はじめに
毎週月曜、同じような聞き方で会議メモの要約を頼んでいる。
あの時うまくいった聞き方、また一から打ち直している。
いい感じの回答が出たプロンプトを思いついて、まず保存しようとボタンを探したのに、どこにも見当たらない。
そんな経験、ありませんか。
繰り返す仕事ほど、毎回プロンプトを打ち直す手間が地味に積もります。
しかも「前にうまくいった聞き方」をうろ覚えで再現すると、回答の質がそのたびにブレてしまう。
そこで使えるのが 「プロンプトの保存」 です。
よく使う質問を"定番メニュー"として登録しておけば、打ち直さずに呼び出して使えます。無償版のCopilot Chatでも利用できます。
そして冒頭の「保存ボタンが見当たらない」問題には、ちょっとしたコツがあります。それも含めて、順番に見ていきましょう。
なぜこれがめちゃめちゃ効くのか
プロンプトの保存がうれしいのは、大きく2つの理由からです。
ひとつは、手間が減ること。週次の会議メモ要約、定型のメール返信、長い資料の3行要約、こうした「毎回ほぼ同じ聞き方をするタスク」は、思った以上に多いものです。1回あたりは数分でも、週次・日次で繰り返せば、打ち直しの時間はばかになりません。
もうひとつは、出力が安定すること。プロンプトの出来は、回答の質を大きく左右します。一度「これはいい回答が出る」というプロンプトに行き着いたら、それを保存して使い回すことで、毎回同じ品質の回答を引き出せます。記憶を頼りに打ち直して、微妙に違う結果にがっかりする、ということがなくなります。
「プロンプトの保存」とは
プロンプトの保存は、よく使うプロンプトを"定番メニュー"として登録しておく機能です。一度保存すれば、次からは打ち直すことなく、メニューから選ぶように呼び出して使えます。
行きつけのお店で「メニュー表のあれ」と指させば、説明しなくても同じ一品が出てくる。プロンプトの保存は、まさにそういう「定番注文」を自分専用に作っておくイメージです。

保存ボタンが出ないときは
プロンプトを入力している段階では、保存ボタンは出てきません。一度送信して回答が返ってきてから、自分が打ったプロンプトにカーソルを合わせると、はじめて保存用のアイコンが現れます。
「保存してから使う」ではなく、 「使ってから保存する」 順番だと覚えておくと、冒頭のように"ボタンが見当たらない"と迷わずに済みます。
Qiita記事(38)の「カスタム指示」との関係
このシリーズを読んでくださっている方は、記事38の「AIを自分好みに変えられる!カスタム指示の使い方」(https://qiita.com/Shinyas77/items/1b85ea7545d9f020ad5e)
を思い出すかもしれません。どちらも「毎回の手間を減らす」機能ですが、役割が違います。混同しないよう、対比で整理しておきましょう。
カスタム指示(記事38)は、お店に行けば何も言わなくても出てくる「いつもの」です。 「回答は簡潔に」「丁寧なトーンで」といった土台の好みを一度設定すれば、すべてのチャットに常に効き続けます。指名する必要はありません。
プロンプトの保存は、メニュー表に載せた「定番注文」です。 「週次会議メモの要約」のような具体的なタスクを登録しておき、頼みたいときに指名して呼び出します。常に効いているわけではなく、必要なときに出すものです。
この2つは競合しません。むしろ組み合わせると強力です。土台の好みは「いつもの」(カスタム指示)で常時設定しておき、繰り返す具体タスクは「定番メニュー」(保存プロンプト)で呼び出す。この二段構えにすると、毎回の手間と出力のブレを、同時に減らせます。
使い方
実際の手順を見ていきましょう。先ほどの「使ってから保存する」順番が、そのまま流れになっています。
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まず、保存したいプロンプトを入力して送信します(※この時点では保存ボタンはありません)
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Copilotから回答が返ってきます
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現れたブックマークのアイコンをクリックし、「プロンプトを保存」を選びます
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後から探しやすいタイトルを付けます(例:「週次会議メモ要約」)
画面のボタン名や配置は、アップデートで変わることがあります。もし保存のアイコンや一覧が見当たらないときは、新しいチャットを開いた画面から探してみてください。
保存したプロンプトは、基本的に自分だけに見える状態で保管されます。Copilot Chatのほか、TeamsやOutlookでも呼び出せます。
保存すると便利なプロンプト例
「何を保存すればいいかピンとこない」という方へ。職種を問わず使いやすい、繰り返し系の定番を挙げておきます。
(1)週次の会議メモ要約。「以下の会議メモを、決定事項・宿題・次回までのアクションの3つに整理して」のような形で保存しておくと、毎週貼り付けるだけで済みます。
(2)定型のメール下書き。「以下の内容で、丁寧なお礼メールの下書きを作って」など、よく送る種類のメールを型にしておけます。
(3)長い資料の3行要約。「この資料の要点を3行で。それぞれ40字以内で」のように、読む前のあたりをつける用途で重宝します。
いずれも、記事38で触れた「書き方のコツ」を仕込んでおくのがポイントです。トーンや形式の指定を入れたプロンプトを保存しておけば、呼び出すだけで質の安定した回答が返ってきます。
Before / After
実際にどれくらい変わるのか、週次の会議メモ要約を例に見てみます。
Before(保存なし)
毎回、「どう聞けば3つに整理してくれたっけ」と思い出しながらプロンプトを打ち直す。微妙に表現が違って、整理の粒度が週ごとにバラつく。1回あたり数分+出力のブレ。
After(保存あり)
「自分のプロンプト」から定番を呼び出し、メモを貼って実行するだけ。表現が固定されているので、整理の粒度も毎回そろう。
1回の差は数分でも、週次・日次で繰り返すタスクなら、積み上がると無視できない時間になります。
ちょっとしたコツ
タイトルは 「後から探せる名前」 にしておきましょう。「プロンプト1」では何だったか分かりません。「週次会議メモ要約」「お礼メール下書き」のように、用途がひと目で分かる名前にしておくと、一覧から迷わず選べます。
保存するプロンプトには、コツを仕込んでおくのがおすすめです。トーン・形式・文字数といった指定を入れておけば、呼び出すだけで質の安定した回答が得られます。プロンプト自体の書き方は、記事38もあわせてどうぞ。
そして、最終的な判断はいつもあなたの手にあります。プロンプトの保存は、あくまで「入力する手間」を減らす仕組みです。返ってきた回答をそのまま使うかどうか、どこを直すかは、これまでどおり人が決めること。Copilotは定番作業を素早くこなす相棒であって、中身の良し悪しを決める相手ではありません。
まとめ:今回の型
繰り返す質問は「打ち直さず、保存して呼び出す」。
そして保存は「使ってから」——回答が出たあとにアイコンが現れる。
「いつもの」(カスタム指示)と「定番メニュー」(保存プロンプト)の二段構えで、毎回の手間と出力のブレを同時に減らしましょう。
参考
- Microsoft Support「Save your favorite prompts to use again」 https://support.microsoft.com/en-us/microsoft-365-copilot/save-your-favorite-prompts-to-use-again
- Microsoft Learn「Overview of Microsoft 365 Copilot Chat」 https://learn.microsoft.com/en-us/copilot/overview
- Microsoft Tech Community「New Copilot Prompt Gallery helps you discover, save, and share your favorite prompts」 https://techcommunity.microsoft.com/blog/microsoft365copilotblog/new-copilot-prompt-gallery-helps-you-discover-save-and-share-your-favorite-promp/4279600




