防ぐための変更だ。

無人実行パイプラインで Monitor ツールを使っている場合、Bedrock・Vertex 環境でこの変更によって挙動が変わる可能性がある。特に long foreground sleeps に依存したフローは事前に確認しておくとよい。

実務への影響

大企業での AI 基盤として AWS Bedrock や Google Vertex AI 経由で Claude を使っているチームは、Claude Code との統合部分で Monitor ツールが使えるようになったことで、より細かい実行制御ができるようになる。コスト・セキュリティの観点からテレメトリを無効にしている環境での動作が保証されたことも、企業導入の障壁が一つ下がったと感じる。

Compaction の修正——base64・SVG を多用する会話での再失敗が直った

Fixed compaction after a "Prompt is too long" error keeping too much of a conversation with dense text, such as base64 or SVG, so the next request could fail again

「Prompt is too long」エラーが発生した後に行われるコンパクション(会話の圧縮)処理で、base64 や SVG のような「1 文字あたりの情報密度が高いテキスト」を含む会話が圧縮されすぎずに大量に残ってしまい、コンパクション後の次のリクエストも同じ理由で失敗するケースがあった。

要するに「プロンプトが長すぎる → コンパクション → まだ長すぎる → また失敗」というループが起きていた。

自動化パイプラインで起きやすかった理由

長時間の自動実行パイプラインでは、スクリーンショット(base64 エンコード画像)やグラフ、SVG ファイルを含む応答が積み重なることがある。これらは「高密度テキスト」に該当するので、このバグに当たりやすかった。

このプロジェクトでは weekly-reports/daily-log.md(30 万字超)などの大ファイルを読み込まないようにしているが、その理由の一つはこうした「トークン密度が高い状態」を避けるためでもある。今回の修正でこの問題が根本から改善されたなら、長時間パイプラインの安定性に寄与すると思う。

Windows 環境:GitBash なしの hook バグが修正された

Windows: Fixed PreToolUse and PermissionRequest hooks letting a tool call through when Git Bash is missing and the hook's command is only quoted strings, such as a quoted path

Windows 環境で Git Bash がインストールされていない場合、PreToolUse と PermissionRequest のフックのコマンドが「引用符で囲まれたパスだけ」の形式だったとき、フックが本来ブロックすべきツール呼び出しを通してしまうバグがあった。

実務への影響

Windows のタスクスケジューラで Claude Code の自動実行を組んでいる環境で、フックを使ってアクセス制御をしている場合は確認しておく価値がある。「フックで止めているはずが通っていた」という問題が解消される変更だ。

Git Bash が入っていない Windows サーバーで運用しているケースで特に関係する。フックの設定を見直す機会にもなる。

VSCode・クラウドセッション関連の修正(一覧)

今回のリリースには VSCode 拡張とクラウドセッション関連の修正が多数含まれている。箇条書きで整理する。

VSCode 拡張

  • プランレビューカードの「フィードバックを送ってプランニングを続ける」ボタンを Enter で押すとプランが承認されていたバグを修正
  • ブランチ切り替え後にクラウドセッションのパネルで「Something went wrong」と表示される問題を修正

クラウドセッション(Enterprise)

  • クラウドセッションと Remote Control の権限を Enterprise のカスタムロールに追加(ロールごとにアクセスを制御できるようになった)
  • クラウド環境のセットアップスクリプトを「ファイルから読み込む」ボタンを追加
  • クラウド環境の編集ダイアログでの保存・アーカイブ失敗時のエラーがダイアログ内に表示されるよう改善
  • 一般設定でクラウドセッションや Remote Control をオンにする際に確認画面が出るように変更

Enterprise でクラウドセッションを展開しているチームは、ロールの設定変更(カスタムロールへの権限追加)が必要になる場合があるため確認しておきたい変更だ。

その他(自動実行・画像表示改善)

  • 非インタラクティブセッション(-p・Agent SDK)でのコンパクション時のメモリ使用量を改善(大きいトランスクリプトファイルでの効率化)
  • tmux・kitty・Ghostty・iTerm2 での画像レンダリング改善
  • auto モードで作業ディレクトリ外の読み込みをブロックする際の説明文を改善

今回まだ確認できていないこと

  • ゲートウェイ互換性修正が、実際にどのゲートウェイ製品・バージョンで効くか(社内プロキシの種類・設定依存)
  • Monitor ツールを Bedrock 経由で使った場合のパフォーマンスへの影響
  • 非インタラクティブセッションのメモリ改善がどの程度のサイズのトランスクリプトで効果が出るか

v2.1.309・v2.1.310 と短い間隔でリリースが続いている。自動化パイプラインを運用しているチームは、変更ログを定期的に確認しておくとよい。

大企業の AI 推進担当として見ていると、今回の修正は「社内環境での障壁を一つずつ取り除いていく」方向性が感じられる。ゲートウェイ互換性・Windows での hook・Enterprise のロール管理、どれも「使いたいが社内環境だとうまくいかなかった」という声に応えるものだ。

大企業の現場で AI エージェントの本番稼働を増やしていくときに感じていることは、別の記事にまとめた。
https://note.com/light_tern636/n/n5d27b048b357

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